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中山国交相が辞任へ 問題発言に批判、麻生新政権に打撃

2008年9月27日22時55分

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写真自民党宮崎県連の会合に出席後、記者に囲まれる中山国土交通相=27日午後2時7分、宮崎市宮田町、菊地洋行撮影

 「日教組が強いところは学力が低い」などと発言し、野党から辞任を求められていた中山国土交通相が28日に辞任する見通しとなった。政府・与党内で、国会審議や総選挙への悪影響を避けるため、早期に事態を収拾する必要があるとの判断が強まった。政権発足直後の閣僚辞任は、解散総選挙に臨む麻生首相と与党にとって大きなダメージとなりそうだ。

 中山氏は27日、所属する町村派幹部に大臣の地位に固執しない考えを伝えた。同派としても進退を官邸側に委ねる考えだ。中山氏は28日朝、麻生首相の所信表明演説の内容を検討する臨時閣議の前に、河村官房長官に直接会って最終判断を伝える。首相は中山氏が自ら辞任しない場合は更迭する意向で、同日中に後任を任命する構えだ。

 麻生政権は発足直後の支持率の高さを背景に早期解散戦略を描いている。国会での所信表明演説も済まないうちの閣僚辞任で支持率が著しく低下した場合は、与党内で解散時期の先延ばし論が強まる可能性もある。

 中山氏は27日、地元宮崎市で、記者団に対し「国会審議に影響があれば、地位にきゅうきゅうとしているわけではない」「辞めないんだと言ってしがみついているわけじゃない」と語った。その後、東京に戻り、羽田空港で記者団に「出処進退は自分で判断する」との考えを示した。

 中山氏は25日の報道各社とのインタビューで、「成田空港は『ごね得』」「日本は単一民族」「日教組の子どもなんか成績が悪くても先生になる」などと発言した後、26日に発言を撤回し謝罪した。

 千葉県の堂本暁子知事やアイヌ民族最大の団体「北海道ウタリ協会」、日教組などから抗議を受けたほか、民主党など野党各党は中山氏の辞任か罷免を要求。中山氏は文部科学相だった04年にも「歴史教科書から従軍慰安婦とか強制連行といった言葉が減ってきたのは良かった」と発言して問題になっており、野党は首相の任命責任も追及する構えを見せていた。

 中山氏は自民党最大派閥の町村派(89人)の事務総長を務め、同派最高顧問で同じ文教族の森元首相の信任が厚く、麻生内閣で2度目の閣僚入りを果たした。妻は旧大蔵省の同期で、拉致問題担当首相補佐官の恭子氏。

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