(cache) 合同部会

　議事要旨
第28回　産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会　合同会議速記録
　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１０年１２月２１日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　通商産業省


　　　　　　　　　　　　　　開　　　　　　　　　　会


○議長　本日は、お忙しいところをお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
ただいまから産業構造審議会流通部会及び中小企業政策審議会流通小委員会の合同会議を
開催したいと思います。
　本日の議題でございますけれども、前回に引き続きまして、関係企業、関係団体からの
ヒアリングを行います。目的は、大店立地法の指針作成について関係諸団体から御意見を
お聞きするということで、その一環でヒアリングをしております。今回は外資系企業を含
む大型出店者側、及び消費者代表の方々、労働組合の方々、地方自治体、生協及び農協の
方々からお話をお伺いしたいと思っております。それぞれ30分から20分の枠内でお話を
いただきまして、こちらからの質問等にお答えいただきたい。そのように思います。


　　　　　　　　　　　　　大型店設置者からのヒアリング

○議長　それでは、まず本日は大型店サイドからのヒアリングを始めたいと思います。
　前回既に百貨店協会及びチェーンストア協会の代表の方々からお話を聞いておりますが、
本日は、もう１団体と外資系企業２社の代表の方々が御出席でございますので、まずこれ
から御紹介に入りたいと思います。
　委員側から見まして向かって右が社団法人日本ショッピング協会の方々でございます。
御紹介いたします。
　まず、岡田会長でいらっしゃいます。
　それから、同協会の関専務理事でいらっしゃいます。
　それから、会長会社ジャスコの秋葉取締役でございます。
　続いて、委員の側から見て左サイドですが、日本トイザらス株式会社の田崎社長でいらっ
しゃいます。
　同じく、小澤常務取締役でございます。
　それから、アメリカン・モールズ・インターナショナル・ジャパンのディーフェンバッ
ク代表取締役でございます。
　なお、委員及び事務局側は配付されている座席表で御確認いただきたいと思います。よ
ろしくお願いします。
　最初に、皆様方、本当にお忙しいところ、ヒアリングに御協力いただきまして、合同会
議議長として改めてお礼申し上げたいと思います。
　本日は、大店立地法についてこれから我々が指針をつくっていくに当たり、参考となる
ような御意見をお聞きしたい。きょうは議論を闘わす場ではなくて、我々どもの方からの
質問の場でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
　具体的には今回の指針づくりに当たって二つの観点がございます。一つは、大店立地法
はどの範囲まで含むか、どの項目を含むかという「幅」の問題。それから、各項目ごとに
どこまで基準を厳しく見るかという「深さ」の問題。この二つの問題について日々皆様方
が御経験なさっていること、あるいはお考えなさっていることをお話し願いたいと思いま
す。よろしくお願いします。
　それでは、始めたいと思いますが、まず各団体の御発言をいただき、皆様方の発言をす
べていただいた上でこちらから御質問等をしたいと思いますので、よろしくお願いいたし
ます。
　それでは、まず日本ショッピングセンター協会の岡田会長、よろしくお願いします。
○岡田氏　ショッピングセンター協会の会長の岡田でございます。
　まず最初に申し上げたいことは、私は、この立地法の制定の審議会でも強く申し上げた
わけでありますけれども、なぜ1,000平米以上の物品販売業だけがこの立地法に適合を求
められるのかという疑問であります。もちろん、今回この立地法としては、環境問題であ
りますとか、交通渋滞でありますとか、社会的な問題を取り上げていらっしゃるわけであ
りますけれども、これについては単に1,000平米以上を超える物品販売業だけが対象になっ
ているという疑点であります。これは見方を変えれば、旧大店法の延長線上ではないかと
いう、そういう概念を一般に与えるというところにこの指針の重要性が出てくるのではな
いかと思います。
　それから、もう一つは、御承知のように、きょうも外資系の方々もいらっしゃるわけで
ありますけれども、恐らく21世紀の初頭には欧米の量販店、あるいは大型店等が日本に
数多く進出するものと考えております。既に私がこの９月に、アメリカのトップの方も来
年の５月には意思決定するというようなことを明確におっしゃって見えるところもおるわ
けでありまして、周辺には、例えば韓国にはウォルマートも進出しておりますし、　　　
　　はもう３年以上、日本でマーケットリサーチをやっているというのが現状であります。
したがって、そういう外資系の方々にも非常に明瞭にその指針が、別の言葉で言えばナショ
ナルスタンダードとして非常にわかりやすいということでなければ、また新たな国際摩擦
を生むのではないかというように考えますので、この指針についてそういう意味から非常
に明快な形での指針をお示し願いたいと思います。
　それから、自治体との問題でありますけれども、私は、県単位になっているようであり
ますので、むしろそれぞれの自治体がもっと自由に考えられれば、もう大型店は要らない、
