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憂楽帳:教育と医療

 経済協力開発機構(OECD)が先日発表した教育に関する国際比較データを見ていて、医療の国際比較データと類似点が多いことに驚いた。

 国内総生産(GDP)比でみた教育予算は、比較可能な28カ国で最下位。医療費もOECD平均以下で、先進7カ国(G7)では最も少ない。

 実績については、国際的な学力調査で成績上位だった点などから、OECDは日本の学校制度を「非常に効率的」と分析。長寿や低い乳幼児死亡率を実現した日本の医療も、世界保健機関(WHO)から「世界一」とされる。

 多くの国は教育や医療の予算を増やす方向だが、日本は抑制を続けている点も共通している。教育現場では子どもたちの学力低下が指摘され、医療は崩壊の危機にある。二つのデータが似ているのは、日本の政策が「人」を大事にしていないからではないか。

 近づく総選挙。データで予算の少なさが裏付けられても国際的な潮流と逆方向でも、従来の政策が見直されないまま続く、この国のあり方が問われる機会になることを願う。【鯨岡秀紀】

毎日新聞 2008年9月22日 12時43分

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