新銀行東京の複数の元幹部や関係者の証言から、05年の同行開業以降、東京都議や国会議員側から500社を超える融資への口利きが行われていたことが分かった。議員や議員秘書らからの口利きについては毎月、行内で件数や内容が報告されていたという。
新銀行元幹部によると、議員側は都を通じて銀行側に連絡するのが一般的だった。新規融資だけでなく、利下げや返済期間延長などの話もあった。ある行員によると、都が400億円の追加出資を決めた今年3月以降も都議の口利きは続いているという。
都議らの紹介で融資した企業の不良債権比率は、紹介がなかった企業と比べると高いとされているという。
口利きした都議の所属政党は、自民、民主、公明があり、議員たちは「企業から、紹介がないよりあった方がいいと言われ、都に連絡した」「困った支援者を突き放すわけにはいかない」と語った。
都議の口利きを仲介した都産業労働局は「融資するかどうか判断するのは銀行側で、紹介自体に問題はない」。新銀行は「紹介があろうとなかろうと同様の審査をしている。審査結果はコンプライアンス委員会に報告されて適正であることを確認している」という。(別宮潤一、根本理香)