あるいは大型店を誘致するというような明快なことが行われると思います。ただ、私ども
が今誘致を受けてつくったショッピングセンター、町を挙げて誘致を言われたショッピン
グセンターが幾つかあるわけでありますが、それを増設しようといたしますと、従来の大
店法でありますと、周辺の市町村が全部反対、その町は挙げて賛成をするというような現
象が起こるわけであります。そういう点についてもこれから自治体での運用につきまして
もどういうようにお考えになるか。要するにこれも透明性のある形で、そして審議の過程
でも情報公開をしていただきたいと思うわけであります。
　もう一つ、今回の問題で非常に私は疑問に思っておりますことは、この立地法への経過
措置が８カ月間でありますので、大店の開店の2001年との間に非常に大きな空白期間が
できるということであります。これによって約１年有余大型店が出店が不可能になる。開
店が不可能になるということになりますと、１年間は我々もすべて新規採用がストップ、
そして投資もストップという形になりますので、現在の景気回復の国家的最大の優先課題
でありますところに非常に社会的問題が起こるのではないかと思うわけでありまして、従
来は大店法の手続きが終わらなければ建築基準法もその他の開発許可がおりないという形
で運営をされてきたわけでありますので、そういう点についての経過措置に対して十分に
お考えを願いたいと思うわけであります。
　以上、時間がございませんので、簡単に申し上げた次第でございます。
○議長　どうもありがとうございました。
　続きまして、日本トイザらス株式会社の田崎社長、よろしくお願いします。
○田崎氏　日本トイザらスの田崎と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
　まず、この会を設置していただきまして、私どもに発言の機会を与えていただいたこと
にまずお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
　日本トイザらスでございますが、大店法のもと、1991年、茨城県の荒川沖に１号店を
つくりました。そして、現在まで76店舗を開店しております。お手元の資料に基づきな
がら少し話をさせていただければ幸いだと思っております。
　私ども過去76店舗におきましては、もちろん大店法の出店手続等、地域のさまざまな
違いを体験した中で、また今回2000年の大店立地法のもとに我々作業を進めていくとい
う段取りになるわけでございますけれども、大変重要だと思うのは、このガイドラインが
どういう形で設定されるか、またそれが我々のこれからのビジネスをどういうふうに展開
できるのかということにこれが一つの大きなきっかけになると思います。きっかけという
のは、プラスの部分、そしてマイナスの部分、両方あるのではないかという気がいたしま
す。これに基づいて今まで我々が体験した中で、これからのガイドラインの中でどういう
ふうな形で策定していただければ幸いであるかということで２番以下、ここに記載をさせ
ていただいているということでございます。
　私どもガイドラインの策定に当たりまして一番大きく考えておりますのは、業種、そし
て業態、規模、そして立地、また地域特性をも考慮した最低基準のマトリックスというも
のを作成していただくことが重要かなと。そして、特に我々小売業にとって一番重要な部
分は、業種、業態の違いをその中に十分盛り込んでいただいて、マトリックスの策定が行
われるということを我々は望みたい。マトリックスというのは何平米から何平米、何平米
から何平米、個々に状況が違います。そういう部分の中ですべてのうまくカテゴリーを取
り入れたマトリックスが作成されることが、そして、それが公平であり、かつ第三者が見
て理解しやすい、大変に単純なことでございますけれども、だれが見てもわかるという、
この部分を重要視したガイドラインが作成されることを望みたいと思っております。
　そういう意味で、このガイドラインを大店立地法における根幹として、大型店の出店が
抑制されるようなガイドライン以外の、例えば地方条例や指針が出されないような形の中
で明文化されることをぜひお願いしたい。この部分が大変重要な部分であるというふうに
私どもは認識しております。これは先ほどの岡田会長の話の中にもありましたように、ど
うしても地方条例とか規制という中でいろいろな形が発生してくるということを今までの
大店法の中でも多々経験した経緯がございます。
　そして、次のページの中で個々の件に関して述べさせていただいておりますけれども、
一つは、交通環境ということで、道路の環境、これにおいても私どもが最低基準を明文化
していただきたいということで、ただ、現実として言えば我々だけで解決できるものでは
なくて、全体のその地域の計画という中で位置づけられるという部分があると思います。
その辺も考慮した中でガイドラインが策定されてくれば大変好ましいものになるだろうと
思います。
　そして、２番の駐車台数。これが交通環境の問題で一番のポイントになってくると思い
ますけれども、駐車台数。これも先ほどと重複する部分があります。業種、業態、規模、
立地、また地域特性によって駐車台数が異なるというところの中で、最低設置義務台数と
いうものを明示されることが望ましいと思っております。これが最低基準という中で、あ
とは逆に言えば我々もビジネスをしているわけですから、それに基づいてどういうふうな
形でお客様に一番喜んでいただける店づくりができるのかという中で、我々としての数字
