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沖縄返還の日米密約、公開請求へ 「不存在」なら提訴

2008年9月1日3時2分

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 72年の沖縄返還に至る日米交渉の際の「密約」について、ジャーナリストや作家、学者らが2日、秘密合意を記した3書簡の情報公開を外務省と財務省に求める。この書簡はすでに米国立公文書館が公開し、日本側交渉責任者だった元外務省アメリカ局長も密約の事実を認めているが、日本政府は一貫してその存在を否定している。

 ただ外務、財務両省からは「不存在」の回答が予想されるため、その場合は開示を求める訴訟を起こす方針だ。

 請求するのは、ジャーナリストの原寿雄さん、筑紫哲也さん、奥平康弘東大名誉教授、作家の佐野眞一さん、澤地久枝さんら。毎日新聞記者当時に「密約」を報じ、国家公務員法違反で有罪判決が確定した西山太吉さんも名を連ねた。西山さんは、密約を否定した政府側の発言などで名誉を傷つけられたとして国に損害賠償を求めている。

 公開を求めるのは、(1)返還土地の原状回復補償費400万ドルと、米国の海外向けラジオ放送(VOA)施設移転費1600万ドルを日本側が肩代わりするとの内容で、吉野文六外務省アメリカ局長とスナイダー駐日米公使(肩書はいずれも当時)による71年6月11、12日付の合意書簡2通(2)基地の移転費用などとして計2億ドルを日本側が支払うことを定めた、柏木雄介大蔵省財務官とジューリック米財務長官特別補佐官(同)による69年12月2日付合意書簡1通。

 呼びかけ人の原さんらは「国民に対する重大な背信行為であるとともに、歴史的事実に対する謙虚な姿勢を忘れた尊大で傲慢(ごうまん)な行為だ」として、情報公開請求に踏み切ることにした。(南島信也)

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