Print this Post Article Lists Back

【コラム】日本の「竹島病」を治すには(下)

 国連安全保障理事会の常任理事国となる日本の希望を何度も挫折させたのは、中国による拒否権の行使だった。その中国では、胡錦濤国家主席が今年5月に日本を訪問した際、「中国は日本が国連でより重要かつ建設的な役割を果たすことを望んでいる」と述べ、日本が待ち望んでいたものをプレゼントした。国力のさらなる伸張という自らの路線を実現させるためには、一旦刀を収めて力を蓄えるのが得策、と中国は判断した。それを実現するには、日本の背中を叩きながら、日本の経済力、とりわけ技術力を引き出して利用するのが、自国にとってより大きな利益になると計算したのだ。

 このような日本の内外の変化に乗って、日本による独島領有権の主張はさらに勢いを増している。それも一時的なものではなくなった。この病気はまさに糖尿病や高血圧など、一生付き合っていくしかない慢性病のような段階に入った。すぐに治癒することはできなくとも、しっかりと管理さえすれば直ちに命を失うことはないのが慢性病だ。日本が独島について口をはさむたびに、日本のペースに乗って公共の建物に大型の独島写真を無意識に掲げるような、非常に純真で単純な韓国の対応を日本は利用した。その結果、日本人の独島認知率は20年前の5%から70%にまで引き上がったのだ。

 クリル列島問題をめぐり日本と対立しているロシアは、日本による領土権の主張を一貫して無視してきた。日本も自分たちが支配する尖閣諸島(中国名釣魚島)に旗を持って上陸する中国人や台湾人を静かに追い出してきた。われわれを刺激してきた日本は、中国の領有権主張に対し、慢性病を取り扱うかのように対応してきたのだ。自分の財布の中にある金なのに、大騒ぎして何の得があるのかということだ。われわれも日本の「竹島病」を「慢性的な風土病」との診断に変更し、それに応じたやり方で対応する段階に入ったのかもしれない。現時点での最も有力な首相候補が、歴史に対する妄言では日本でも右に出る者がいない麻生太郎幹事長だという東京発のニュースを見ると、そのような考えがより一層強くなってくる。

姜天錫(カン・チョンソク)記者

【ニュース特集】独島問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
このページのトップに戻る