を設定するという形になることが望ましい。したがって、ガイドラインは最低設置台数に
とどめられ、確定は出店者にゆだねられるというところの中で考えていただければ幸いか
と思います。
　そして、騒音、廃棄物ということで、騒音につきましても、同じ住宅地であっても、住
居地域、そして近隣商業地域等、用途地域で大変数値が異なる部分があります。この数値
の策定というのはいろいろな要素が入ってくるので難しいという気はいたしますけれども、
その中で同じような形の設定がされれば望ましいかなと。
　それから、廃棄物も同じように、業種、業態、いろいろなサイズとか立地等で違いがあ
りますので、その部分で考慮されていただければ幸いかと。
　そして、３ページ目、ここでまとめをさせていただいておりますけれども、ガイドライ
ンの運用に対する要望ということで、ここの部分は一つ一つ述べさせていただきたいと思
います。
　まず、ガイドラインを超える地方自治体の上積み規制、そして条例、指導が行われない
ように要望させていただきたい。
　そして、大店立地法の申請と並行して、これは岡田会長も先ほど言われていましたけれ
ども、開発許可申請、そして建築確認申請が行えるように要望したい。今現在でも大店法
の中で大変この部分が出店のタイミグ等を図る上に当たって大きな障害になっているとい
うことは事実で、あくまでも個々の法律であって、それに基づいてリンクさせることをし
ないでいただきたい。
　それから、交通環境に対する指導、これが同じく大店立地法、開発許可申請、建築確認
申請等で重複しないように要望したい。
　それから、具体的なガイドラインの策定により、開発許可申請、建築確認申請を含めて
期間短縮が行われるように、先ほどと同じようなことを言っておりますけれども、要望し
たい。これは開店までの期間短縮によっての経済的効果ということですね。今まで出店ま
でに１年、あるいは２年、それ以上というケースは多々あったわけです。もっと昔は10
年以上のケースも私ども聞いております。そういうものは決して我々の最初の計画から大
分変化した形でオープンして、それは最終的には消費者の皆さん、その地域の皆さんに対
しても逆に御迷惑をかけることになりますし、我々のビジネスに対しても大変大きなイン
パクトがある。そういう意味の中では期間というものをある程度設定した中ですべてがう
まく機能するように考えていただきたい。
　それから、正式な説明会以外での協議の禁止を要望する。どうしてもこれが見えない中
でいろんな話が展開してしまう。あくまでも公の場で公のディスカッションというか、協
議をしていくということが一番望ましいクリーンな形での結末を迎えると思いますので、
ぜひこの部分をお願いをして、一応私の方の話とさせていただきたいと思います。
　どうもありがとうございました。
○議長　続きまして、アメリカン・モールズ・インターナショナル・ジャパンのディーフ
ェンバック代表取締役からよろしくお願いします。
　通訳を介してされますね。
○ディーフェンバック氏　本論のスピーチは日本語で出そうと思っているんですけれど、
次の質問があれば、誤解しないように通訳してやりたいと思います。
○議長　わかりました。
○ディーフェンバック氏　では、まず通産省及び審議会の皆様に本日このような機会を与
えてくださったことを御礼申し上げます。
　私どもの会社ＡＭＩは、小売業ではなく、開発及びショッピングモールの運営を専門と
する企業です。私どもは、先ごろ小田急線相模大野駅ビルステーションスクエアにＡＭＩ
の第１号店エッグサイトを開店しました。当該物件は、用途変更を伴わない既存のビルの
改装工事でしたが、今後の日本国内の数カ所で新規大型リージョナルモールを開発する計
画をしております。本日は、大型モールの承認に関する法律の変更についてお話しさせて
いただきます。
　では、始めさせていただきます。
　大規模小売店舗立地法論点。
　私どもが理解していますころでは、大規模小売店舗立地法では、大規模小売店舗のディ
ベロッパーに環境アセスメントのプロジェクトのもと、交通の流れや環境に及ぼす影響な
どといった具体案の提出が求められます。評価の第１段階は公式のガイドラインに基づき、
提案書を評価することであり、第２段階は地元のニーズに照らして検討することだと思わ
れます。
　ところが、この評価過程がほかのプロジェクトにおける環境アセスメントの確定とどの
ように異なっているかは明らかではありません。また、このプロセスがなぜほかの大規模
プロジェクトには適用されず、大規模小売店舗のみに適用されるのか明らかではありませ
ん。
　懸念。第１段階における評価標準に明瞭ではないように思われます。恐らく、県や市、
ディベロッパーが適切な対応をするのが困難なのではないでしょうか。第２段階における
評価基準は非常に地元に根差した主観的なものであり、評価は法律のこと以外にもなされ
ることがあるのではないかと思います。この法律は大型小売店舗を特別に規制するための
もののように見受けられるという懸念を抱いております。都市や市民、ディベロッパーの
利益のために明瞭な基準が設定される必要があります。法律の適用が過度に主観的である
と思われる場合、調整役として国家レベルの再検討プロセスが必要だと思われます。
　都市計画法の変革に要請。
　論点。この法律は、私どもの理解する限り、特別区域を設けることとなり、自治体に新
しい大規模小売店舗立地を規制することを認めています。これらの特別区域は、環境基準
に基づき、大規模小売店舗の立地が認められない区域を拡大する可能性があると思われま
