東京都が1400億円を出資した新銀行東京の融資先の企業やその経営者から05〜07年、東京都議11人が関連する政治団体や政党支部などに献金を受けていたことが東京都選挙管理委員会が17日に公表した政治資金収支報告書などから分かった。このうち現都議4人と前都議1人は、献金元企業への融資に関し、都側に口利きをしていたことなどを認めた。
5人は、献金と口利きとの関係を否定。しかし、新銀行は1千億円を超える巨額の赤字を出して都税を無駄にしており、経営を監視する立場の都議が、融資の口利きをした企業から献金を受けるのは不適切という指摘もある。
05〜07年分の政治資金収支報告書と、朝日新聞が入手した新銀行の一部の融資先リストによると、献金を受けた都議は自民党が9人、公明党が2人で、献金額は年1万〜52万円。05〜07年の最高は計136万円だった。一方、国会議員5人も献金を受けていた。自民党3人、民主党2人で、額は年3万〜50万円。
都議、国会議員側に献金したのは計17の法人・個人となり、3年間の献金額の合計は376万円だった。
公明都議は05年6月、東京都新宿区の計量機器販売会社の社長から10万円の個人献金を受けた。都議によると、この献金は05年7月の都議選の陣中見舞い。当選直後、社長から「新銀行から借りられないか」と相談され、都の担当者に「相談に乗ってほしい」と伝えた。間もなくして融資が行われたが、会社は06年3月に破綻(はたん)したという。
都議は「融資の可否は銀行しだい、と社長に断った。その上で議員として誠実に対応しただけ」と語った。