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最終更新:2008年9月9日(火) 4時27分

海自「いじめ」自殺、国が上告を断念

海自「いじめ」自殺、国が上告を断念

 海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」の隊員が自殺し、両親が「いじめ」だとして国を訴えていた裁判です。先月25日に福岡高裁は国の責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を下しましたが、国側は8日、上告を正式に断念しました。

 「上告および上告受理申し立ては、行わないことに致しました」(防衛省 増田好平事務次官)

 防衛省の事務次官が発表した上告断念。7年にわたって争われた裁判は、国の敗訴が確定しました。

 9年前、海上自衛隊の護衛艦「さわぎり」で、21歳の自衛隊員が自殺しました。彼は上司から「バカ。やめろ」と1日中暴言を浴びせられ、トランプで最も弱いカードであるクラブの2を指す、“ゲジ2”と呼ばれ続けていました。

 両親は息子が「いじめ」にあっていたとして、国を提訴。1審でその提訴は退けられました。

 しかし2審の福岡高裁は、「上官の言動は指導の域を超え、違法なものだった」として自殺との因果関係を認め、国に350万円の賠償金を命じる判決を下しました。

 息子の墓前で手を合わせるのは、自殺した自衛隊員の両親。国の上告断念を報告できた8日は、奇しくも息子の月命日でした。

 「子供の月命日に、悪い知らせがあるはずがないと信じていました。傷ついた遺族に対して9年間、組織をあげて『これでもか、これでもか』とののしり続けられて・・・」(自殺した自衛隊員の母)

 「息子は『いじめ』で殺された」と訴える両親に対し、防衛省は裁判で全面的に争ってきました。

 「私たちは当初から『子供の命に代わる誠実な答えを』と、そればかり(防衛省に)お願いしてきましたけど、その答えは裁判官さんが出してくださいました。自衛隊からこの答えをいただけなかったのが、残念でなりません」(自殺した自衛隊員の母)

Q.増田次官の言う「いじめ」という言葉の定義とは、どういうものなのでしょうか?
 「それは私がここで定義をしても、しょうがないかなと思います」(防衛省 増田好平事務次官)
Q.それぞれの人によって定義があると?
 「人によって思いがあるんだろうと思います」
Q.増田次官個人としての「いじめ」の思いは、どういうものなんでしょうか?
 「私自身のですか?」
Q.個人的見解で結構です。
 「ただ、こういう裁判のことに関してですね・・・」
Q.いや、裁判と離れて。
 「いずれにしても、会見の場で私の立場で会見をしている以上、裁判との関係がどうしても出てきますので」

 防衛省によりますと、自衛隊員の自殺は2000年度に年80人を超え、2004年度からは3年連続で年100人以上。昨年度も89人が自殺しました。

 息子を亡くした母親はこう訴えます。

 「分かりやすい判決でしたから、あとは自分たちの隊員のことですから。よくよく判決を理解していただきたいと願っています」(自殺した自衛隊員の母)
(08日23:17)



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