近未来×予測テレビ ジキル&ハイド 毎週日曜午後7時58分放送

今までの放送内容

バックナンバー

◎東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 大和雅之教授
◎V・T・SYSTEMS 代表取締役社長 佐藤隆國さん
◎学習院大学物理学部 荒川一郎教授

指が生える“魔法の粉”がある!!

IPS細胞の発明などにより、注目が高まっている再生医療。その再生医療の常識を覆すようなスクープを入手!

<指が…生えた!>

アメリカ・オハイオ州シンシナティ在住のリー・スピーバック氏は、ラジコン飛行機のプロペラに指を巻き込まれ、人差し指の第一関節から先を失った。
しかし、現在では…なんと、元通りに指が再生している!しかも、4週間、ただ粉をかけただけで再生したという。

<人体を再生する「魔法の粉」>

粉を発明したのは、ペンシルバニア州ピッツバーグ大学マクゴアン再生医療研究所のスティーブ・バディラック博士。
その魔法の粉の正体、それは「細胞外マトリックス」。

<「細胞外マトリックス」とは?>

細胞外マトリックスとは、細胞を包み込む繊維のようなもの。
細胞をコントロールし、その増殖を促す働きを持っている。
では、この細胞外マトリックスの粉は、どのように指を再生させたのか?
そもそも、人がケガをすると、出血などを防ぐためにその傷口に血小板などが集結し、急場しのぎで傷を治そうとする。その結果、本来あるべき細胞や組織が作られないまま、傷の表面が覆われてしまう。これによって、傷跡が残ったり、失われた部分はそのままになってしまうという。
しかし、細胞外マトリックスをつけると、骨や皮膚などを作るのに必要な細胞が、体内から呼び寄せられ、増殖。これにより指が再生されたのだ。

<細胞外マトリックスはすでに使われている!!>

パディラック博士の開発した細胞外マトリックスは、研究段階を終え、動物用としては既にアメリカ国内では認可を受け、動物病院で使用されている。

<研究が進む「再生医療」の未来は…>

東京女子医大 先端医科学研究所 大和雅之教授は次のように語っている。

<粉の威力>
たった4週間で指が治ったことでも分かるように、この粉は短い期間で細胞を再生させることを可能にしている。これにより、大怪我などによる手術が必要なくなるかもしれない。
<大和教授の研究>
大和教授は、骨、皮膚、食道など、それぞれの部分を形成する細胞のみを抽出して培養し、シート状にしたものを患部に貼ることによって再生させる研究を行っている。
将来、このシートを利用した絆創膏が作られれば、貼るだけで傷口を再生させることができる時代がくるかもしれない。
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世界最速!100mを6秒で移動するエレベーター

国内だけでも、年間3万5千台という勢いで増え続けているエレベーターは、安全・快適な乗り心地を追求し、常に進化している。その最新技術を徹底解明!

<進化する現代のエレベーター技術>

『万が一ロープが切れても直ぐに自動停止装置が働き落下を防止』
『地震を予知し、閉じこめ事故を回避するエレベーター』
『イライラの原因となる待ち時間をほとんどなくしたエレベーター』

などが開発されている。
安全性・快適性において、エレベーターは日々進化している。
そんな中、世界最高速のエレベーターが誕生した。

<100mを6秒で移動する世界最速のエレベーター>

台湾の台北市。現在世界一の高層ビル「TAIPEI101」(高さ508m)にそのエレベーターはあった。そのスピードは、5階の乗り場から89階の展望フロアまでわずか37秒!
最高速度は、普通のエレベーターの約20倍、なんと時速60キロ!!
さらに、超高速でありながら、全く揺れないという。
台湾の50元硬貨を立てて実際に実験を行ってみると、コインが倒れないどころか、1ミリもずれなかった。これを可能にしたのは、日本の最先端技術だった。

●世界最速のエレベーターの秘密(1):速さ
(1)流線型 :今までのエレベーターの「かご(乗る部分)」は四角い箱型。
   しかし、このエレベーターは流線型。空気抵抗を大幅に減らしている。
   この形状をエレベーターに利用したのは、世界で初めて。
(2)巻き上げ:普通のマンションなどについているエレベーターの40倍の
   パワーを持つ巻き上げ機を使用。
●世界最速のエレベーターの秘密(2):全く揺れない
全く揺れない秘密は、「アクティブマスダンパー」と呼ばれる横揺れ防止装置。
エレベーター内に付いているおもりが、揺れとは反対の方向に動くことで、揺れを打ち消す。この技術も世界で初めてエレベーターに搭載された。

<ロープがないエレベーター>

エレベーターの常識を覆す近未来型エレベーターも登場。

『NUVA』
家庭用として販売されているこのエレベーターは、ロープでかごを上げ下げするのではなく、空気の圧力で動いている。その原理は、ストローで口から吸うことで水を吸い上げ、口を離すとストローの中の水が下がっていくのと同じ。降りるときには、電力も使わないすぐれものなのだ。
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スクープ!家庭の科学

未来を生み出す最先端科学。その原理は、実は私たちの身の回りにあふれている。
その科学原理を応用することで、日常生活が簡単で便利になる…そんな家庭の科学をご紹介!

