『人は人 我は我なり されど仲よき哉日誌』。時々、徒然に更新。
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IMG_0538.jpgという訳で、本日はFCCTへ。日本ではすでに公開されている「闇の子供たち」
タイで開催中の国際映画祭で上映中止を受けたことについて、プロデューサ、監督が記者会見を行うというので行って来た。

タイで上映することを可能にする=検閲を通る形に編集をしなおして上映に臨むというところまで想定していたなかで、映画祭からノーカットで上映出来るという招待が来たそうだ。その後、「タイで上映するのにふさわしくない」という理由で、上映キャンセルが決まり、いろいろな筋からいくつもの理由が伝えられ、実際はこれから映画祭側とこの件について正式な見解を交わすということのようで、記者会見とその順番が逆になってしまったということらしかった。
何しろ、キャンセルについての質問が長く、何度も同じような答えが出たのは結局この為だった。
ただ、本当の理由は色々な人との関わりから、後々に伝えられることもないと思うのだが、この映画上映のために、奔走してくれた映画祭関係者がいるということに、監督、プロデューサーは感謝していた。

IMG_0537.jpgそして、今後のためにも、上映がキャンセルになったいう理由で、抗議を行うなどという考えはもっておらず、記者会見の途中で、外国人記者が「XXXXという日本人が上映中止に対する抗議をしているということで、自分にメールが来たのだが...」それについて、その人物のことを知っているか?と質問をした際に、勿論知らないし、そういうことは止めて欲しいと答えていた。何しろ、ことを荒立てて、今後のタイでの上映の道を閉ざしたくはない、ということだった。

この映画で悪役を演じたタイの俳優パラパドン・スワンパンさんも記者会見に同席していた。彼からは、どのような経緯で映画に参加し、どのような思いで演じたかがこのように述べられている。
IMG_0549.jpgこの作品に出演するにあたって、監督と話しをした。そのときに台本を読んだら、はじめから終わりまで、悪一色という役柄だったが、内容が社会問題を取り上げたもので、それをどう解決していくかという部分に共感。それと、社会問題をとりあげた作品に一度は出てみたいという願望をもっていたので、快諾した。
タイの社会の持っている悪い面が映し出されているかもしれないが、それならば、自分はその間違いは正さなくてはいけないんじゃないかという考えを持っているので、すすんでその悪役をひきうけ、罪を犯したあとには償いがまっているんだということを知らしめるのが自分の役目だと演じきったという。そういう経緯のある作品が上映の機会を逸したのは残念。
子供の問題が起きないように願いをこめられた作品だと思うので、出来れば、みんなにみてもらえる機会あればいいけれど、それは、難しいのかもしれませんね...

なんとか、今年の暮れか来年頭にはタイでの上映を目指したいということのようだが、今のところタイでは見れない。見れたとしても、ノーカット版ではない、というのが今日の記者会見でわかったことだった。
↓にそれぞれの予告編を..。

闇の子供たち Children of the Dark Trailer(日本語)


Children in the dark movie trailer(タイ語)
digital image+journal=youme.
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無題 2008/09/25 02:30
タイでの上映に規制がかかった「闇の子供たち」、日本で偶然観ました。
予告編だけ観ると、個人的にはタイ語バージョンの方がリアルな部分を映しているかなという気がしました。
日本語編は、たしかにおいしいポイントを拾っているけれど、ちょっと表面的すぎる印象ですね。

いずれにせよ、原作とはまた違ったリアリティを描いていている映画だと思うので、まだご近所でロードショーのある方は是非ご覧になってみてください。
無題 2008/09/25 12:21
でも、中国フィリピン、カンボジアでは臓器移植に事実を知っていますが、
タイ国内でこういうことは、まず無いでしょう。
第一、タイで臓器移植した日本人が、過去に何人いますか?
たったの1人でもいるのですか?

臓器移植って、町医者の手術室で簡単にできるような手術じゃないそうです。
専門医も最低5人もついて、心臓のペースメーカーの管理なども、大変だそうで。

タイの裕福層の医者が、はたして法律に触れてまで、このような危険な手術に立ち会うでしょうか。

馬鹿げた映画ですね。

この監督さん、よくタイで撃たれませんでしたね。
マラリア EDIT
無題 2008/09/25 13:02
今回はキャンセルになった背景について、ここでは報告させてもらいます。それから、これからも上映が考えられているということも。

実際に、児童売買(Child trafficking)という言葉で言えば、うちの国は関係ないと、胸をはって否定出来る国なんてないと思います。実際に日本も含まれます。それがどこで、具体的にはどういうものなのか(臓器売買、児童買春ほか)、フィクションを含む内容というならば、架空の町の設定にして劇映画として作るべきだったのかもしれませんね。劇映画を通して現実を伝えようとした、ということでも、フィクションという要素を含む限りは、それをタイという実在する国に限定してしまったのは問題だと思います。その辺の真偽をただした際に、これはフィクションだからと言ってしまうのだとしたら、結局、この映画の目的はなんなのか?がぶれてきます。
今の時点では、その辺りが中途半端な印象を持っています。

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2007年1月からpdfX12|photo documentary folioX12の編集者、フォトドキュメンタリーを毎月1本pdf版で発行している。pdfX12はリマインダーズプロジェクトのサイトから。

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