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【東京】

アキバらしさ見つめ直そう 殺傷事件受け検討会発足

2008年8月28日

歩行者天国をはじめとした公共スペースの活用を考える検討会が発足した=千代田区で

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 無差別殺傷事件から二カ月以上経過した秋葉原で二十七日、地元関係者らが、歩行者天国など公共空間の活用を考える検討会を発足させた。メンバー約三十人は、「アキバらしさを見つめ直す時だ」と意見を交わした。

 検討会会長に選ばれた都市ジャーナリスト森野美徳さんは、「もの作りの部品を買いに来る街だった秋葉原は、サブカルチャーの街に変わり、オフィス街でもある」と話す。

 その上で、過激なパフォーマンスが繰り広げられた歩行者天国は「行きすぎだった」と指摘。「中央通りだけでなく、神田川の水辺も含めた街づくりを考えたい」と話した。

 神田地区民生児童委員協議会の前川知正さんは、「自分たちの故郷が汚されている。歩行者天国では、家族連れやお年寄りが散歩したり、子どもが自転車に乗る練習をしていたのに」と嘆いた。ほかの古い住民からも、「いかがわしい店が増えて寂しい」「品格が落ちた」と批判が続いた。

 また、路上の放置自転車やごみの不法投棄の多さも指摘された。商店などでは事件後、売り上げが5−20%落ちているという。

 検討会では今後、現況を調査、分析し、秋葉原の魅力向上へ向けた話し合いを続ける。 (越守丈太郎)

 

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