2008年05月21日

病院出産が子どもをおかしくする

前にも書いたけど、うちのチビは助産院で産まれたんです。

もちろん、僕が助産院で産みたいと主張したわけではなく、奥さんが主張したので、僕は「大丈夫かよ〜」とおびえながら付いて行ったけど、あまりに感動して、「助産院サイコー!」となったわけです。はい。その顛末は、そんときに前編後編に分けて書いた。これを書いたのは、記録のためってのもあるけど、僕と同じような「おびえたお父さん」が読んでくれたらなぁと思ったからでした。

というのは、「助産院で産む」といわれたお父さんは、心配だからきっとネットでいろいろ調べると思うけど、なかなか「どんなところなのか」という空気が伝わるような情報がないんですよね。そんなものを書いておきましょうぞ!と思ったわけなんですが、けっこう出産関係のキーワードでその日記を読みに来てくれる人が多いので、あー書いてよかったなぁと思っている次第です。

はてさて。

そんで、そんな経験してから「出産」というものに興味をもって、関連ニュースをよく見てます。最近、よく言われるのが、産科医不足のニュース。この不足の理由の一端が、昨日の『週刊朝日』にも書いてあった。

日本の産婦人科医の数は、96年から06年までの10年間に約12%減りました。一方、出生数は10年間で9%減。出生の減少よりも産婦人科医の減少のほうが進んでいるのです。
そうした状況の中で起きたのが、04年に起きた福島県立大野病院での事件でした。この事件では帝王切開を受けた妊婦が亡くなり、06年に産婦人科医が業務上過失致死などで逮捕された。


ま、これは一端ですが、要するにこういった医療事故が発端となって、医者の業務上の過誤が訴えられる背景ができた。そして、この訴訟を恐れて数がグーンと減ったのが、産科医なわけです。

で、話は、今回紹介する『病院出産が子どもをおかしくする』という本についてなんですが、このなかでも、こういった訴訟とか損害賠償請求の多発が産科医減少の要因になっていると書かれている。んで、読むと、実際に産科医における出産時の事故というのは、リアルで多いらしい。なんでも、わが国の身体障害児の原因1位がなんと「出産時損傷」なんだとか。

それで、この本では、健康な妊婦に対して行なわれる数々の医療行為の危険性に警鐘を鳴らし、昔ながらの日本が行なっていた助産院での出産を奨励しているわけです。

この助産院で産むという主張は、出産時の安全性だけを問題にしているわけではいんですね。例えば、子どもがキレやすいとか、親の育児放棄といった問題も、欧米式の病院出産が遠因にあるのではと分析している。

ま、実際問題、産科医が減っているわけだし、出産という行為は病気ではないわけだから、これから助産院とかが増えて欲しいのは、僕も同感、同感。

あと、病院で出産すると、誕生日を医者が決める状況もおかしいと書いておられる。そうなんですよねー。僕も子どもが産まれるまで知らなかったけど、病院で出産する場合、医者の都合で、「じゃあ、明日出産ね」って決まることが往々にしてあるんすよね。この本で、病院出産と助産院出産における出産時間と曜日の表があるんですが、病院出産の場合、土日に産まれるのが圧倒的に少なく、また産まれる時間は、午後1時〜2時が圧倒的に多くなっている。これは、医者の都合で時間を決めているからなんですね。

でも、医療行為を施さずに自然に産む助産院の場合、きれいにすべての時間と曜日に均等に産まれている。

そんでうちのチビは土曜日の午後11時半に産まれた。病院で出産してたらその時間に産まれなかったのかと思うと、たしかに複雑な感じはするなー。

ま、てなわけで、色々病院出産の問題点を指摘しておられるこの本。

僕は、助産院での出産が良かったので、知人には薦めたりしてますが、出産は個々人の考え方によって、やりたい方法がいろいろ異なるから、一概になんとも言えないわーな。

僕らの世代ってのは、ほとんど全員が病院で出産しているわけで、その世代がみんなキレやすかったりするわけでもないから、すべての因果関係がこの出産形態にあるとも思えないし。

ただ、選択肢がいろいろあるって知るためにも、これから出産を考えている人は、読むことをオススメします。あと、お父さんは絶対、絶対、出産に立ち会ったほうがいいというのが、「なんか腰が引けるなぁ」と思いながら出産に立ち会った僕の感想でありますよ。



 

この記事へのトラックバックURL

http://blogs.dion.ne.jp/okataco/tb.cgi/7186224
※半角英数字のみのトラックバックは受信されません。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのコメント
この本を見させて頂きましたが、助産院に都合のいい内容ばかり書いてあります。かなりの思い込み・偏向・事実誤認があります。日本の周産期医療の進歩を否定しかねないこのような内容は、反社会的とも言えます。
助産院から「手遅れ」に近いとんでもない症例を搬送されまくった自分としては、このような本はとても許す訳にはいきません。
Posted by beiow at 2008年05月28日 02:11
 
※半角英数字のみのコメントは投稿できません。