「ねぇ、るみか、うつ病って、運転免許取っていいの?」と、ケイ。
「そう言われればそうだよね?ダメなんじゃないの?精神疾患って確か取っちゃいけないはずだったと思う」
「そうだよね。自己申告なんだろうけど、キケンだよね」
「うん。帰ったら調べてみようよ」
確かというより、ダメなはずだ!
あの人は、どこまで墓穴を掘るんだろう?
出かけていたので家に帰ってすぐにPC、ON。
精神疾患 運転免許で検索する。
あった、あった!やっぱり、精神疾患での免許取得はできない。違法なのだ。程度にもよるんだけどね。
「ほら、ケイちんやっぱりダメだったよ」
「ホントだね」
「これを入れれば?」
一応「精神疾患のある息子に運転免許を取得させるとは、被告は恐ろしくないのであろうか?運転中に精神的不安定が襲ってくることもあり得る。たとえ息子が望んだとしても、止めるのが普通の母親である」と、言うようなことは反論書に入れてある。
「反論書はこれで良いよ」
「先生はもちろん知っているだろうけど、流してたらいけないから言いなさいね。それで、内容も変わってくるかもしれないしね」
「そうだね。バカだよまた自分で自分の首絞めて」
「ホント。目先の欲で、あることないこと言うから、次から次へとウソをつかないといけなくなるんだよ」
私もケイも息子君が鬱だなんて思っていない。。
彼女が少しでも自分を有利にするために、息子君を利用しているとしか思っていない。だけど、鬱ではないとも言い切れないので、免許を取るのは止めた方が良いと思っているのも事実だ。ウソか?本当か?量りかねている。
「これを主張したら、運転できないほどじゃないって言うだろうね?」
「そんなこと言わせないわよ。だったら、鬱の診断書出してるんだから完治したなり、運転には差し支えないっていう診断書がないとダメでしょ」
「そうだよね」
「でもさぁ、医者がそんな診断書書くと思う?怖くて書けないと思うよ。よっぽど目に見える精神病なら別だけど、誰でも陥る軽い精神疾患なんて患者の自己申告でしか診断のしようがないと思うよ。例えば完治したようなこと患者が言っても、凶器にもなる車の運転に差し支えないなんて言えないよ。何か起こったら責任の矛先が自分に向くんだからね」
息子君の預金通帳の写しを見る私。
教習料を教習所に振込みをした日を知りたかった。
「ねぇ、お婆さん亡くなったのいつだっけ?」
「そんなの、知らないよ」
反論書から亡くなった日を探す私。
「ほら、お婆さんが亡くなって一週間で教習所に行っているよ」
「息子は鬱なんかじゃないよ。婆さんが死んでもほとんど痛手はなかったってことだよ」
「だよねぇ。普通さぁ、母親が亡くなって一緒間ぐらいでそんなこと思いつきもしないよね?私が思ったとおり、お婆さんの車に彼を乗せようと思ったんだろうね?」
「そうとしか思えないね」
「彼女はホントに自分のことしか考えていないよね。精神科に通院してたってことは、最低でも5年は病院にカルテが残るのに。もし、その間に事故ったり、縁談があって相手が興信所使ったりして調べたら出てくるのに、よく精神科になんか行かせたよね?本当に考えの足りない人だね」
「バカだよ」
子を守ってやるのが親なのに、危険にさらすとは言葉もない。。
でも、息子も息子だ!勉強はできるかもしれないけど、こんなところ本当にバカだ!それも母親に加担してね。
モラハラ母にマインドコントロールされてんだろうなぁ。。
息子君よ、いい加減に目を覚ませ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
今回は「息子君もモラハラの被害にあっている可能性がある」とも、入れている。
モラハラ被害者は、加害者の愛情からだと思い込んで被害にあっていることさえ自覚できない者が多いと言うのでね。
ケイが弁護士に会った日の夜。
キッチンでタバコを吸いながら焼酎の水割りを飲む二人。
「で、どうだった」
「先生忙しいらしくて、向こうの反論書もケイが送ったのもちゃんと読んでないんだって。ケイが行って急いで読んだの」
「ふーん。そうなんだ」
「金曜までにできれば、次こっちのも提出しますって」
多分金曜までにはできるだろう。
ケイの話によると、金さんは集中しないとできないタイプだし、やりだすと止まらない人らしいので、向こうのをちゃんと読むと怒りがわいてきて、手をつけないと気が済まなくなるだろうからね。
「でも、一緒に提出してた物に何の意味があるのでしょうね?って、言ってたよ」
「ホントだよ」
教習所のHPから、料金内容のページをプリントした物があったのだ。
教習所の支払いは、息子君の通帳に記帳されているからそんな物出す必要はない。
そのくせ、こっちが請求している物を出していない。ちぐはぐなのだ!まっ、出せば彼女がしてきた浪費がバレるもんね。
「しかっし、よくあそこまでウソが言えるよね?」
「何の脈絡もなくね。引き伸ばそうと思ってるのかな?」
「おバカだから、そうかもしれないね。でも、調停じゃないんだからそうは行かないよ。調停だとそんなことする人は多いらしいけど、裁判では無理だね。裁判官がそこまでって言ったらそれで終わりだよ。決めるのは裁判官だからね。和解を勧めて和解しなかったら、判決だよ」
「そだね。ケイが反論書を出してくれるのはいいんだけど、内容が長いのでそれを手直しすると時間がかかるんですわって。先生も燃えてくるらしくてね」
「でもね、先生に分かってもらってもしょうがないでしょ?裁判官に訴えて分かってもらわないとね。判決を下すのは先生じゃなくて裁判官なんだから」
「うん。今の裁判官、先生が前回依頼を受けた離婚裁判の時の裁判官と同じなんだって。その時は和解したらしいけど」
「そう。それはいい感じだよね。そうじゃなくても、正常な判断が出来る人ならどっちが悪いか?なんて一目瞭然でしょ?ケイちんが家計から多額のお金を持ち出したって、そんなことしてたならカードであんなに買い物できるわけないし、貯金なんてできる訳ないよ。使途を明かさないし、領収書の提出を求めても何も出さないんだもん。ってことはそんなことなかったってことでしょ?」
「そうだよね。出せば自分が有利になる証拠だって、何一つ出さないんだもんね」
「有利のなる物なんて何一つないよ。出せば有利にはなる部分はあるだろうけど、出せばそれ以上に不利になるから出せないのよ」
「言われてみればそうだね」
「ケイちんが出した手紙のことを、つき5万で生活しろ、貯金で生活しろなんて脅すようなことを書いて何度も寄こしたってあったけど、2回しか送ってないし、本当にそんなこと書いてたんなら証拠として出せばいいのよ。でも出さないでしょ?出せないわよ。大体そんな風に書いてないし、あれは誰が見てもケイちんの言うことが尤もだなって風にしか書いてないんだから。裁判を見越して、私はケイの不利にならないように書いたんだんだもんね」
「るみかはホントに偉いよ。出されても、痛くも痒くもないね」
「そうだよ。退職金とか保険はやっぱり何年も先の話なので争えないでしょって言ってた」
「でしょうね。まだ長引くようだったら面倒だから、こっちが請求してる物の提出を再度求めて、それ以外は全て原告の主張どうりであるとして、ウソを重ねる被告の主張は被害妄想、作り話でしかない。としてもいいね」
「それがいいかもね?」
「取引一覧表銀行に出してもらいなさいって。じゃないと、お金の流れが分からないでしょ?」
「うん。明日行けたら銀行行って来るよ」
話し終わって、お風呂に入って眠った二人であった。