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厚生年金記録改ざん、組織的関与認める 厚労相

2008年9月18日13時8分

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 厚生年金の支給額の算定基礎となる標準報酬月額の改ざん問題で、舛添厚生労働相は18日午前の参院厚生労働委員会で、「(改ざんへの)組織的関与はあったであろうと思う。限りなく黒に近いだろう」と述べた。また、標準報酬がさかのぼって大幅に引き下げられるなど改ざんの可能性が高い記録が6万9千件あることも明らかにした。

 民主党の蓮舫議員の質問に対する答弁。厚労省側は、これまで社会保険事務所の職員の判断で改ざんを指導したことは認めたが、今回初めて組織的関与を事実上認めた。

 舛添厚労相によると、年金記録の訂正申し立てを審査する「年金記録確認第三者委員会」が改ざんを認めたケースなど88件を分析。標準報酬の大幅引き下げや、半年以上さかのぼって引き下げる処理など3条件に9割が該当したという。改ざんの可能性が高いこれらの不自然な処理について厚労相は「組織的関与があったと推量する」と述べた。

 さらに、厚生年金のコンピューター上の記録約1億5千万件を対象に、3条件に該当するケースを抽出した結果、6万9千件見つかった。いずれも改ざんの可能性が高いと見られる。年金の受給年齢である65歳以上の記録が約2万人分あり、本人への確認作業を、来年早々に開始する方針も明らかにした。

 これまでの社保庁の調査では、「第三者委員会」などで標準報酬月額の改ざんが認められた17件のうち、社保事務所職員の関与が確認できたのは1件だけ。社保庁は「組織的な関与は確認できなかった」と説明していた。

 保険料は標準報酬に応じて決まる。明らかになった改ざん事例では、保険料を滞納していた事業所の従業員の標準報酬を過去にさかのぼって引き下げ、支払うべき保険料を少なくして滞納分を解消。社保事務所も収納率を上げるメリットがあった。従業員は知らないうちに将来受け取る年金額が減ることになる。

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