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伊勢崎の花火事故 原因特定できず

2008年09月01日

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花火の打ち上げ場所を実況見分する捜査員や消防署員ら。足元の穴は暴発跡とみられる=伊勢崎市安堀町

 伊勢崎市の広瀬川河畔で開かれた「いせさき花火大会」で観客がけがをした事故で、県警と伊勢崎署、市消防本部は一夜明けた31日、花火の打ち上げ場所やけが人が出た見物場所を実況見分した。この日は原因を特定できず、花火業者も「特段思い当たる節はない」と困惑気味だ。

 花火大会を取り仕切った同市の球屋北原煙火店によると、暴発したのは「椰子入牡丹(や・し・いり・ぼ・たん)」と呼ばれる種類。花火玉を入れるステンレス製の筒20本を一束にまとめて地面に固定してあったが、真ん中の筒は完全につぶれていた。空中で開いた時の直径が150メートル以上になる5号玉が地面で暴発したという。

 伊勢崎署によると、筒の内部で花火が暴発。連鎖的に隣の花火が爆発し、その中に斜めに飛んだものがあったと見られる。花火が暴発した跡とみられる地面には穴がうがたれ、筒もつぶれたり穴があいたりしていた。破裂した筒の破片は数十メートルの範囲で飛び散っていた。

 筒の中には花火玉と、花火を上空に打ち上げるための火薬「発射薬」が入っている。暴発の原因としては、花火自体の不良、発射薬がぬれて打ち上げの力が弱まった、筒に何かが詰まった――などが考えられるが、この日の調べでは、原因は特定できなかった。

 球屋は大会前日、テントの下で筒の中に玉を入れる作業をした。発射薬はポリ袋に入れ、筒にも何重にも防水を施しており、筒が詰まることも考えにくいという。

 同社の北原清社長は「原因が分からず困惑している。けがをした人には大変申し訳ない。早めに会っておわびしたい」と話した。実行委員会は、名前が分かっている13人のうち連絡の取れた10人に電話で謝罪を伝えた。打ち上げを継続したのは、暴発後、残った花火を点検し、安全と判断したためという。

 同花火大会は今年が14回目。02年に風で火の粉が飛んで見物人がやけどする事故があり、03年に打ち上げ場所を現在の公園にずらした。

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