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L&G資金、医学部教授ら16人に計3477万円(1/2ページ)

2008年9月4日3時1分

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 慶応大学医学部の元准教授(53)=免疫学=が健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」=警視庁などが出資法違反容疑で家宅捜索=から多額の資金を受け取っていた問題で、この元准教授が理事だった法人から04〜05年、11の大学や研究機関の教授ら16人の個人名義の口座に1人あたり最高500万円、総額3400万円超が振り込まれていたことがわかった。法人には同時期の収入の約96%を占める計1億6650万円がL&Gから振り込まれており、同社の資金が法人を経由して医学界に広く流れていたことになる。

 教授らの多くは感染症研究や内科学が専門で、資金受領の「対価」などとしてそれぞれの分野の原稿を執筆。元准教授の説明では、原稿をまとめた書籍(2冊)の販売数の約3分の2はL&Gが買い占め、その売り上げは600万円だったという。題名は「自然免疫 Vol・1」「自然免疫 Vol・2」。いずれもL&Gの会報誌で元准教授の顔写真とともに紹介され、L&Gが製作したDVDにも取り上げられた。さらに、L&Gは当時、円天という疑似通貨で物品が購入できるとした「円天市場」で、書籍のタイトルと同じ「自然免疫」という名前を付けた複数の健康商品をPRしていた。

 資金提供が明らかになったのは、慶応大医学部、京都大ウイルス研究所、大阪大医学部、旭川医科大などの教授や助教授ら(大学名・肩書のいずれも提供当時)。所属学会の理事を務める著名な教授も含めて、多くが慶応大の元准教授が事務局を務める自然免疫に関する研究会のメンバーで、元准教授が大手化学メーカーに在籍していた時からの付き合いだという。いずれも研究会の「企画運営」や「原稿料」として元准教授が理事だった医療系ベンチャーを支援する法人から振り込みを受けていた。

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