す。
　懸念。これらの特別区域が環境基準を十分に理解しないまま、地元のコミュニティーに
よって設けられると懸念しています。また、それは大規模小売店舗立地法の趣旨と矛盾す
る可能性があります。特定地域は、隣接したコミュニティーや地域への配慮なしに選定さ
れるのではないかと思います。
　提案。特別区域の選定において、真に明確な環境基準を設定することをお勧めいたしま
す。特別区域の選定が一般に公開されるように、この決定までのプロセスは明瞭化する方
がいいと考えられます。
　最後は、大規模小売店舗立地法、都市計画法改正及び現行の環境評価に関する規制につ
いて、地元レベル、県レベル、国レベルにおける混乱を避けるために、ぜひとも適正な調
整をお願いする次第です。
　ありがとうございました。
○議長　どうもありがとうございました。
　それでは、これから御質問等をお願いしたいと思いますが、委員の先生方、何かありま
したらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
　議長の方から、まずショッピングセンター協会の岡田さんにちょっと御質問させていた
だきたいと思います。
　先ほど立地法は大店法の延長と間違えられると言われましたが、この趣旨は、大店法と
違いまして、立地とか出店そのものの規制はしない。出店の是非の後に工夫をお願いする
ということなんです。その点について間違われないようにしたいと我々思っていますので、
もう少し具体的にお願いしたいと思います。
○岡田氏　物品販売業だけが、従来大店法では500平米、今度は1,000平米という形で、
物品販売業だけにこれを当てはめている。例えばサービス業とか飲食業、その他も随分廃
棄物も、むしろたくさん出すわけでありますし、それからもっと言えば、私どもはショッ
ピングセンターでございますけれども、ショッピングセンターということになりますと、
商業集積になるわけで、一つの敷地になるわけです。従来大店法の場合は、1,000平米の
場合に、真ん中に、最初のころは２軒並びますね。郊外に２軒並びますと、真ん中に垣根
をしていたんですね。それで隣に二つ並ぶ。三つ並ぶと垣根があるだけなんです。人は行
ける。車の駐車場だけに垣根がある。こういうケースがたくさんあったわけです。それは
三つの店舗それぞれが1,000平米以下であれば、そういうことは関係ないのかと、この立
地法には。ということになるわけですね。だからそういう意味で、商業集積であれば、私
は商店街だって同じだと。特に交通公害ということになりますと、ダウンタウンが一番大
変なんですね。こういうのをどういうように考えられるのか。そこで商業集積が――商店
街というのは商業集積でありますから、そういう商業集積が駅前の商業集積で、例えばこ
の立地法ではどういうような観点になるのかということが非常に疑問でございまして、そ
ういうことを申し上げたわけであります。
○議長　どうもありがとうございました。
　ほかに先生方から何か御質問等ないでしょうか。
　トイザらスの田崎さんに私の方から御質問させていただきたい。先ほど最低限の基準を
設けるということなんですけれど、どうなんでしょうか。先ほどのお話の中で地域条件に
よって、それから業種、業態によって違うという話がありました。最低条件の考え方なん
ですけれども、田崎さんがお考えのところは数値で示してもらいたいという、そういうイ
メージなんでしょうか。
○田崎氏　具体的には数値で示していただけるのが一番クリアな部分があって、だれが見
ても基準が明確にわかるというところで数値であらわしていただきたいというのがお願い
でございます。どうしても文章であらわすということになると、解釈の仕方によってそれ
ぞれの解釈の仕方がある。その辺に議論が集中してしまうということで、常に我々は呼ば
れて、いろんな席で話をさせていただいても、どうしても文章的な解釈の中で話が展開し
てしまう。そうすると、どうしても時間がかかって、最終的には結論を生まないで話が終
わってしまうというので、必ず数値的なもので提示いただいた方が、受ける方としまして
は一番形としてとりやすいというところはございます。
○議長　先生方、なければ私の方がどんどんお聴きすることにしますが、いかがですか。
○Ａ委員　田崎さんにお伺いしたいんですが、ガイドラインの１ページに業種、業態、規
模、立地云々と書かれておられますが、この中で小売店の業種、業態の違いを考慮すると
いうことについて田崎さんの御見解といいますか、聞かせていただきたいんですが。
○田崎氏　この部分は大変大きなポイントだと思うんですけれども、どうしてもワンストッ
プショッピングではありませんけれども、滞留時間が長いショッピングの形態もあるわけ
です。そういうところというのは、どうしても駐車場の台数の問題とか、そういう問題が
ありますし、我々みたいなディスカウンターの場合、買う目的がはっきりしているという
中では大変滞留時間は短い回転をするという中で、それは設定の仕方が違うのではないか
という気がします。そういうところで、この業種、業態というところを表示させていただ
いたということです。
○議長　ほかにいかがですか。
○Ｂ委員　先ほど岡田会長のお話で、なぜ1,000平米以上が今回の規制対象になるかよく
理解できないというお話がございましたが、大立地法で既に1,000平米以上の規模をここ
で環境基準の指導をする規模として一応決まっているわけですよね。それを否定されてお
られるのか、もっと別の数字をおっしゃっておられるのか、そこら辺をちょっとお尋ねし
