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フリースクール:移送中事故でスタッフを提訴…少年の遺族

 傷害容疑で経営者らが逮捕されたフリースクール「丹波ナチュラルスクール」(京都府京丹波町)問題で、スクールの車に乗車中の交通事故で死亡した入所少年(当時15歳)の遺族が、運転していたスクールスタッフの男性に約4700万円の損害賠償を求め、京都地裁に提訴していることが分かった。男性は、抵抗する少年を強引に連れ出したことを認める陳述書を地裁に提出している。

 訴状などによると、事故は05年5月15日午前5時45分ごろ、東京都江東区の首都高速湾岸線で発生。男性スタッフ3人が千葉県内の少年をスクールへ移送中、車が側壁に衝突して運転手を除く3人が死亡した。

 少年は中学時代、家庭内暴力が理由でスクールに入所。2回逃げ出した経験があった。関西の全寮制私立高校に進学したが、1カ月で中退していた。

 陳述書によると、スタッフが同日午前5時ごろ、自宅の寝室に入ると、少年は「お寺に行くんですか。僕は行きません」と強く拒否。両脇を抱えて引っ張ると、かもいをつかんで必死で拒んだ。外へ出てからも激しく抵抗する少年を3人で強引に後部座席へ押し込んだ。両親はスクール側と打ち合わせ、鍵を開けたまま留守にしていたという。

 事故原因として男性は、車内で「行きません」と訴えていた少年が突然ハンドルをつかみ、左へ切ったのが原因と主張。一方、昨年3月に提訴した両親は無謀な運転が原因としている。今月24日に判決がある。【熊谷豪】

毎日新聞 2008年9月12日 2時30分(最終更新 9月12日 2時30分)

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