「その場しのぎ」首相
テーマ:いろんなニュースやはり「その場しのぎ」首相だった 福田氏辞任――フィナンシャル・タイムズ
2008年9月3日(水)11:43
(フィナンシャル・タイムズ 2008年9月1日初出 翻訳gooニュース)FT東京支局長デビッド・ピリング
昨年9月に安倍晋三氏が辞任したとき、自民党は必死の思いで福田康夫氏に後継を託した。しかしその時点ですでに、71歳の新首相はその場しのぎの選択にすぎないと批判が出ていた。それから1年弱、批判は正しかったと証明された。
福田氏はたとえカリスマ性はなくても、有能な政治家だった。けれども受け継いだのは、手持ちのカードがほとんどないという政治状況で、その中で福田氏はなすすべがなかった。与党をサボタージュしようとやっきになっている野党に参議院が支配されていたというのが、その最たるものだ。おかげで、通常ならすんなり国会を通過するはずの法案を成立させるため、福田氏は政治力の限りを尽くさなくてはならなかったのだ。
国民はこの政治状況にたちまち飽きて、福田氏の責任だと非難。60%台あった支持率はあっという間に30%台かそれ以下に沈んだ。
福田首相ははたから見ると、国内にいるよりも国際舞台にいた方が落ち着くといった様子で、外交面ではそれなりに成果を挙げている。特に日中関係については、長年の対立の後すでに回復しつつあった両国関係をさらに改善させた。
G8サミットの議長を務め終えるまでは辞めないと決心していた首相は、地球温暖化に関する議論の進展に一定の成果を挙げた。国内でも、ほとんど身動きのとれない国会ではあったが、道路特定財源の一般財源化について進展させた。しかし結局のところ福田氏には、国民を盛り上げたり、野党の妨害工作を打破するほどの、政治的意志を欠いていた。
実に不器用なやり方で野党との大連立を模索したものの、結局は失敗。前政権から引き継いだ年金記録問題のほか、防衛省の汚職事件でも痛手を負った。
テンプル大学のジェフ・キングストン教授(アジア研究)は「福田氏は、何をするにも不可能な立場に立たされた、真当な人だった」と言う。
もっと手厳しい福田評も多くある。「国家運営の責任を官僚にゆだねて良しとする無個性な政治家」という伝統に、福田氏のせいで戻ってしまったという批判は多い。また福田氏がたえず曖昧で漠然とした発言を繰り返して、肝心の話を逸らすのに、辟易としていた人も多い。
福田氏は一度たりとも、首相の仕事に熱意があるという素振りを見せなかった。そして9日1日夜の辞任会見は、安倍氏の辞任会見と比べても覇気がなかった。安倍氏は日本外交にプライドを取り戻そうとする情熱的なプロジェクトに取り組んだものの、実現することなく辞任した。その時の安倍氏に比べると、福田氏はホッとしているようにさえ見えた。
● 有力後継者
麻生太郎氏(67)は昨年の時点でも、後継者として真先に名前が挙がったが、福田康夫氏の方が安全牌だと判断を誤った自民党によって脇に追いやられてしまった。
自民党幹事長で元外務大臣。巧みな弁舌の持ち主で、有名なマンガ好き。両方の特徴を政治家として活用してきた麻生氏は、カリスマ不足が深刻な問題だった福田氏とはきわめて対照的だ。
安倍氏と同様に、日本の誇りを取り戻し、国際舞台で日本の存在感を増すべきという立場。安倍氏と同様に政治の名門出身で、戦後日本で最も名高い吉田茂首相の孫にあたる。
麻生氏は愛国者(国家主義者と呼ぶ人もいる)だが、このところは愛国的発言をトーンダウンさせている。それでも、中国との関係改善を麻生氏がこのまま維持できるか懸念する声もある。
● 有力挑戦者
小池百合子氏(56)は日本で最も注目される女性政治家。小泉純一郎元首相のカリスマ性に最も近い存在感の自民党議員だとされる。
水面下で小池氏を支援しているとされる小泉氏と同様、小池氏は英国のサッチャー元首相にならい、小さい政府と市場主導の改革を重視している。複数の政党を経験してきた小池氏は、自民党内閣で環境相と防衛相を歴任している。
環境相として小池氏は「クールビズ」を導入。冷房を下げられるよう、夏場には軽装で出勤するよう官僚や政治家に働きかけた。防衛相の在任期間は2カ月未満だったが、その後に、小池氏と確執のあった防衛官僚の贈収賄事件が発覚した。
元テレビ司会者の小池氏はアラビア語を話し、外交政策に強いとされている。自民党内に支持基盤を欠いているのも、小泉氏と共通している。
(翻訳・加藤祐子)
外国からどう見えているかがわかります。
日中関係については、関係を良くしたというより
福田さんが首相になった時点であちらは喜んでいましたし
嫌がることを何もしなかったのが自然とそうなっただけと
思います。
中国(シナ)の嫌がること、「毒餃子問題」「チベットデモ」は
とても頑張って抑えられていた、というのが
福田さんのお仕事として印象に残っています。
「不器用」「無個性」「曖昧」「漠然」「覇気が無い」
この辺りは日本国民と同じ印象ですね。
麻生さんになった場合の、中国との関係を心配とあります。
外国でも日中関係(というか中国?)が
とても気になっているのかなと思いました。
首相辞意で自民支持増 『次は麻生氏』35%
2008年9月4日 朝刊
福田康夫首相の退陣表明を受け、共同通信社は全国緊急電話世論調査を二日夕から三日にかけて実施した。次の首相に「誰がふさわしいか」と聞いたところ、麻生太郎幹事長が35・3%でトップ。次期衆院選比例代表での投票先は、自民党が38・4%と、民主党の34・9%をわずかに上回った。
支持する政権の枠組みは「自民党中心」が43・3%で、八月の前回調査より8・5ポイント増加し「民主党中心」は41・7%で6・5ポイント減少。ことし三月の調査以来、約半年ぶりに逆転した。政党支持率も自民党は8・1ポイント増え36・8%、民主党が3・2ポイント減り27・0%になった。
内閣支持率が低迷した福田首相が退き、自民党総裁選で新たなリーダーが選出されることへの期待感が、自民党の支持率回復の背景にあるとみられる。
次期首相にふさわしい人は、自民党議員十人の名を挙げて質問。二位以下は小泉純一郎元首相15・0%、小池百合子元防衛相9・2%、舛添要一厚生労働相8・5%、石原伸晃元政調会長7・1%の順だった。
福田首相の退陣に対しては67・8%が「無責任だ」と批判。福田内閣の支持率は8・0ポイント減の23・5%だった。
自民、民主両党以外の政党支持率は公明党2・5%、共産党1・7%、社民党1・9%、国民新党0・4%、新党日本0・8%だった。
福田さんが辞められて自民党の支持率が
上がりました。
自分自身を客観的に見られた福田さん、
このことも感じていたのでしょうか・・・。
もともと「背水の陣」「貧乏くじ」なんて言われてました。
約一年間、耐えてこられてお疲れ様でした。
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■心配です
福田さんが辞任したことは日本にとって喜ばしいことなのですが、さて、問題は次の首相が誰か?ということですよね。
是非麻生さんになって頂きたいと願っていますが、政界を引退した筈の野中さんが麻生さんを首相にさせないように暗躍しているとか?
野中さんて不気味な人なので、何をたくらんでいるやら・・・と、心配しています( ̄_ ̄ i)