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ポイント

サッカーにおいても脳震盪は稀(まれ)ではない。

脳震盪の後の対応を誤ると生命に関わる不幸なことに。  


脳震盪

脳震盪(のうしんとう)とは脳の全体が損傷を受けた状態で、豆腐(脳)が水(髄液)の入っているケース(頭蓋骨)ごとゆすられた感じです。

しばしばみられる症状を記載します。

・うつろな眼差し/ボーッとした顔つき

・質問に答えるのが遅い/指示に従うのが遅い

・すぐ気が散る/何かを最後までやり遂げられない

・変な方向に歩いていく/時間や日付、場所がわからない

・流暢にしゃべれない/理解できない言葉を言う

・よろよろ歩く/まっすぐ歩けない/つぎ足歩行ができない

・取り乱す/理由もないのに泣く

・同じことを何回も尋ねる/3つの言葉やものを5分以内に思い 出せない

・意識消失がある


・脳しんとうは必ずしも意識を失うものではない。意識が無くならなくても精神活動の混乱(記憶がはっきりしないなど)があれば脳しんとうと言える。

・逆に、意識を失ってなくて、記憶もしっかりしていれば脳しんとうと考えなくて良い。

・脳しんとうを1回起こした選手は、普通の選手の6倍起こしやすい。繰り返すと「蓄積」という現象が起きる。


サッカーでも「脳震盪」は稀(まれ)ではありません。

「脳震盪」は、その後に時として命まで関わるような問題を起こし得ます。

                             


ヘディングとの関係は?

ヘディングそのもので「脳しんとう」という状態になることは稀(まれ)と言われています。実は7割近くが、ヘディングではなく衝突(頭と頭の)でありました。すなわち、ボールとは直接無関係であり、空中戦での腕や肘との衝突(特に反則プレー)や頭同士の衝突が原因として多いことがわかっています。

注意点は?

・もうろうとしている選手は、サイドラインまで無理に歩かせない。

・プレーの中断をして担架を準備し使用する。

・首を無理に動かすことなく自然な状態にする。

・脳しんとうを起こした選手は至急CT検査を受けにいくこと。

・後日のサッカー競技への復帰方法はガイドライン(日本臨床スポーツ医学会やアメリカ神経学会)を遵守しよう。