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So long〜「聖地」に永遠の別れを告げた松井秀喜

2008年9月22日 (月) 16:41 MAJOR.JP

So long〜「聖地」に永遠の別れを告げた松井秀喜

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最終戦の終了後、ファンに帽子を振る松井秀。(写真提供・共同通信社)

【ニューヨーク21日=古内義明】この日の松井秀喜は、いつもとは違う感情だった。自宅を出てハイウエーを走り、球場を目指す。何度も通った道だが、ヤンキー・スタジアムが目の前に見えてくると、「この球場にゲームで来るのは今日が最後ですから、いつもとは違う気持ちでした」と、口にした。

 ついにこの日が来た。現ヤンキー・スタジアムで行われる最後のゲーム。クラブハウスには、OBたちが入れ替わり立ち替わりで姿を見せた。ロッカー前に座った松井に、ホセ・ベラスが記念の先発オーダー表を差し出す。松井は「8番・指名打者」のラインに、ペンを走らせた。

「僕も一応、みんなからサインはもらいましたが、ここ数日のサインの量はすごいです」。松井は笑いながら、差し出された記念グッズに次々とサインを続けていた。

 時計の針が午後7時10分を指し、記念セレモニーが始まった。センターバックスクリーンに1922年のア・リーグ優勝旗が披露され、23年のワールドシリーズ初優勝メンバーがレプリカユニホーム姿で入場してきた。ヤンキースの歴史を彩ってきた選手がポジション別で紹介された。中でも、最後に名前を呼ばれたバーニー・ウィリアムズには、惜しみない拍手が送られた。

 その後、この日の先発メンバーが呼ばれた。「球場の最後にふさわしい試合をしないといけない」。ゲーム前にそう話していた松井はレフトのポジションまで走り、ロイ・ホワイトらと固い握手を交わした。

 セレモニーの最後を飾ったのは、ベーブ・ルースの娘ジュリアさんの始球式だった。「父はこの球場を『第2の家』と言っていた。そして、(ヤンキー・スタジアムが)『ルースの建てた家』と言われたことを、とても名誉に思っていた」

 先発のアンディ・ペティットはオリオールズ打線に立ち上がりを攻略され、序盤で2点を先制された。だが3回、先頭の松井が反撃の口火を切った。

「ヤンキー・スタジアムで一番好きなところは、バッターボックスです」。その場所で、松井はオリオールズ先発のクリス・ウォーターズから、チーム初ヒットをライト前に放って逆転につなげた。

 その後、一時は同点に追いつかれたヤンキースだが、4回にホセ・モリーナの勝ち越し2ランで流れをつかんだ。7回にダメ押しとなる2点を追加して7−3としたジョー・ジラルディ監督は、万全の継投策で最後のマウンドに守護神マリアノ・リベラを送った。

 9回2死。ブライアン・ロバーツがファーストゴロに倒れ、リベラがコディ・ランサムからボールを受け取った。3時間5分のゲームが終わっても、ほとんどのファンは家路に着かなかった。選手たちはデレク・ジーターが先頭となってグラウンドを一周し、ファンの声援に応えた。その中に、帽子を掲げる松井の姿もあった。

「いい思い出も、苦い思い出もたくさんありますが、すべてが僕の宝物だと思います。もうこのフィールドでプレーすることはないですから、そう思うと寂しいです。僕の中では世界一の球場です」

 ゲーム後、ブライアン・キャッシュマンGMが、明日に松井の手術が行われることを明らかにした。その言葉を受けて、まだ余韻の残る一塁側のダッグアウトで松井の今季最後の会見が始まった。

「今年はジェットコースターのような1年でした。出足は非常に良く、そこからジリジリ上がっていったが、ひざを痛めて急降下してからは、上ったり下がったり。こういう年も珍しいんじゃないかと思います。今日でチームから離れて、明日に手術する予定です。これもいい勉強だと思って、また体をいい状態にして、来年1年間をがんばりたいと思います」

 2008年9月21日。聖地は86年の歴史に幕を下ろし、松井は永遠の別れを告げた。

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(9月22日 20時23分 更新)

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