うちに着いて、ケイと判決文の控訴の争点を話す。
前日にも話していた。
被告は別居中にケイに何もしなかったのは「ケイが年間150日出張しており、別居をしている実感がなかった」と、主張している。
それを、裁判官は鵜呑みにして「夫婦生活は別居生活のかなり存在していた生活であったことから、原告が家を出たからといって破綻しているとは言いがたい」としているのだ。
年間150日の出張などケイはしていない!
出張はあったが、2,3月に一度5日間ほど行くだけで、150日などとんでも話だ。
別居の4,5年前に部署が変わり、それもなくなっていたのだ。
その上、「阪神淡路大震災の時には神戸に行って、2,3年帰って来なかった」と、言っているのだ。
確かにケイは震災時に神戸には行きはしたが、それは3,4日なのだ。
別居中に何もしなかった被告の言い訳である。
常に別居のような状況を作らなければならなかったのだ。
それを、まず打ち崩すべく、ケイは出張記録がないか?会社で聞いてきた。
「出張記録はね、一年で廃棄されるんだって」
「えぇーそうなの?」
「うん。でも、150日なんてどこから出たのかな?」
「知らないよ」
「ということは、ケイはその間いないものとされてたってことになるよね?」
「ホントだ!金さんにそれも言えば?」
「そうするよ」
ケイは手帳に毎月のスケジュールを挟んでおり、その手帳は毎年部屋に置いていたのだ。
残念ながら、それは被告の住んでいる家にある。
出張記録がなければ、被告の住む家に手帳を取りに行かなくてはならない。
一人で行くのは危険なので、金さん(弁護士)に付いて行ってくれるようお願いしようと話していた。
それと、もう一つの方法は、元上司に当時の出張状況を証言してもらうことだ。
「Zさんは、どう言ってた?」
「必要なら出るよって、言ったくれたよ」
「そうなんだ!それは、良かったね」
「うん」
「後は、私の陳述書を添えればいいじゃない」
「そうだね」
さあ、私は陳述書作成に励むぞぅ~!オゥ(^O^)/