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【社会】

さらばオレンジ列車 JR中央快速線 来秋にも

2008年9月26日 夕刊

姿を消すJR中央快速線の201系電車=JR御茶ノ水駅付近で

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 JR中央快速線のシンボルカラーのオレンジ一色をまとった車両が来年秋にも、半世紀の歴史に幕を閉じる。今年三月に銀色を基調としたステンレスの新型車両が本格導入され、オレンジ単色車両は現在二編成(本)のみ運行。JR東日本は一年後のダイヤ改正を機に引退させる方針を固めた。かつて首都圏のJR線で主流だった単色車両はほぼ姿を消すことになる。 (比護正史)

 山手線は黄緑色、京浜東北線は水色、中央総武(各駅停車)線は黄色…。路線を分かりやすくするためのシンボルカラーは、国鉄時代の一九五七年にオレンジ車両を導入した中央快速線が“元祖”だ。首都圏の各路線では六〇−八〇年代に単色車両が続々と登場する中、象徴的な存在となった。

 現在のオールオレンジ車両である201系は七九年、101系などに続き三代目の単色車両として導入された。石油危機に見舞われた七〇年代の社会情勢を反映し、ブレーキで生じる電力を架線に流して再利用する機能を搭載。当時は最新鋭の「省エネ電車」と呼ばれたという。

 しかし、時代の流れとともに各路線ともステンレス車両へ切り替わり、単色車両は姿を消していった。中央快速線でも三月、銀色の車体にオレンジのラインが入った新型「E233系」が主力に。残る二編成の201系は、同系を水色に塗装して運行している京葉線を除き、首都圏最後の単色車両となった。

 古い201系が運行しているのは、現在進められている三鷹−立川間の連続立体交差化工事の影響で、通常より多くの車両が必要な変則運行を余儀なくされているため。工事にめどがつく一年後には運行ダイヤが整理され、お役御免となる。

 元祖オールカラー車両を懐かしむ鉄道ファンも多く、JR東日本関係者は「要望があれば、さよならイベントを行いたい」と話す。

 

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