米民間人権団体ヒューマンライツウオッチは19日、南米ベネズエラ政府が18日、同国でチャベス大統領の施政を批判した報告書を発表した同団体のスタッフ2人を国外追放処分にしたと発表した。首都カラカスで報告書を発表した数時間後の措置だった。
報告書では約10年にわたるチャベス政権の政治を民主主義の後退などと批判していた。ベネズエラ政府当局者が2人のホテルを訪れ、報告書はベネズエラへの敵対行動と非難、車に乗せて空港へ連れて行き、ブラジル・サンパウロ行きの航空便に搭乗させたという。携帯電話が没収され、大使館への連絡も拒否されたとしている。
ベネズエラ当局は2人は観光ビザの趣旨に反する活動をしたとも主張しているが、ヒューマンライツウオッチは否定している。
チャベス大統領は反米の社会主義路線を推進し、ロシア、キューバとの関係を強化、拡大させている。また、米国は自らの政権転覆を画策しているとたびたび非難しているが、米国務省は否定している。両国は9月中旬、駐在大使をそれぞれ国外退去させてもいた。