旧日本軍が中国に遺棄した毒ガス兵器で健康被害にあったとして、中国人の少年2人が日本政府に対し損害賠償を求めた裁判で、少年らが「事故が起こる前の生活を返して欲しい」と法廷で意見陳述しました。
この裁判は、2004年に中国・吉林省に住む16歳と12歳の少年が、旧日本軍が遺棄した毒ガス兵器に触れ、皮膚がただれたり免疫力が低下するなどの健康被害を受けたとして、日本政府にあわせて6600万円の損害賠償を求めているものです。
東京地裁で開かれた25日の裁判では、原告の16歳の中国人少年と、もう1人の少年の父親・劉国義さん(39)が意見陳述し、「事故が起こる前の体と生活を返して欲しい」と訴えました。
「日本政府は出来るだけ早く毒ガス兵器を回収して、2人の様な被害者が出ないことを祈っています」(被害少年の父親・劉国義さん)
少年らが触れた砲弾は、日本側の調査で旧日本軍が遺棄した毒ガス弾であることが確認されましたが、これまで日本政府は一切、補償に応じていないということです。(25日22:19)