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学風か防犯か悩める京大 事件急増でも警察に拒否感(2/2ページ)

2008年9月26日6時6分

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写真門がなく、学生や一般人が自由に出入りできる京都大のキャンパス=25日午前、京都市左京区、上田潤撮影

 警察側は「夜でも不審者が立ち入りやすく、巡回もできないので取り締まりにくい」と指摘するが、大学側は「学生の了解がなければ警察は入れられない」との姿勢だ。

 ただ、被害の増加に大学も手をこまぬいているわけにはいかず、6月から深夜巡回のガードマンを2倍の6人に増員。盗難事件があった理学研究科は6校舎に防犯カメラ約20台を設置する方針だ。

 学生らからは「警備員を増やすのはいい」(総合人間学部3年の男子)と防犯強化に理解を示す声も上がるが、監視強化や警察介入には反対する空気が強い。文学部4年の男子学生(23)は「防犯の必要性を否定はしないが、カメラは嫌。警察官に見張られるのも気持ちが悪い」と話す。(小林正典、小坪遊)

     ◇

 〈京都大出身で母校の教授も務めた竹内洋・関西大教授(教育社会学)の話〉 昔の大学の門にはオーラのようなものがあって、部外者が立ち入ることはほとんどなかった。しかし、今はセールスマンも遠慮なく教授室に押しかける時代。警察を入れずに大学の安全と自治を両立させたいなら、学生ボランティアで防犯組織をつくるぐらいの覚悟が必要だ。

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