個別訪問など営業活動はしていない。新聞の折り込み広告は金がかかり、利益は薄いと言われるけれども一つの有効な手段である。最初は年間で5回もやっていた。最近は春と秋の2回に絞り、中身を充実させている。電話等で注文があれば1キロでも市内は無料で、身近さという利点を生かして、午前、午後、夕方に配達する。
販売の中心は無洗米仕上げである。青年農業士の時に無洗米の工場を視察した。今のように知られる前であったけれど「これだ」と思って、いち早く取り入れた。2〜3回とぐだけでピカピカになることから“ピカ米”という自分のブランドを作ったのである。目新しさもありちがう米として知られていった。現在のラインナップは「ピカ超徳用米」から「ピカこまちライス」まで7本である。
他に消費者から「作って欲しい」という要望を入れて、「五分つき」「七分つき」「胚芽付米」を健康米として販売。現在のお客は消費者家庭では約一千軒。季節によって、スーパーのバーゲンなどの影響が出たりして若干の出入りはある。業務用は食堂、寿司屋、介護施設など約50社である。それに関東と北海道が少しある。
販売方法も工夫している。年間予約だと一般の注文より10キロ当たりで100円から300円は安くなり、それに年間予約の特典もある。例えば7月にはうちわをサービスした。米の配達時には「おたのしみプレゼント」を用意している。ナス、キュウリ、トマト、ニンジン、ジャガイモなど自家製野菜であったり、リンゴや卵だったりと付ける。決めてないのが逆に消費者のたのしみを誘うことにもなる。色々と工夫をこらしながら販売額も年間約7千万円までになった。
量が増え自分で栽培しただけでは足らなくなり、津軽地方の大規模な農家と契約して供給を受けている。栽培方法にはこだわっていない。「特別に味がいいわけではないけれど津軽の米はおいしい。“そこそこの味”の“米をそこそこの値段”で売る」が工藤さんの考えである。地元の米を売っていかなければ、地域の農業もだめになってしまう。 |