1. 
2. 社会
3. 政治ニュース

　自民党は２日、福田康夫首相（７２）の後継を決める総裁選を１０日告示、２２日投開票で行うことを決めた。本命視される麻生太郎幹事長（６７）の対抗馬をめぐり、小池百合子元防衛相（５６）がこの日、立候補の準備へと動き始めた。夕方、後ろ盾となる中川秀直元幹事長（６４）の事務所を訪れ、意見交換。「総裁選の話はしていない」とけむにまいたが、慎重に党内の支持状況を見極めている。立候補するとみられた野田聖子消費者行政推進担当相（４８）は、見送る方針。石原伸晃元政調会長（５１）らを推す声も浮上、党内の駆け引きが本格化し始めた。

　小池氏が動いた。２日夕、福田内閣で冷遇された「上げ潮派」の中心人物、中川氏の事務所を訪ねた。中川氏は、小池氏が立候補する場合に後ろ盾になるとみられる人物。会談は１時間近くに及んだ。

　中川氏との話し合いを終えた小池氏は、報道陣に「（総裁選の）話は出ていない。国内、国外の広い意味での意見交換をした」とだけ述べた。「出る意欲はあるのか」と問われ「すみません」と肯定も否定もせずに、車に乗り込んだ。

　小池氏は公の場では、総裁選立候補について言葉を選んでいるが、党関係者の間では「党内事情を見極めようとしている」との認識で一致。「対抗馬が出なかった民主党代表選との違いをはっきりさせるため、麻生氏の対抗馬をたてるべき」とする中堅、若手から期待が高まっている。

　一方、小池氏が所属する町村派の重鎮、森喜朗元首相が報道番組で、ポスト福田にふさわしい人物として麻生氏の名前を挙げた経緯がある。派閥が麻生、小池両氏で分裂する可能性もあったが、町村信孝官房長官は２日のテレビ番組で、同派は自主投票になるとの見通しに言及。小池氏は自身への支持の広がりを見極め、判断するとみられる。

　中川氏は、小池氏との会談後「改革派（上げ潮派）から誰か立てなくてはならない」と明言。小池氏を含めた具体的な名前は出ていないが、経済路線で上げ潮派と対立する麻生氏が早々に立候補に意欲を示したことで「だからこそ、開かれた論議をするべき」と強調。「準備もあるだろうし、そう遠くない」と述べ、近く最終判断する。

　関係者によると、小池氏は今後、もともと予定が入っていた３日のヤクルト－中日戦（神宮）の始球式など“ビジュアル的”な日程が組まれており、告示に向け露出の機会は増えそうだ。

　一方の野田氏は２日午前、閣議後の会見で、「今は白紙」などと述べていたが、立候補はしないという。

　［2008年9月3日9時10分　紙面から］

ソーシャルブックマークへ投稿

ソーシャルブックマークとは

キーワード：

小池百合子

• ウェブで調べる
• 過去記事を探す
• ＴＶ番組表をチェックする