ロシア国防省は10日、同国空軍の戦略爆撃機「ツポレフ160」2機がベネズエラの空軍基地に到着したと述べた。インタファクス通信が伝えた。ベネズエラには数日間とどまり、訓練飛行を実施する見通し。
ロシアは、グルジア情勢で米国が人道支援物資輸送に絡み黒海に軍艦を派遣したことに反発しており、今回の戦略爆撃機の派遣は米国の対応を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
ベネズエラのチャベス大統領は反米路線の独自の社会主義を進めており、武器購入ではロシアに大きく頼っている。ロシアは8日、カリブ海でベネズエラと合同の海軍演習を実施するとも発表した。チャベス大統領は9月初旬、ロシア空軍の長距離爆撃機がベネズエラに着陸する必要があるなら反対するし、歓迎もすると述べていた。
米国防総省当局者は、ツポレフ160の訓練を注視すると述べた。インタファクス通信によると、同戦略爆撃機は北極海と大西洋の公海上を13時間かけて飛行。北大西洋条約機構(NATO)の複数の戦闘機に追尾されたという。