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自民総裁選 名古屋遊説 衆院選の様相

他党も集結 支持訴え


自民党総裁選候補者の街頭演説に大勢の人たちが集まった(14日、名古屋市中村区で)=谷之口昭撮影

 自民党総裁のイスをめぐり、舌戦を繰り広げている5人が14日、JR名古屋駅前で街頭演説を行った。麻生太郎幹事長、小池百合子・元防衛相、与謝野馨経済財政相、石原伸晃・元政調会長、石破茂・前防衛相が、駅前を埋め尽くした聴衆に、それぞれの持論を熱っぽく語った。5人の登壇前には、同党の愛知県内の小選挙区立候補予定者が支持を呼びかけ、公明党や共産党もこの日、名古屋駅周辺で相次いで街頭演説会を開き、衆院選に向けて気勢を上げた。

 自民党総裁選の街頭演説会には約1万人(主催者発表)が集まった。2005年8月、当時の小泉首相遊説時と同規模の人出で、駅前ロータリーや2階デッキ、階段まで聴衆で埋まった。5人の候補者で、衆院選について明確に触れたのは石破氏だけだったが、同党愛知県連会長の大村秀章衆院議員は「多くの人の熱気やパワーを感じた。この勢いで総選挙に突入したい」と語気を強めた。

 街頭演説には、総裁選後の解散、衆院選をにらみ、10人の立候補予定者が顔を見せた。新人で元マラソン選手の宮原美佐子氏(46)はジャージー姿で、「暮らしを守るために、私は走り続けます」とアピールした。

 総裁選の街頭演説が終わった直後、セントラルタワーズを挟んだ同駅西口で、共産党の志位委員長がマイクを握った。約3000人(主催者発表)に向かい、「だれが総裁になっても、希望のある明日は開けない」と切って捨て、共産党の立候補予定者6人とともに気勢を上げた。演説後、志位委員長は「もう選挙戦をやっているような手応えを感じている」と話した。

 公明党は、自民党総裁選の街頭演説が終わった後、同じ場所で、党青年局の230人がビラ配りや街頭演説をして、衆院選での支持を訴えた。

 政権交代を目指す民主党は「3連休は各地域で敬老会が目白押し。現場の声を頂く絶好の機会」(伴野豊同党愛知県連代表)として、大規模な集会は予定していない。自民党総裁選について、伴野代表は「連休だし、物珍しさで見に行った人が多いだけ」としながらも、「前回の郵政解散のような変な風が吹かないか警戒しなくては」と付け加えた。


豪雨「岡崎で良かった」 名駅前で麻生氏

 自民党総裁選に立候補している麻生幹事長は14日、JR名古屋駅前での街頭演説会で、8月末に愛知県を襲った豪雨について触れ、「岡崎の豪雨は1時間に140ミリだった。安城や岡崎だったからいいが、名古屋で起きていたら、この辺全部、洪水よ」と述べた。

 「公共工事は都市部でもきちんと行うべきで、安全、安心のためにも必要だ」という趣旨の演説の中での発言だったが、今後、不謹慎だとの批判も出そうだ。

聴衆から要望相次ぐ

 総裁選立候補者5人が熱弁をふるった街頭演説会。親子4人で耳を傾けた愛知県尾張旭市緑町、主婦佐藤真実さん(35)は「今の自民党はやることが中途半端。消費税率を上げても構わないが、使い道をきちんとしてほしい」と注文を付けた。

 名古屋市東区の会社員西田学さん(36)は4人の子どもを抱える。「税金の負担を減らしてほしい。給料は上がらず、生活は苦しい。児童手当の拡充もしてほしい」と切実だ。浜松市から街頭演説を聞きに来た会社員伊藤忠司さん(39)は「後期高齢者医療制度の負担が軽くなるように改善し、若い世代が将来に向けて安心できるような政治をしてほしい」と語った。

 一方、愛知県碧南市源氏町、会社員斉藤衛さん(60)は「自民党は変わると言ってもなかなか変わらない。このままなら、一度民主党に任せてもいいかなと思う」と話していた。


2008年9月15日  読売新聞)
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