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全国学力テスト:「このざまは何だ」 大阪府低迷、橋下知事が教委批判

 文部科学省が29日に結果公表した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、大阪府は小中学校の国語、算数・数学とも基礎を問う「知識」(A)と応用力をみる「活用」(B)の双方で2年連続で全国平均を下回り、34~45位に低迷した。改革で「教育日本一」を目指す橋下徹知事は「教育委員会には最悪だと言いたい。さんざん『大阪の教育は違う』と言っておきながら、このざまは何なんだ。抜本的に今までのやり方を改めてもらわないと困る」と府教委をこきおろした。

 府教委は41~45位に終わった昨年の結果を受け、今年の全国学力テストまでに教員向けセミナーを開き、学力向上担当教諭の各校配置などを提案した。だが、取り組みは市町村教委や各校に委ねられ、同府豊中市の主婦、末永尚子さん(42)は「補習のため放課後に先生が待機する学校があると聞いたが、長女の中学にはない。対策は学校に任せず、横断的にノウハウを共有してほしい」と話した。

 9月からは、橋下知事の学力向上策が実施され、政令・中核市を除く小中学校の全学年を対象とした放課後学習「おおさか・まなび舎(や)」と、小3~中3を対象に特定教科だけの習熟度別授業が始まる。綛山(かせやま)哲男教育長は「学力課題の把握に努め、習熟度別授業などの充実で府民の期待に応えたい」と今後の方針を語った。

 府北部の公立中学で国語を教える男性教諭(49)は「結果が出るたび、教育施策を変えられてはたまらない。現場が地道に積み上げてきた人間教育が壊されないようにしたい」とし、学力偏重に警鐘を鳴らす。また、ある府教委職員は「就学援助を受ける割合が全国より高いことなどを踏まえ、長い目で学校と家庭を変えていくべきだ」と語った。【平川哲也】

 ◇小規模学級で細やかな指導--好成績の秋田

 平均点が小学校の4分類すべてでトップとなるなど、小、中ともに2年連続で好成績だった秋田県。会見した根岸均・県教育長は「数字に一喜一憂しないが、一抹の期待と不安があった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 昨年上位の成績を収めてにわかに脚光を浴び、教育再生会議をはじめ全国の教育委員会や議員ら約40団体が県教委を視察した。

 比較的小規模な学校が多く、学校を挙げた熱心な指導が特徴。潟上市立東湖小学校(児童数141人)では、6年生が単学級の25人。月3回程度の少人数授業では、習熟度別に5人の班を五つ作って担任や教頭、低学年の教諭がそれぞれ指導にあたる。担任の岩野ひとみ教諭は「児童全員に目が行き届く。みんなでやるので、家庭学習の習慣も身に着くようだ」と話す。【百武信幸】

毎日新聞 2008年8月30日 大阪朝刊

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