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アンバル州治安権限、イラクに 米、アフガンに注力へ

2008年9月1日21時8分

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 【カイロ=田井中雅人】イラク駐留米軍は1日、西部アンバル州の治安権限をイラク治安部隊に移譲した。イラク全18州中11番目の移譲で、イスラム教スンニ派地域では初めて。最も治安が悪かった同州の治安権限移譲を節目として、米軍はアフガニスタンへの兵力シフトを図る。

 シリア、ヨルダン、サウジアラビアと接する同州には03年のイラク戦争開戦後、アルカイダ系武装勢力が流入。地元のスンニ派過激派らと結託して米軍との衝突を繰り返し、イラク駐留米兵死者数の3分の1近くにあたる約1300人が死亡した。

 しかし、アルカイダの無差別殺害などでイラク人約6千人も死亡。アルカイダに反発するスンニ派の地元部族らが06年に「覚醒(かくせい)評議会」を結成、米軍の支援を受けてアルカイダ掃討にあたり、治安は改善に向かった。

 米メディアによると、今年2月に同州で駐留していた3万7千人の米兵が、現在は2万8千人まで減った。米軍は、イラク駐留海兵隊などの兵力を、治安が悪化しているアフガニスタンに振り向けたい考えだ。

 ただ、米軍の給与に依存するスンニ派の覚醒評議会メンバーの扱いが課題となる。シーア派主導のイラク治安部隊への編入は進んでいない。不満を抱えるスンニ派と治安部隊が衝突し、再び治安が悪化するおそれもある。

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