このブログは桜井淳水戸事務所と桜井淳カリフォルニア事務所の(1)業務内容(2)桜井淳個人情報(3)米国での活動内容(4)専門家養成のための学術セミナー開催案内等を掲載するHP代わりの硬いブログです。スタッフが交替で最新情報の更新や新項の追加をしています。 各項を順序よく読むと(a)事務所業務内容紹介(b)桜井所長学歴(c)哲学(d)著書(e)学術セミナー(f)米国での活動内容等、情報の価値が分かります。ここに記載した情報の信頼性は、他のいかなる組織・団体・文献・電子情報よりも、格段に高く、すべての判断基準になります。情報の信頼性については両事務所のスタッフがすべて責任を負います。著作権・情報のオリジナリティを確保するため、本ブログの内容のコピー・事実関係の引用・電子媒体へのリンク等は、すべて禁止します。不正行為を確認した場合には米国感覚で法的手続きを行います。事務所への連絡・メッセージは、各項の欄外のメールマークをクリックすれば、わかるように、アメーバ会員に手続きすれば、誰でも、自由にできます。ただし、送信者の身元は、サイバーエージェントによって管理されています。

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2008-09-16 19:10:28 stanford2008の投稿

"水戸"では"ニューヨーク"の9月開設を記念して近くの水戸プラザホテルのレストランで記念式典

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3ヶ月の準備期間を経て、9月1日、念願の三つ目の事務所の"ニューヨーク"がスタートし、中心をなす"水戸"では、"ニューヨーク"の発足を記念し、"水戸"から300mのところにある水戸プラザホテル(このホテルは、水戸市の北郊外の那珂川の畔にありましたが、洪水が発生し、水戸市南郊外の千波山の高台に、数年前に移転し、偶然にも、"水戸"のある団地の50号バイパスをはさんで、すぐとなりにあり、よく利用しています)のレストランで、記念式典を開催し、と言っても、桜井淳所長を含むスタッフ5名のささやかな会食ですが、それでも、"カリフォルニア"に続き、7年半を経て、"ニューヨーク"が発足したことは、慶賀すべきことであり、桜井所長とスタッフは、終始、上機嫌で、アルコールも進み、希に見る盛り上がりでした。
2008-09-16 09:17:28 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-Alvin M. Weinbergの「科学と超科学」の今日的意義-

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桜井淳所長に拠れば、Alvin M. Weinbergは、Oak Ridge National Laboratoryの研究員の時(戦後すぐ)、今日のPWRの概念を提案したことで知られており、最終的には、Oak Ridge National Laboratoryの所長を務め、哲学論文や著書を発表しましたが、中でも話題になった哲学論文が、Alvin M. Weinberg "Science and Trans-Science", Minerva, Vol.10, pp.209-222(1972)で、その一節のMany of the issues which arise in the course of the interraction between science or technology and science hang on the answers to questions which can be asked of science and yet which cannot be answered by science.(p.209)(科学に問うことはできても、科学には答えられない問題がある)は、あまりにも有名になり、Alvin M. Weinbergは、そのようなグレーゾーンに満たされた分野のことをtrans-scientific(超科学)(p.209)と定義し(領域横断科学と訳している例もありますが、意味からすると、超科学の方がぴったりします)、いくつかの具体例を挙げておりますが、それらの中で、今日、なお、超科学のままなのか否か、ここで吟味しますが、まず、論文の構成と事例をピックアップしてみると、(1)Examples of Tran-Scientific Questions(Biological Effects of Low-Level Radiation Insults, The Probability of Extremely Improbable Events Engineering as Trans-Science, Trans-Scientific Questions in the Social Sciences,Axiology of Science as Trans-Science), (2)Trans-Science and Public Policy, (3)The Republic of Trans-Science and the Political Republic, (4)The Impact of Trans-Science on the Republic of Scienceとなり、The Probability of Extremely Improbable Events(p.210-211)において、発生確率の極めて低い事例として、破滅的原子炉事故と大地震が挙げられており、いずれも計算でき、前者の場合には、「もっともらしい"事象の樹"と"失敗の樹"を設定でき、個々の機器の故障の統計的数字から、破滅的事故のシーケンスを決め、発生確率を機械的に算出することはできるものの、その数字(炉・年当たり10のマイナス7乗)は疑わしく、途中の計算で使用したデータの信頼性の証明がなされていない」(関係箇所の要訳)としているが、この論文が書かれたのは、1971-1972年であり、当時、米国では、NASAで開発された"事象の樹"と"失敗の樹"を採用し、商用軽水炉(PWR, BWR)の破滅的原子炉事故の分析がなされており、Alvin M. Weinberg は、その手法と暫定的な数値を把握した上で、この論文を書いており、確かに、当時としては、Alvin M. Weinberg の指摘どおりでしたが、AEC "Reactor Safety Study", WASH-1400(1975), その後のNRC "PSA Procedures Guide", NUREG/CR-2300(1983)とNRC "Severe Accident Risks : An Assessment for five U.S. Nuclear power Plants", NUREG-1150(1990)を見る限り、手法とデータは、洗練され、信頼に値するレベルに達していることが分かり(trans-scienceとは位置付けられません)、よって、問題は、ふたつの事例の前者の大地震に対して、最近、世界(特に日本)で発生した大地震(中地震の大も含む)を吟味してみると、事前に発生メカニズムも分からず、当然、発生時期の予知もできないことからして、今日でも、依然、trans-scienceと位置付けることができ、つぎに、Engineering as Trans-Science(p.211-213)の内容についてですが、ここでは、「エンジニアが設計する時、特に、先端技術分野ではそうですが、時として、設計に必要なデータが揃っていないにもかかわらず、データの蓄積を待つことなく、定められたスケジュールと予算の中で、保守的条件(安全側に評価する条件)での設計条件を課し、仕事を進めなければならないという問題がある」という主旨の議論をしていますが、エンジニアのそのような判断は、確かに不確実性はあるものの、大きな安全係数を採用する等のengineering Judgementにより、処理できる問題であり、採りあげるテーマにも拠りますが、trans-scienceと言うほど大きな問題でないように思え、多かれ少なかれ、時代ごとに、ひとつのtrans-scienceが消え、新たなtrans-scienceが発生し、その循環によって、科学と技術が進歩していると解釈でき、現代社会におけるtrans-scienceが何であるかを分析し、社会が認識しておくことは、欠かせないことです。