たいんですが。
○岡田氏　もともと反対なんです、私は。物品販売業だけするのは士農工商と違うかって、
私は文句言っているんですから。いまだにそういう概念と違うかということでね。反対な
んですね。反対なんですが、そういうことと同時に、そういうことも十分考慮の上でこの
立地法を考えていただきたい。そうでありませんと、一般の、私も商店連合会の会長もやっ
たこともあるんですが、商店街の人たちというのは、大体みんな大店法のような解釈をま
だ持っているんですね。だからその辺を明快に公布のときにやっていただく必要があると
思います。そういたしませんと、いろんな問題、派生的な問題がそれで起こる可能性があ
ると思っています。
○Ｃ委員　田崎社長にお伺いしたいんですが、ガイドラインを超える地方自治体の上積み
規制、条例、指導は行わないようにという御指摘なんですが、お気持ちはよくわかります。
ただ、自治体の事情というのは、恐らく地理的にも随分違いますね。これをすべて排除し
ようと思うと、マトリックスがやけに複雑になって、かえって混乱が生じないかという心
配をこちらは持っているんですが、その点について……。
○田崎氏　私どもで考えつく範囲のことでわかりませんけれども、委員の皆さんは十分こ
れだけのものをお考えになって、多分明快なクリアな答えを出していただけるんだろうと
思ってこういう提示の仕方を逆にしたというのがいきさつでございまして、言われるとお
り、いろんな条件を入れていくとかなり複雑なマトリックスができ上がるという考えもあ
りますし、逆に言えばそういう複雑なことは理解しづらいという結果になるというところ
は我々も理解します。ただ、常に私どもが思っているのは、常識の範囲の話ができるかど
うかというところが一番のポイントであって、常識外の話をされること自体を望まない。
ですから、常識の範疇で受ける方も出店側も話ができるというところで何かの線決め、基
準を明確にしていただきたいというのが我々サイドのお願いということでございます。
○議長　ディーフェンバックさんに私の方からお伺いしたいんですが、今回の大店立地法
が出店規制と見受けられる可能性があるとおっしゃる。大型店が出ていくときに、地域と
の何らかの調整が必要です。これが法律化されているか、それともその場でするかは別に
して。そこでちょっとお聞したいんですけれど、こういう問題をアメリカではどういうふ
うにしてなされているか。一応私たちも調べてはいるんですけれども、確認のため、お伺
いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○ディーフェンバック氏　御承知のようにアメリカ合衆国は非常に大きいので、まずこう
いった開発の規制というのは州レベル、または市レベルで行われます。ですから、法律に
明文化されたとしてもそのレベルであって、連邦政府のレベルでは環境問題だけが大きな
問題点となります。
　日本と比べれまして、市、町のレベルのニーズに合わせて、都市づくり、そしてディベ
ロッパーの提案を受け入れていくか、いかないかという話をするのが一般公開されて、公
にされていくという意味で非常に違いがあると思います。また、反対意見があったとして
も、公の場で意見を闘わせていくということをモットーとしています。
　それから、もう一つアメリカと一番大きな違いというのは、裁判所を極めて通常に使う
ということです。ですから、何か意見の食い違い、利害の食い違いがあった場合はコート
に行って調整を求めるということを頻繁に行います。
○議長　サンキュー。
　いろいろお聞きしたいこともあるんですけれど、次のヒアリングが迫っていますので、
一応これで出店者側からのヒアリングは終わりたいと思います。お忙しいところ皆さんど
うもありがとうございました。


　　　　　　　　　　　　　 消費者代表からのヒアリング

○議長　続きまして、消費者代表からのヒアリングを始めたいと思います。
　本日は、２団体の代表の方々の御出席です。委員から向かって左側から御紹介申し上げ
ます。
　日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の三村副会長でいらっしゃいます。よ
ろしくお願いします。
　それから、主婦連合会の吉岡事務局長でいらっしゃいます。よろしくお願いします。
　きょうは、お二方お忙しいところを出席していただきましてありがとうございます。
　本日のヒアリングの趣旨は、御承知のとおり、大店立地法の指針をつくるに当たり、そ
の参考とするために、我々現場でのお考えのことをよくお聞きしたい。今回のヒアリング
の視点は二つの視点があるわけです。一つは、どういう項目を大店立地法で扱ったらいい
かという「幅」の問題。それぞれの項目において規制をどの程度したらいいのかというそ
の「深さ」の問題。この２点から皆様方のお考え、あるいは現場での経験、あるいはこれ
から経験しそうなことについてお話をしていただきたいと思います。
　それでは、まず日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の三村副会長、よろし
くお願いしたいと思います。
○三村氏　いただいた予定時間は５分ですか。
○議長　はい。
○三村氏　私どもは、消費生活アドバイザーと消費生活コンサルタントで組織している団
体でございます。消費生活アドバイザーは一般的に企業の方から消費者側に手を投げてい
るという形をとっております。企業と消費者のかけ橋という役割を果たしておりまして、
