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【沿道ルポ】組織された応援、熱気も国際色もなく…マラソン女子 (1/2ページ)

2008.8.17 20:07
このニュースのトピックスマラソン
天壇公園の南門を通過する土佐礼子(左)=北京市内の天壇公園 (山田俊介撮影)天壇公園の南門を通過する土佐礼子(左)=北京市内の天壇公園 (山田俊介撮影)

 中国選手が初の銅メダルを獲得したにもかかわらず、沿道の応援はこの日の気温同様、冷めていた。選手の名前も知らない「応援団」や「治安ボランティア」が大量動員され、すべての選手を平等に応援。その結果、友好的な中国が“演出”され、応援者同士のトラブルなども確認されていないが、マラソン特有の沿道の熱気は奪われてしまった。(北京 福島香織、野口東秀)

 

動員

 「ここからは記者も立ち入り禁止。この先の道路にいるのは、『組織』の人だけだ」

 出発地点の天安門広場南の前門で、警察官がこう説明した。再開発された中国風の街並みが選手の背景に映る。映像的には効果的な場所だからこそ、「組織」を配置したようだ。

 「組織」とは、(1)社区(自治組織)などから動員された年配者ら(2)制服などを着た学生ボランティアたちのこと。こうしたメンバーのほか、地方から来た五輪観光旅行者たちが沿道を埋めていた。

 特にスタート地点付近や、ゴールの国家体育場(鳥の巣)前の沿道では、およそ3分の2が動員・ボランティア応援の人々で占められていた。

 このうち、動員組の応援の特徴は、社区などから配られた北京五輪の旗と中国国旗をもち、すべての選手に平等に声援を送る“文明的応援”を心掛けること。「警備」という役割もあった。胸におそろいのシールを張り、シールのない者が近づくと声を掛けていた。

 西単の沿道にいた動員応援の男性(60)は、警備の厳しさについて「このくらいは普通。国際試合なんだから安全が第一」と話した。また、無職の女性(57)は「秩序だっていて、すばらしい応援!」と自画自賛していた。

 ただ、年配者が多いだけに、中国選手の名前も知らない人がほとんどで、銅メダルの周春秀選手の名前を正確に言えた人は、30人中わずか1人だった。

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天壇公園の南門を通過する土佐礼子(左)=北京市内の天壇公園 (山田俊介撮影)
21キロ付近、厳戒警備の中走る先頭集団=北京市内(森本幸一撮影)

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