この日ケイは送別会だった。
二次会に行くと言ってたので、夜、店が終わって帰ろうとするとケイからメールが届いた。
「Hで待ってます」
二次会終わったのと思いながら「了解♪」と返して、タクシーに乗って繁華街にあるHに向かった。
ところが、ケイは近くで飲んでてまだHに来ていなかった。
もぅー!と、思うけどしょうがない。
マスターを相手に1時間ほど飲んだ頃「うぅ~酔っ払ったー」と、ケイが店に入ってきた(ーー;)
「遅いよ!」
「ごめーん。怒んないで」お偉いさん方の相手してたから仕方ないんだけどね。
「こんなに遅くなるなら帰っていたのに!」一応のことは言う。
「ホント、ごめんって。ねっ」目が思いっきり酔っ払ってるケイ。それを見てこれ以上言うのをやめた。週末は楽しく飲みたいもんね。
それから、飲んで歌って家に帰った。
「うぅー今日はお風呂は入れない」
「入らなくていいから、ちゃんとお布団で寝なさい」
「ダメ!足洗わないと」ケイは油足なのだ^^;
「だったら、早く洗ってらっしゃい」
「動けない」
「じゃ、そのまま寝なさい」
「ダメダメダメ」と首を振るケイ(ー_ー)!!
「早く洗ってきなさいって」
「起こして」と、手を差し出すケイ。その手を引っ張って起こすとようやく洗いに行った。
その間に、お布団を引く。
戻って来たケイの服を脱がせてパジャマを着させて横にならせて、お布団をかける。ふぅ~
「るみか」
「何?」
「るみかがケイを嫌いになっても、絶対に何処にも行かないでね」
「うん?なんて?」イマイチ言っている意味が分からない私。
「だからね。ケイのこと嫌いになっても離れないで一緒に居てね。絶対に幸せにするから」
「幸せにしてくれるんだ!って言うより、今も幸せだよ。ケイを嫌いになったりする訳ないでしょ?」
「ホントに?」
「ホントだよ」と、言うと安心したようにニコッとして眠ってしまった。
ケイの言葉を聞いて、ケイは本当に寂しい思いをしてきたんだろうなって思った。
家族と言うものがありながらね。それを思うとほろりとなった。
計り知れないケイの過去の寂しさを思うと涙が流れた。
ケイは私と暮らして初めて夫婦の暖かさを知ったんじゃないのかな?と、思う。私は離婚はしたけど、少しは幸せな時期はあったからまだましだ。ケイは全くと言っていいほどなかったようだから可哀想なものだ。
翌日。
夜、うちで焼酎を飲みながら裁判の話をする二人。。
「どう反論してくるんだろうね?」と、私。
「本当に」
「彼女はどうして、あんなに突っ込まれることばかり主張したんだろうね?」
「自分は間違ってない!って、それしかないと思うよ」
「ケイちんの反論書読んで地団太踏んでるんじゃないの?」
「かもね。あんなこと書いてるんだから何か証拠でも提出するのかな?と、思ってたらそれもないしね」
「調停の時に勝ち誇ってた顔してたって言ってたでしょ?」
「うん」
「自信があるなら、睨み付けることなんてしないよ。頭にきている以外ないね。弁護士に言われたかもよ?これの証拠はありますか?これは?、ってね。なければ通りませんよって。ウソを沢山証拠つきで暴いてるから、それも弁護士に言われるだろうしね」
「弁護士はケイの反論書見て、反論しようがないから苦し紛れに、彼女達の貯蓄のこと言ったんじゃないの?」
「そう思う。何言ってるの?って思ったもん」
「沢山のウソに弁護士びっくりしたでしょうね?」
「この件から下りたいと思っているだろうね」
「でも、どうしてあんなにバレるウソ言うんだろう?」
「舐めんなよって感じだよね?」
「私をね(笑)誰がついていると思ってんのよ!ってね」
「そうだね!ケイじゃなくてるみかだった」
「この反論書に反論しようと思ったら大変だよ~常識的に書かれてるんだから、反論しようとすれば屁理屈か非常識なことでしかできないよ」
「それにね、やつ達はKが銀行の10年分の取引一覧表を取り寄せてるの今回まで知らなかったから、これもびっくりしてると思うよ」
「光熱費なんか、何が月1万5千円ほどなのよね。ケイがいない今でも水道代だけでも月平均1万8千円超えてるのにね。よく言えるよ!」
これも、反論書で指摘している。
彼女は見れば一目瞭然のことでも、悪びれもせず平然とウソをつくのだった。
「奴がなんで分かるような嘘を言うのか?ケイもホント分かんない」
「息子君にお母さんに、全部見せてもらえっていいなさい。見せらんないだろうけど。息子君と15歳まで寝てたの暴露したのも怒ってるだろうね?」
「うん。でも、これは捏造ですって言うかもね?」
「彼女が息子君と中3まで寝て何々って書いたメモ?」
「そう」
「そんなこと言う?でも、そうなったら、筆跡鑑定だね!」
「奴は言いかねないよ。奴から来た手紙もあるから鑑定はできるね」
「鑑定費用は彼女の字だって鑑定されれば、彼女に支払請求します、でいいんじゃない?」
「そうだね」
さて、彼女は捏造だと言うのだろうか?
酔いも回り、お風呂に入って眠った。
これから先次々に彼女のウソが暴かれて行くのであった……。