【北京=峯村健司】中国の国営新華社通信によると、化学物質メラミンに汚染された三鹿集団(河北省石家荘市)製の粉ミルクを飲んで乳児が腎臓結石になった問題で、中国衛生省は13日、国内で報告のあった患者数が432人に上ることを明らかにし、同社に操業停止を命じたと発表した。被害者は少なくとも3万人を超えるとみられる。
地元捜査当局は関係者78人の取り調べを始めており、容疑者19人を拘束したと発表した。関係者は調べに対し「利益を上げるため原料の牛乳に水を加え、薄くなったたんぱく質を補おうとメラミンを添加した」と供述したという。
調べによると、三鹿集団は8月初旬の段階で、自社の検査によりメラミンを検出していたにもかかわらず公表せず、一部の製品だけを回収していた。衛生省などの調査グループは、病気になった乳児の尿からメラミンの成分を検出。「結石は汚染粉ミルクが原因」と結論づけた。
北米で昨春、ペットフードを食べた犬や猫が大量死した問題でも、原料の中国産小麦グルテンにメラミンが混入したとみられている。