火災が原因で1か月遅れとなった配備。アメリカ側は安全性と安保条約に基づく配備の意義を強調しています。日本で初めてとなるアメリカ軍の原子力空母ジョージ・ワシントンが神奈川県の横須賀基地に先ほど到着、正式に配備されました。地元では安全性に対する不安が根強く、市民らは反対の声を上げています。
アメリカ軍横須賀基地です。空母ジョージ・ワシントンは全長が333メートルもあり、実に東京タワーの高さと同じ長さにあたります。空母の甲板には艦載機が立ち並んでいますが、何と80機以上の艦載機がこの甲板で発着することができるのです。今回の配備に対し、地元からは強い反対の声しか聞こえてきません。
25日朝、東京湾に姿をあらわした「ジョージ・ワシントン」。その甲板には多くの艦載機が並び、世界最大の軍艦であることを物語ります。そして、水兵によるこんな人文字が・・・。兵士400名が「はじめまして」の人文字を作っています。
しかし、入港が近づくにつれ・・・。基地の周辺では、各地で入港反対の声が上がりました。
「『ジョージ・ワシントン』の入港反対」「怒りで体が震える」
そして、午前10時。ジョージ・ワシントンが今、横須賀基地に接岸します。これで日本の歴史で初めて原子力空母が配備されることになります。
市民による反対の声を浴びながら配備されたジョージ・ワシントンですが、不安の声の一番の原因は、燃料に原子力を使うということにあります。万が一、核事故が起きた場合、その被害は甚大なものになるからです。
アメリカ軍はこうした反対運動の盛り上がりを警戒し、25日も記者団をジョージ・ワシントンに乗せ、水兵による「はじめまして」の人文字を作って見せるなど、親しみやすさと安全性のアピールに必死です。
しかし、ジョージ・ワシントンが南米沖で起こした火災や横須賀での原子力潜水艦の放射能漏れ事故ではアメリカ側からの迅速な情報提供が行われず、地元の市民の不安感が増幅しているのが実情です。
今回の配備は市民の声を聞くことなく押しすすめられました。今後はアメリカ軍と行政がここで暮らす市民の不安を取り除くための十分な安全対策がとれるかどうかが大きな課題となってきます。(25日11:30)