中国運命学について


 中国運命学は、西洋占星術とは又ちがった切れ味をもちます。まず第一に中国運命学は西洋占星術とはちがい、そのノウハウの本質的部分は殆ど公開されていません幾多の運命学書はあまた出版されているものの古典として伝えられている見かたは殆ど書かれていないと思います。あたかも太陽占星術が一般向けの占星術で本質的でないように、一般に思われているものと中国運命学の本質はかなりちがいます。
 そういう意味でその勉強方法も西洋占星術とはちがう苦労があり、鑑定方法も個人のスキルが多分に求められる分野でしょう。しかしながら、適切な訓練とその中から編み出された経験的知恵は占断と言うにふさわしい切れ味をもちます。


 @(周易)
 

  易学(周易)は私が最も得意とする占術の一つです。易学の勉強では主に易経の学習を基礎にして、真勢中州の説を中心に、かなり勉強しました。西洋占星術を専門とする今でも、意思決定を必要とする時に、ホーラリーの代わりによく代用します。易学は占断に関しては、天下無双の切れ味を発揮しますしかし、残念ながら古代より伝わる文献は現在殆ど伝わっていません我国に伝わった陰陽道の中にその流れが細々と伝わっています。

 
易はもともと天候や気象の予測の為に開発された古代中国人の英知です明日の天気、或いは来週の天気が知りたい方は連絡を下さい。これに関してはピタリと当てる事ができますなぜ当たるのか私にもわかりません。
 
それから易に関してもう一つ誤解を解いておきたいのは、特定の卦が出たら良い悪いという性質のものではありません。
吉か凶かは「占的」と「設問」の仕方によってちがいますもし山地剥が出たら凶、山天大畜が出たら吉等と書かれている易の本があったら信用するに足りません。占的や設問の仕方によって解釈は融通無碍に変化します。

 易学の研究は
易経の研究から始まります。『易経』は、本体部分とも言うべき「周易上経」「周易下経」を中心に、これを注釈・解説する十部の書物 すなわち「十翼(じゅうよく)」を合わせた、計十二部の書物から構成されています。
「十翼」とは、「彖伝上・下」「象伝上・下」「繋辞伝上・下」「文言伝」「説卦伝」「序卦伝」「雑卦伝」の計十部から成り立っています。易経には、
例えば、
乾では 天行健なり。君子はもって自ら彊めて息(やす)まず天行健。君子以自彊不息)、
坤では 積善の家には、必らず余慶あり。積不善の家には、必らず余殃あり(積善之家、必有餘慶。積不善之家、必有餘殃)等々、状況判断に関する象徴的な暗示を示す文言が書かれています。これを占筮に基づいて具体的な解釈をしていきます。この解釈方法をめぐってはかなりの勉強が必要になります。又、流派によって違う解釈方法が存在します。

又、悪い卦がでると、人は何回も占いたくなるものです。しかし、
易経の蒙の彖伝にこのように書いてあります。

彖曰、蒙、山下有險。險而止蒙。蒙亨、以亨行、時中也。匪我求童蒙、童蒙求我、志應也。初筮告、以剛中也。再三涜、涜則不告、涜蒙也。蒙以養正、聖功也。

これは大事な点です。かなり意訳になりますが、問題が生じたらまず理性で考えてよく判断する、その上で不明な事、不安な事があったら一度だけ占筮を立てよという戒めとして解釈してよいでしょう。「賢者は占さず」と言って、占いを否定するような事をいう先賢の占い師の話も聞いた事があります。問題が生じたらまず理性で考えてよく判断する、その上で不明な事、不安な事があったら一度だけ占筮を立てよという戒めです。
 
易には偶然はありません。たった一度だけ天が人間に将来を知らせるメッセージです。濫用は慎まなければなりません。何度も立てた卦には何の信頼性もありません。占いのハシゴは禁物です。 これはタロットやホーラリー占星術を行う時も同じです。


A気学

干支学は気学・四柱推命等の東洋流の運命学の基礎になります。

   
                        えとの動物カードです。           


干支は本来動物とは関係ありませんが、その意味を比喩として分かりやすく説明する為に使用されるようになりました。



  
立筮をしてよいと出ればいいですが、悪いと出た場合どうでしょうか?すっぱり諦められる事柄ならそれでいいのですがどうしてもそうはいかない場合があります。そんな時、「開運」の手段として気学を使用します。世の中にある風水(地相)、奇門遁甲、家相、墓相、姓名学等は開運系の占いです。気学の活用方法については、開運法の所で述べたように欲張りは禁物です。ですがその人が本当に必要とするものなら、適切な時期と方位を選んでいけば、必ず願いは叶えられます。気学は園田真二郎という人が大正期になってから、それまで日本にあった九星、方位、易学理論等混乱していたものを整理してできた日本発の運命学です。諸葛孔明が使用したといわれている「奇門遁甲術」のある九星と言葉は同じですが占術の発生的には別系統のものと言われています。奇門遁甲術はもちろん強力な占術ですが、気学も深く学べば奥深いものがあり開運法として決して馬鹿にできません。やたら複雑なものよりより使いやすいシンプルなものを駆使することも重要です。気学は事前にしっかりとした調査と準備をしておけば使えるものなので十分に役に立ちます。。                              


                                方位と願い事

方位 願い事の内容
恋愛、子供、健康、
東北 環境変化
開業、新規事業
東南 見合、取引、信用
試験,意思決定
西南 職業、労働,家庭
西 金運、恋愛
西北 職業、名誉


 気学の応用としての東洋流運命学には次のようなものがあります。東洋流の見方は種々流派がありそれぞれが正統を主張しています。しかも、奥深い所は秘伝となっている現状です。特定の専門家にとっては異論もあるかもしれませんが、最大公約数的にまとめると以下のように説明できます。

B 家相
 
 Aの気学の原理を家屋に応用したものです。家屋の凹凸と気学の方位の示す意味は同じです。中国流の風水では、家相のことを「陽宅風水学」と呼び先天八卦の理論を基礎にしてという日本とは異なった見方をします。 

C 姓名学
  
気学の基本は陰陽五行説に基いていますが、人の名前に五行、即ち木火土金水の原理を当てはめたものです。姓名学は画数だけで見るものではなく音韻の五行配列が大切になります。気学や四柱推命の示す先天的資質との調和を重要視します。ですから同じ名前でもその人の運勢は違います。

D 風水
 
 風水と気学の起こりは同じではありません。似て非なるものです。本質は、この言葉の本質は手相人相という言葉に対応します。つまり土地の相、地相の性質を鑑定し開運に導く占いです。古代の日本及び中国の都はみんな地相の原則基いて設計されています。
                                   
                               
    北

 玄武
 白虎  青龍
 朱雀

                                       南

  発展する都市の配置図 


 
風水で発展する都市は、ある法則を持っています。東に川が流れ、南に開けた海又は交通路を持ち西に高台があり北に山林や山があります。東京でも京都でも、日本で発展した都市は皆同じ地理的構造を持っています。

 一口風水と言っても、色々異なる立場があり、代表的なものに八字風水、八宅風水、飛星派風水等があります。



E四柱推命

   
四柱推命はその人の持って生まれた宿命や性格、才能をズバリと示します。その人の宿命運をずばり突くという点では四柱推命の右に出るものはありません。四柱推命もいくつか流派がありますが、日本では阿部泰山流の見方をする人が多数を占めます。中国では四柱推命のことを先天八字とも言い、日本のそれと比べると干支五行の意味を重要視しています。