2008-09-15 17:02:44 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-産業技術からしてStainless Steelの歴史的役割の大きさ-

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桜井淳所長に拠れば、Stainless Steelの大体の組成は、1900年よりちょっと前に分かっていたとされており、すなわち、鉄を主体として、クロムやニッケルを混ぜると、クロムが12w%くらいになると、従来にない特有の性質が顕著になり、それでも、高級材料であったために、なかなか普及せず、第二次世界大戦当時においても、戦闘機の部品として利用されるくらいで、産業分野で大量に利用され始めたのは、米shippingport原子力発電所(PWR10万kW、1953.7発注、1957.12.18商業運転開始)からであったが、使用経験が無かっただけに、運転開始後、亀裂が生じ、次々に建設された他の米原子力発電所(Dresden-1等)においても、同様の現象が生じ、Stress Corrosion Cracking(SCC)として、大きな研究テーマに発展しましたが、Stainという語は、化学分野で良く使われ、汚れという意味があり、それに打消しのlessを付けてstainlessとし、汚れない、もっと意訳して、錆びないという意味になり、逆に、stainedとして、そのあとに名詞をつなげた用語でいちばん知られているものは、stainedglass、汚れたガラスを意訳し、色付きガラスないしステンドグラスと呼ばれますが、最近の電車は、錆びないために塗装の必要が無く、見た目がよく、機械的特性が近いため、鉄製からstainless製に変更しており、ただ、密度も機械的特性も近い物をstainlessで置き換えているだけでなく、すなわち、同じ厚さの外壁で、同じ厚さの構造材による骨組みでなく、高速化のための軽量化と省エネルギーによる高効率化、レールへの負担を軽減するため、構体重量(台車部分を除いた車体そのものの重量)を半分(たとえば、鉄製103系に比較し、E231系は、約半分、安田浩一『JRのレールが危ない』(金曜日、2006)のp.22)にしており、半分にして、設計の工夫だけで同じ機械的強度が得られる産業構造物ができれば、それに越したことはありませんが、実際には、できず、それによるメリットもありますが、デメリットもあり、そのデメリット(コンピュータを利用した構造設計の最適化によるぜい肉削り落としだけではなく、強度低下による衝突時や脱線時の被害増加)の構造設計の意味を的確に理解している人は、意外に少ないそうです。

