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【政治】

中山国交相 きょう辞任 問題発言で引責 麻生政権に打撃

2008年9月28日 朝刊

 日教組や成田空港拡張反対派などに対する問題発言で野党が罷免を求めていた中山成彬国土交通相は、二十八日に引責辞任する意向を固めた。自民党幹部が二十七日明らかにした。中山氏が閣内にとどまった場合、臨時国会での二〇〇八年度補正予算案審議や、十一月二日投票を軸に調整している衆院選への影響が避けられないことから、事態収拾に向けて辞任を決断した。 

 ただ、野党側は麻生太郎首相の任命責任も厳しく追及する構えで、二十四日に発足した麻生内閣にとって中山氏の辞任が大きな痛手となるのは必至だ。

 就任五日での閣僚辞任は、現行憲法下では一九八八年、リクルート社からの政治献金問題で辞任した竹下内閣の長谷川峻法相の四日に次ぐ短さ。

 中山氏は二十八日午前、首相官邸で麻生首相に辞任する意向を伝える。首相もこれを了承する。

 政府・与党内では中山氏の後任は置かず、河村建夫官房長官が国交相を兼務する案が浮上している。

 中山氏は二十七日夜、都内で記者団に「自分の出処進退は自分で決める」と述べた。

 これに先立ち、中山氏は二十七日、宮崎市の自民党宮崎県連会合で「日教組は何とか解体しなきゃいかんと思っている」と発言。その後記者団に対し「(日教組に関する発言は)撤回しない。日本の教育の『がん』である日教組をぶっ壊すために私が頭になる決意を示した」と強調した。

 麻生首相は同日午後、中山氏の発言を受け、河村官房長官らと首相官邸で対応を協議。河村氏は記者団に「すべて真意をただしてからだ」と述べた。

 これに関連し、複数の自民党幹部が「辞任は不可避だ」との見方を示した。公明党幹部は「罷免して内閣の指導力を発揮すべきだ」と強調した。

 中山氏は二十五日、報道各社とのインタビューで、大分県の教員汚職事件に関し「大分県の学力は低い。日教組の強いところは学力が低い」と発言。関係者や野党からの批判を受け、発言撤回のコメントを発表していた。

 中山氏は衆院宮崎1区選出の当選六回。小泉内閣で文部科学相として初入閣し、麻生内閣で国交相として再入閣した。

首相の任命責任 小沢氏が追及へ

 民主党の小沢一郎代表は二十七日、京都市内で記者会見し、中山成彬国土交通相の一連の問題発言について「非常に不見識で軽率な偏った見方、発言だ。大臣としての資質と見識を問われる」と、辞任を求めた。

 その上で「中山氏の責任は任命権者の責任とイコールの問題だ」と、麻生首相の任命責任を厳しく追及する考えを示した。

 

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