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ドル資金不足が生んだ中小企業の危機(下)

◆輸出企業へのドル資金ストップ

 外貨不足に耐えかねた市中銀行が外貨建て融資の回収を本格化させているのに加え、出企業からの輸出手形の買い取りも減らしている。

 輸出手形とは企業が商品を輸出後に受け取る代金を基にした手形で、銀行が手形をあらかじめ買い取ることで企業は代金を早めに現金化できる。しかしC銀行は、手形決済日が90日以上の輸出手形の買い入れをストップした。

 市中銀行最大手の国民銀行は先週、各支店に対し、実需を伴わない外貨建て融資は満期延長が難しいと取り引き先に連絡するよう指示した。ドル、円など通貨の種類を問わず外貨回収に乗り出した格好だ。

 これに対し、外貨融資を受けている中小企業は反発している。円建て融資を受けている顧客は団体を組織し、政府と韓国銀行に融資の満期延長を要求する訴訟を準備中だ。

◆通貨オプション利用の企業にも危機

 中小企業中央会は25日、ウォン相場が1ドル=1200ウォンまで下落すれば、通貨オプションで為替差損が生じた中小企業の70%が不渡りを出す危険にさらされると主張した。これはウォン相場が1000ウォンの場合の59.8%、1100ウォンの場合の62.7%をさらに上回る数字だ。

 中央会は「通貨オプションを利用している企業の大半は輸出が堅調だ。関連企業まで含めると数千社が危機に直面する」と指摘した。

 ウォン相場は4日連続下落し、25日には前日比3.70ウォンのウォン安となる1ドル=1158.20ウォンで取引を終えた。一時は2004年8月以来4年1カ月ぶりに同1167ウォンまで下落する場面も見られた。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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