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今月の主張
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2006年11月27日(月曜日)

マスコミが報じない日教組と民主党の実像

マスコミが報じない日教組と民主党の実像

 「教基法改正阻止に3億円投入」と産経(11・25)が報じている。日本教職員組合(日教組)の反教育基本法改正運動への支出に関する報道だ。「3億円も!?」と、多くの人々は恐らく驚かれるところだろうが、実は筆者はもっと多くの支出がなされているのではないか、と秘かに思っている。というのも、国会議員会館に用があって出向くたびに、会館前の道路を占拠するがごとく埋め尽くす日教組の座り込み集団に、その背後の巨大な資金源を連想せしめられてしまうからだ。その数、いつも数百人規模。彼らの雰囲気そのものは概してマンネリ気味で、別に大したインパクトを受けるわけでもないのだが、一体この連中、上京するに当たってどのくらいの手当て付きでやってきているのだ、という思いがしてならないのだ。

 その意味で、全国から連日動員される彼らの交通費に日当を含め、もっと多くの資金が投入されているのではないか、と想像せしめられざるを得ない。

 産経の報道によれば、日教組は今日の状況に「非常事態」を宣言しているとのこと。「非常事態」とは大げさな、とは誰もが思うところだが、「教育基本法改正は戦争ができる国づくりのため」との彼らのスローガンをそのまま信じれば、あるいはそういうことになるのかも知れない。先生といっても、イデオロギーによって眼がふさがれてしまえば、社会認識は子供並みになってしまうという悲しき証左でもあろう。「非常事態」をいうなら、むしろ「いじめ」蔓延の当人の教室の方がそうなのではないか、と筆者としてはいいたくなる。

 ところで、筆者はこうした日教組の座り込み集団に遭遇する度、テレビ局は一体何をしているのだ、との怒りの感想をもち続けてきた。マスコミでは連日、いじめや必修科目未履修の問題で大騒ぎなのに、この連中は「そんなこと知ったことか」と生徒たちをほったらかしにして座り込みに精を出しているからだ。そんな姿をとくと映像に収めて、「ここにこんな先生がいますよ」とやれば、世間の怒りは怒濤のごとく日教組に向かうのではないか、と思ったのである。あの「スト権スト」の時の国労のように、である。

 しかし、マスコミは一切報じることをしていない。同志意識か何だか知らないが、それではヤバイと思っているのだろう。

 ところで、筆者にとって、もう一つ不信に思えてならないのが民主党である。その日教組と一体でありながら、いかにも立派そうに見える独自の教基法改正案なるものを尤もらしく提出しているからだ。これと座り込みの組合員との関係は果たしてどうなっているのだろうか? マスコミは誰も問題にはしないが、小沢党首の教育観、そして日教組観、日教組の民主党観――などといったものをきちんと報じるべきだと思えてならない。

 といいつつ、それにしても笑ってしまうのは、参院民主党の教基法改正特別委員会委員なるもののメンバーである。12人のうち4人が元日教組幹部だからだ。佐藤泰介・元愛知県教組委員長、神本美恵子・元福岡県教組女性部長、那谷屋正義・元横浜市教組書記長、水岡俊一・元兵庫県教組書記次長――である。「揃いも揃ったり」と茶化してみたいところだが、これに参院民主党のドンたる輿石東・元山梨県教組委員長を加えれば、鉄壁3勇士ならぬ「鉄壁5勇士」といった趣でもある。とすれば、彼らは自らのメンツにかけ、最後の最後まで抵抗路線を走り続けるのだろう。

 かくて、最後にもう一度問いたいのが民主党の改正案なるものの真意だ。これは一体どういう性格のものなのだろうか。「要は自民党をどう追い込むかなのだ」というのが小沢氏の戦略なのだろうが、こんな政治屋の駆け引きじみたことばかりしているといづれは選挙民に飽きられますよ、とは筆者だけが抱く感想ではないと思う。

 そろそろ常識と良識に立ち戻って日本の教育を真剣に考える時ではないか。むろん、日教組もまた――である。


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