<家庭の科学(1)「ぬるい缶ビールを120秒で冷やす科学」 >

<やり方>
ボールに氷を入れる。その中に缶ビールを入れ、120秒回すだけ。
あっという間にビールがキンキンに冷える。

<これを可能にした科学>「熱伝導」
熱伝導とは、温度の異なる2つの物体が接触した場合、お互いが同じ温度になろうとして、熱の高いほうから低いほうへと熱が移動すること。つまり、缶ビールの熱が氷へ移動したのだ。

<熱伝導を応用して、家庭で簡単に「温泉卵」を作る!>
(1)鍋で卵が浸かるくらいのお湯を沸かす。
(2)沸騰したら鍋をコンロからはずす。
(3)片栗粉を大さじ一杯、お玉一杯分の水で溶かし、鍋の中に入れてよく掻き混ぜる。
(4)冷蔵庫でよく冷やした卵を、鍋に入れて15分ほど待つ。
(5)鍋から出して、出来上がり。
※ポイント→水溶き片栗粉でとろみをつけることで、熱伝導率を悪くする。黄身と白身は固まる温度が違う為、黄身だけが半熟、白身が固まらない温泉卵が出来る。

<熱伝導を利用した最先端科学>
熱伝導率の非常に優れた物質→ダイヤモンド
ダイヤモンドの熱伝導率は、ガラスの2000倍!
ダイヤモンドを散りばめた炊飯器が登場するなど、優れた熱伝導率を利用し、様々なものへの応用が期待されている。

<家庭の科学(2)「しなびたレタスを簡単にシャキッとさせる科学」>

<やり方>
しなびてしまったレタスを手でちぎり、冷水に30分浸けておくだけ。

<これを可能にした科学>「浸透圧」
浸透圧とは、濃度の低い方から濃度の高い方へと水分が流れ、濃度を等しくしようとする働き。
レタスの細胞は通常、塩分などを含んだ水で満たされている。
時間がたつと、その水分だけが蒸発し、細胞内は塩分などの濃度が高くなる。
これを水に浸すと、浸透圧の原理で、細胞膜を通して水が入り込み、元通りシャキッと瑞々しくなる。

<浸透圧を利用した最先端科学>
最近よくスーパーなどで目にする「水の自動販売機」。
水道水から浸透圧を利用して不純物だけを取り除き、純度の高いおいしい水を作っている。他にも、浸透圧は「海水を淡水にする装置」などにも利用され、砂漠化のすすむ地球の未来を救うかもしれない。

<家庭の科学(3)「短時間でおいしい肉じゃがが作れる科学」>

おいしい肉じゃがを作るには、手間や時間がかかるもの…。
たった20分で味の染み込んだ肉じゃがを作る方法がある!

<やり方>
(1)ポリ袋に肉、ジャガイモ、玉ねぎなど食材と調味料を入れる。
(2)ボールに入れた水に浸けながら、ポリ袋の中の空気を抜いて封をする。
(3)沸騰した鍋のお湯の中に入れ、弱火にして20分入れておく。
(4)味のよく染み込んだ肉じゃが完成!!

<これを可能にした科学>「真空」
「真空」とは、「大気圧より低い圧力の気体で満たされている空間」をいう。
その大きな特徴は、真空状態では空気や水分が抜き取られるということ。
この調理法の場合、袋の中の空気を抜き、真空状態にすることで、ジャガイモなどの食材に含まれる空気や水分が抜き取られ、そのすきまに調味料が染み込んだ。

<真空実験!その力とは…?>


学習院大学理学部 荒川一郎教授と共に、真空状態での物の動きを実験!

■ほんの少しだけ空気の入った風船を準備、これを真空装置に入れ、空気を抜き気圧を下げるとどうなるのか?
(答え)
風船は膨らんでいく。
空気はもともと、どんどん外へ広がる性質を持っている。
地球上では、大気圧の影響で押さえ込まれている状態なのだが、真空にすることで、風船内の空気が膨張し、風船を膨らませた。
■ショートケーキを真空装置に入れ、気圧を上げたり下げたりするとどうなるか?
(答え)
空気を抜き気圧を下げると、空気を多く含んだ生クリームが、どんどん膨張し大きくなる。(風船と同じ原理)
しかし、空気を送り込み、本来の気圧に戻すと、途端にぺしゃんこになってしまう。
<真空を利用した最先端科学>
・「フリーズドライ」(真空凍結乾燥)
インスタントコーヒーなどがその例。食材本来の成分を閉じ込めるために冷凍し、これを真空の力で熱を加えることなく水分を飛ばす。そうすることで、食材の色・味・栄養価をそのままに、長期保存を可能にしている。
・「含侵食品」
食品を真空を使いフリーズドライにし、形や色はそのままの状態で、空気や水分を抜く。そこに、別の液体を入れることで、全く別の食品に…。
「見た目はとうもろこしだが、味はチョコレート」といったようなお菓子がある。
こうした真空を利用した新たな食品は、未来の食品となるかもしれない?
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