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経済

高速船11月から運休 東日本フェリー、3航路撤退発表(09/09 10:54)

国内フェリー事業からの撤退を発表する東日本フェリーの古閑信二社長=8日午後、函館市内

国内フェリー事業からの撤退を発表する東日本フェリーの古閑信二社長=8日午後、函館市内

 【函館】東日本フェリー(函館、古閑信二社長)は八日、函館−青森、函館−大間、室蘭−青森のフェリー三航路の運航事業から十一月末で撤退すると発表した。函館−青森に昨年九月と今年五月に相次いで就航した高速船「ナッチャンRera(レラ)」と「ナッチャンWorld(ワールド)」の二隻も十一月一日から運休する。

 函館市内で記者会見した古閑社長が表明した。古閑社長は撤退の理由として、燃油価格の高騰と乗船客数の低迷を挙げ、「三航路で今年一年間に約四十九億円の赤字を計上する見込みで、会社存続のためには(撤退を)決断せざるを得なかった」と述べた。

 主力の函館−青森は、高速船以外の在来フェリー事業のみ、親会社のリベラホールディングス(広島県呉市)傘下の道南自動車フェリー(函館)が継承し、運航を続ける。

 一方、慢性的な赤字に陥っている函館−大間、室蘭−青森の二航路の存続は未定。古閑社長は「函館−大間については青森県と青森県大間町に一億円ずつ、室蘭−青森については室蘭市に航路存続のための支援を要請している」とし、地元自治体との協議を踏まえて、九月末にも道南自動車フェリーによる継承の可否を判断する。

 また、高速船二隻の売却などについて、古閑社長は「何も決まっていない」と述べるにとどめた。東日本フェリーは今後、商船三井フェリーが運航する大洗航路などへの船舶貸渡業や、金沢−釜山の国際旅客定期航路事業に特化した経営に転換し、国内フェリー運航事業から撤退する。

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