消費生活コンサルタントは消費者の知恵袋的な活動をしている。消費者側に寄った人間の
集団だというふうにお考えいただいて結構でございます。
　私が持ってまいりましたレジュメに７項目書いてあります。５分でしゃべるのはちょっ
と大変なんですが。
　今回の立地法は、出店規制のためにあるのではなくて、住民や生活者の共存のためにあ
るんだというふうに私は考えておりまして、それは間違ってはいないと思っているんです
が、自治体の多くは、環境についての条例等を持っている場合がありますので、条例を盾
にして出店規制が起こることがないように、住民、生活者がこの法律をもとに監視してい
く必要があるのではないかと思っております。そのために、出店規制にならないような指
針をきちんとつくっていただくことが必要で、私は高いところを画する枠をつくるよりも、
低いところを画する枠をつくっていただきたい。その枠のレベル、下を画する線を上げて
いただくという形でつくっていただかないと、余り高いところにつくってしまうと、うち
はもうこれでいいんだという形になってしまっても困るし、下につくった場合に、下の規
制値が余り低いと、消費者側から見て我慢できないというような形になるのも困るので、
できる限り高いところで下限値をつくっていただいて、上はどんどん高くてもいいという
形にしていただきたい。消費者としてはそういう考え方を持っております。
　それから、住んでいる住民、生活者等からの開示の要求があったときにはいつでも開示
できるような形で御自分のところの状況を出せるように書面をもちろん確保して、開示で
きるという形にしていただきたいと思います。これはＩＳＯの場合等書面というのは当た
り前だと思いますので、いつでも開示できるという指針にそれを入れていただきたい。
　次に、消費者が望む店というのは、今さら言うことでもないんですが、今回は便利で品
ぞろえが豊富とか、価格が安いというようなことの上に、さらに住民が安心して住める環
境を壊さないことが新たに追加されていくということになっております。
　私は、この前、審議会のときにちょっと言いましたけれども、埼玉県の日高市で10年
置きぐらいに３回実態調査をさせていただきました。初めは全くお店がなくて、スーパー
というのは１軒ぐらいしかないような状態のときから、消費者は、例えばスーパーが欲し
い。一番欲しいのはスーパー。次に、喫茶店が欲しい。喫茶店も１軒もなかったんですね。
で、喫茶店が欲しいというお話がありました。それから、手づくりパン屋が欲しいという
話がありまして、それは要求として報告書が出たところ、ぽつぽつと充実されて、３回目
の調査のときにはスーパーが何店舗も出店しているという状況になりました。その中で消
費者が一番挙げていたのは、やはり近くて便利というのを一番に挙げていたんですね。品
ぞろえが豊富な店は近くて便利な店にはないので、どうしても必要なものがいる時は市外
に出ていく。日高市を取り巻いている市が幾つかあるんですけれど、そちらに出ていくと
いう状況でした。それがスーパーができて、多くが自分の町内で買い物をするという形に
変わってきているんですね。そういう中で、最後に、あなたは日高市に住んでいて、どん
な色を自分の町に描きますかということで幾つかの色を挙げで選んでいただくと、住民が
選ぶ色というのは、これは環境ばっかりではないし、お店ばっかりのことではないと思う
んですが、割合暗い色を選ぶんですね。日高町が日高市になった直後ぐらいでしたから、
無理ないなあという感じでしたけれども、生活者の声というのは徐々に充実されてきてい
るということがよくわかりました。
　それから、出店する店があることは生活者にとっては大変ありがたいことなんですが、
道の幅だとかごみの処理の方法など、こういうことがきちっと計画されていない状態でお
店が出てしまうということは、これは消費者にとっては、お店が近くにあって便利だけれ
ども、逆に被害をこうむることにもなりかねないということもこれらの調査でもよくわか
りました。
　それから、これからの出店のあり方には生活者が参加すること。これは絶対に不可欠だ
と思います。それで住民が何らかの形で参加できるように、わかりやすい解説書をぜひつ
くっていただきたい。私、実は私の会の人たち25人ぐらいの人に電話だとか会ったりし
ていろいろ意見を求めたんですが、自分が地域の意見調整の委員をやっているとか、ある
いは審議会の委員をやっているという人はこの三つの法律のことは十分によく勉強してい
るんですが、多くの、うちの会員さんのような消費者問題の専門家と言われている人です
らも、この三つの法律のかかわりも全くわかっていないということがよくわかりました。
これでは一般の市民、住民の人たちの声を聞こうといっても無理ではないか。そのために
何をしたらいいのかということを考えていただきたい。私は、去年の12月24日だったか
５日に行われました最後の審議会のときに消費者の声を即に挙げられるホットラインをつ
くってほしいということを言った覚えがあるんですが、何らかの形でホットラインという
のが必要なのではないかと思います。
　相談の現場にいる消費者がたくさんいるんですが、そういう場合でも相談の現場にいる
人というのは、相談に出てきそうな法律は変わったら即集めるんですが、この場合は即生
活に直結しているとは言いながらも、被害になることが余りないので、直接法律が変わっ
たからといって、機会があったら、あるいは自分の身に何か問題があったら考えようとい
うような感じで、法律が新しくできたり、変わったりしたことは知っていると言っている