2008-09-15 11:07:08 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-MITを初め国家予算獲得で質を高め続ける米超一流私大群-

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桜井淳所長に拠れば、米国の超一流大学のほとんどは、私大であって、州立は、数えるくらいしかなく、超一流私大が基盤を作り、なおかつ、高い質を維持しているのは、日本と違い、私立でありながら、多額の国家予算を獲得しているためで、Massachusetts Institute of Technologyは、その典型的な例であり、Stanford Universityも戦後、工学部を中心に、Stanford Linear Accelerator Center(SLAC)を設置することにより、三つのノーベル賞の獲得に成功しており、いっぽう、私立ではなく、州立ですが、University of California-Berkeleyも、国家予算を獲得し続け、これまで、60名もノーベル賞を受賞、特に、マンハッタン計画時においては、主要な拠点となり、サイクロトロンを利用して、プルトニウム(プルトニウム239の発見は、マンハッタン計画とは関係なく、それ以前の1940年に、G.T.Seaborg, E.M.McMillan, J.W.Kennedy, A.C.Wahlにより発見されていました)を初め、原爆製造に直接結び付く元素の原子核の中性子断面積の測定等を行い、大きな貢献をしましたが、その歴史的起源をたどれば、1930年にE.OLawrenceとM.S.Livingstonによるサイクロトロンの発明(E.OLawrenceは1939年にサイクロトロンの発明とその研究及びそれによる人口放射性元素の研究でノーベル賞受賞)に始まり、国家予算を獲得し、次々と大きなサイクロトロンやシンクロトロンを建設し(1932年に直径11 inchと27 inch、1937年に37 inch、1939年に60 inch(マンハッタン計画時に利用)、1946年には184 inchのサイクロトロン、1954年に6.2GeV陽子シンクロトロン(ベバトロン、詳細な図や特性はE.Segre『素粒子と原子核(上)』(吉岡書店、1972)のp.166-167参照)、1950年代まで、世界をリードしましたが、1959年以降、CERNやBNLの30GeV前後の陽子シンクロトロンに王座を奪われ、その後、University of California-BerkeleyのLawrence Radiation Laboratory(現在名、Lawrence Berkeley National Laboratory(LBNL), 4000名)は、少なくとも、敷地と予算の限界により、高エネルギー素粒子実験(素粒子論研究は継続)の先端分野から脱落してしまいましたが、いまでも、重イオン加速器による核物理の先端研究は、継続されています。


2008-09-15 10:19:12 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-大地震まで考慮した原発の確率論的安全評価(PSA)-

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桜井淳所長は、1時間半の講演時間の7割を使い、『原発システム安全論』(日刊工業新聞社、1994)の記載内容を基に講演し、それ以外の時間は、大地震のリスク評価の方法や最近の出来事と関係する自由な問題提起を行いましたが、自由な問題提起の中では、村上陽一郎『安全と安心の科学』(集英社新書、2005)を採り挙げ、記載内容のいくつかについて、批判的検討を加え、そのひとつは、「PSAというのは、確かにアメリカの原子力関連の業界で誕生した手法で、(上のような)通常の手法とは少し異なっています」(P.126)、「ミスの木」(p.152)で、前者は、NASAでロケット打ち上げの信頼性解析手法として開発されたEvent TreeとFault Treeが基になっており、同手法が最初に大規模に導入されたのが、商用軽水炉の炉心溶融確率を評価した「ラスムッセン報告」(WASH-1400(1975))であって、決して、NASAではなく、また、Fault Treeの訳についても、「ミスの木」と訳した例は、ひとつも無いと指摘し、村上の知識と判断が曖昧であることを示していました(その他、問題の箇所は、「原子力発電の世界では、日本の現場のサイトで死者は1人も出していません」(p.33)、「2004年に起こった美浜事故も同様です」(p.34)、「つまり、原子力発電の現場は、他のさまざまな現場に比べても、客観的な安全性においては優れていることはあっても、決して「より危険な」ものではありません」(p.34)、「2004年の新潟中越地震では、営業中初めての脱線も経験しましたが、その安全対策の有効性がかえって話題にもなりました」(p.42)とありますが、それらは、真実ではなく、非常に単純な考察であり、工学の本質的な意味がまったく理解できておらず、その本全体が広報的内容に陥っており、本来、より高い次元から、批判的検討を常としてきた科学史家の仕事としては、基準に満たず、学問的堕落だそうです)。


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