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事故米食用転売:島田化学の事故米でんぷん、全国に流通 業界不安 /新潟

 ◇農政事務所、取引先調査急ぐ

 島田化学工業(長岡市)が事故米を不正転用して製造した米でんぷんは、県内だけでなく商社などを通じて全国に流通していた可能性があることが18日、分かった。一方で、事故米混入の疑いのある米でんぷんは製造月が特定されているとみられ、農林水産省新潟農政事務所が関係取引先の調査を急いでいる。【黒田阿紗子、五十嵐和大】

 ジャムやクリームで知られる東京都内の食品会社は、20年以上前から都内の商社を通じて毎月数トンの米でんぷんを購入。菓子パン用クリームの副原料として使用し、全国の大手製パン会社など数十社に販売していた。

 同社の購買部によると、06年以降の購入分については「事故米の混入分は納品されていないと確認された」。03~05年分は「調査中」だが、混入の可能性があるカビや農薬を想定して独自に分析したところ「安全性に問題はない」という。

 担当者は「こちらは何も知らず裏切られた思い。ただ、米でんぷんを製造するメーカーは他にないので、代替物を探すのが大変」と困惑する。

 広島県内の食品商社は、島田化学工業から毎月300キロの米でんぷんを購入。打ち粉を製造し、県内の多数のめん業者に販売する。納入品の種類や製造時期から「事故米は混入していないことを確認した」ものの、取引先からの問い合わせが絶えず、16日以降は対応にかかりきりという。

 責任者は「そもそも事故米をメーカーに売りつけようとする農水省の姿勢も問題。業界を混乱させた責任は大きい」と憤る。

 また、島田化学の米でんぷんは商社などを通じて県外の菓子メーカーなどにも流通していたとみられる。

 一方、複数の関係者によると、事故米と正規米の区分管理に不備があった商品の製造時期は▽03年5、6月▽04年6、12月▽05年1月▽06年7月▽07年8月--とみられ、農水省は確認作業に追われている。

 ◇農薬試験米02~05年度分、「工業用でんぷん」確認

 県は18日、農業総合研究所作物研究センター(長岡市)などが島田化学工業に販売した農薬試験米7・8トンのうち、加工用途が不明だった02~05年度分の6・5トンも「工業用でんぷん」として加工されたことを確認したと発表した。流通先と帳簿類などが一致したという。

 一方、県と新潟農政事務所はこの日も引き続き、販売経路や流通先、事実関係の確認などのために同社に立ち入り調査を行った。【畠山哲郎】

毎日新聞 2008年9月19日 地方版

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