んですが、深く中まで検討したことがないという人がほとんどでして、いささかびっくり
いたしました。
　それから、できれば、今のお話の中で、私どものような専門家向けでなくていいですか
ら、漫画の入ったような形のもので構いませんが、市町村の、普通に住んでいる住民の人
たちが自分たちがこれからどうかかわっていくかということがわかるような、特に都市計
画法のような難しいものについてはぜひ解説書をつくっていただくことが消費者にとって
は先決できないかと思います。
　それから、市町村はいろんな消費者の声を吸収するということですが、今申し上げたよ
うに、消費者が育っていない状況の中で、消費者は重要な立場にいますよと言ってもとて
も難しい話ですので、４番目に書きました何らかの形で消費者参加の意見聴取会議ができ
るという形での、公示をして、そして意見は言えるといっても、ただただ公示をして意見
を言ってくださいといって、消費者が意見を言うとは思えないんですね。本当に何が必要
だから求めているんだという形は、本当に必要な人を集めたところで意見を聞いていただ
ければ必ず言うと思いますので、何らかの形でそれが開催できるような指針が入ったらあ
りがたいと思います。
　新しい法律の３法の使い方で出店規制にもなりかねない。でも、それは消費者がチェッ
クできるという重要な役割を消費者は担っているわけですから、異常を感じたら消費生活
センターへ苦情を言えるとか、そういうシステムづくりも絶対に必要で、先ほど申し上げ
ましたホットラインが必要ではないかと思います。
　それから、最後に、企業、消費者の意見や考え方が双方向で交換できるシステムがあっ
たらいいなと思っております。これは双方向のシステムといったらパソコンしかないのか
もしれませんが、それぞれの意見がいつでもたたけるというような形での双方向の意見を
どこかがストックして出していけるというようなパソコンネットが組めたらそれはありが
たいことではないかと思います。一方的に企業の情報だけとっていても、企業さんは情報
を出してくださらないと思うので、消費者側がこう考えるという情報を返していけるよう
な双方向ということを申し上げております。
　もう一つ、その他のところで書いてきたので、せっかくだから申し上げたいんですが、
ただいまその他のところで私はこれを言うのがいいのかどうかわかりませんが、省エネ時
代という時代を迎えて、今、炭酸ガスの排出を規制されている。原子力は嫌だという住民
投票が出ているという中で、消費者にできることといったら本当に小さい省エネしかがで
きないんですね。省エネ機器を買うというのも消費者にできることかもしれませんが、本
当に小さい省エネしかできない中で、お店がどんどん24時間開店しているというような
方向で、夜にシフトしているということが本当にエネルギー、炭酸ガスの排出に悪い影響
を与えていないんだろうかということを私は懸念しております。自家発電か何かでクリー
ンエネルギーを使っているんだという主張がはっきり出てくるんでしたら、それは私とし
ては反論する余地はないんですが、現実に原子力が減ってきている中で、化石燃料を使わ
れているという今の時代に、夜遅くまで電気を使っているということは、電気の設備投資
をしたものを満杯に使っているんだから問題がないということではないというふうに私は
思っておりますし、周りの住民の対する、あるいは子供たちに対する教育としても夜遅く
まであれだけこうこうと電気をつけていることがいいのかどうかということも考えていた
だきたいと思います。
　それから、一つ苦情として出てきていたことなんですが、余り大きくない二種の店舗で
したけれども、その店舗のわきのマンションに住んでいる方からの苦情で、日曜日は窓を
あけてられない。車はみんな前向きに駐車するように指示があるから、前向きに駐車して
くれるんだけれども、駐車場のわきに住んでいるので、日曜日は窓があけられないぐらい
排気ガスがすごいということで、何とかならないだろうという苦情が消費生活センターの
苦情に入ってまいりました。
　それから、これはホームセンターでしたけれども、道路の交通が多くて、出口に向かっ
ても出られない。だれも誘導してくれないので出られない。こういうことは何とかならな
いんでしょうかという相談も入ってきました。
　それから、もう一つスーパーさんの生ごみが夕方になると異臭を放つので、こんなこと
だったらそばに住んでいたくない、引っ越したいぐらいだというような話と、あわせても
う一つ自転車をなるべく入り口の近くに置く消費者の方がいらして、これは完全に消費者
のエゴなんですが、規制をしないと、そのためにかえって道が狭くなって危険だという、
これも苦情で入ってきたことです。
　以上です。
○議長　ありがとうございました。
　吉岡さん、よろしく。省エネタイプでお話をお願いしたいと思います。
○吉岡氏　ペーパーをお出してございますけれど、前段はカットさせていただきます。
　それから、ワープロの悪いところで、「だけ」というのが「抱」いちゃっていますので、
平仮名に直してください。
　立地法の指針作成に当たっての意見を聞きたいという、そういうお話だったんですけれ
ど、用意したものは少しはみ出しているか、周辺の方が多いのかなと思いますけれども、
意図するところをお酌み取りいただければと思います。
　一応三つに分けまして、一つは、住民の意見をどうやって聞いて反映させるのかという
こと、それから生活環境への問題、その他と分けてみました。
　三村さんと大分ダブるところがあると思うんですけれど、立地法の場合には大型店の出
店だけではなくて、街づくりをどうするかという、そういう視点が入ってまいります。そ
ういう意味では、公共施設、文化施設、病院、道路、下水道など、生活全般にかかわる問
題とも関係が出てくる。そういう中でどういう街を住民が望むのかということになります
と、かなり住民の中でも個人差が出てくる問題だと思います。やはり個人差のある問題を
まとめていくということですから、地位住民の意向を公平にどうやって酌み取るかという
ことが非常に大切になってくると思います。現大店法でも意向を聞くというようなことを
やっておりますけれども、その場合に、その構成員がどういう立場の人なのか、その辺の
ところが必ずしも公平ではないのではないかというような声が間々聞かれます。そういう
意味から言うと、公平性をいかにとるかという配慮の仕方が大切だと思うんですけれども、
それと同時に、そのメンバーを公開するということで住民チェックができるという、そう
いうことが必要になってくるかなと思います。ただ、これは協議会等の方式をとった場合
ですけれども、そういう注意が必要じゃないかと思います。
　それから、最近はやりのパブリックコメントを求めるとか、あるいは従来からある公聴
会制度等の利用ということも考えられますけれども、これも三村さんがおっしゃいました
けれど、一般の市民対象に意見を聞こうという場合に、関心がないとなかなか参加しない
という問題があります。今でも東京近辺の場合ですと、出店者からファクスだとかいろい
ろな形で出店予定の通知がまいります。その地域に住んでいる人にこういうお店が出るよ
うだから、意見があったら行って聞くようにと言いましても、その日は忙しいとか何とか
ということで、なかなか時間の都合がつけられない。あるいはそれは関心が薄いからでは
ないかと思うんですけれども、そういう問題があります。ですから、広く意見を聞くとい
う場合に、その手法をよほど工夫しなければいけないのではないかと思います。
　それから、今回の場合には都道府県で所管することになりますけれども、やはりどうし
ても影響が他府県に及ぶような大型の場合が最近の出店では多くなってきております。そ
れから、県境に近いところ、そういうところで出ますと、出店しようとしている県の住民
には余り関係がないけれど、隣の県の住民には影響があるという、そういう場合がありま
す。地方自治体で決定するんですけれども、その影響によっては少し広げて考えるという
自治体間での意見調整ができるような仕組みにする必要があるのではないかと思います。
　それから、今も公告をしているわけですけれども、意見の開示をして、それでさらに一
般の人から意見を言えるという、そういうことが必要だと思います。そのためには、公告
の方法ですけれども、官報に載せるとか、あるいは庁舎に張っておくとか、そういうよう
な形ではほとんど関係者以外は無関心なままに時間が過ぎてしまう。そういうことになり
ますので、この辺も工夫をしていただきたいと思います。
　それから、次が生活環境ですけれども、まず交通問題です。これは騒音の問題、駐輪場
の問題、駐車場の問題、周辺道路への迷惑、駐車場があくの待っている車が特に休日等多
くなります。そういうことで、大体待っている人はエンジンかけっ放しという状態でいら
いらしながら待っている。そういうことになりますので、誘導員を置くとか、あるいは十
分な駐車スペースを確保するとか、そういうことを考えていかないと、周辺住民からのク
レームになるということで、詳細は三村さんがいろいろおっしゃったので、カットさせて
いただきます。
　それから、これは生活環境というより、環境汚染とかそういうような感じの環境ですけ
れども、大気汚染の問題、ＣＯ2 の問題、あるいはＮＯ2 の問題等がかなりあります。
荷物を運んでくるトラック等はディーゼルが多いですから、どうしてもＮＯ2 が多くな
るという問題があります。そういう意味では配送させる時間の刻み方とか、そういうこと
を考えていただくとか、それからアイドリングストップ、これを義務づけるとか、特に荷
物の配送の場合ですけれど、そういうことが必要だということと、店周辺の清掃、これも
必要です。それから、周辺に自販機が乱立するという、これは店が閉まっていても営業し
てくれますから魅力があるわけですけれども、自販機の場合にはかなりの電力を使います。
そういう意味では乱立を避けるというような周辺環境の問題の配慮が必要だと思います。
ただ、これは指針作成のところではちょっとはみ出しているのではないかと思います。
　それから、高齢者、障害者、車を持たない人などの弱者対策。これも考えなければいけ
ない。その一つとしては、活性化法による市街地区域の活性化ということでバックアップ
していくということも重要だと思いますけれども、空洞化してしまったような場合に、お
年寄りや体の不自由な方にどうやって援助するのか、この辺のところも出店する側の一つ
の方法として、例えば配達をするとか、送迎を考えるとか、そういうことも必要だろうと
思っております。これも今回のあれからははみ出している問題だとは思いますけれども、
配慮が必要だということで書いておきました。
　それから、不採算店舗の撤退ですけれど、これはかなりあちこちで起こっております。
景気がこういう状態ですから、どうしても採算が合わない店は撤退せざるを得ないという
ことになっているようですけれども、何か少し出店が多過ぎて、とにかく出しておこうと
いうことが多くて、開店してから、短期間はかなりお客が来るんですけれども、その後、
途絶えてしまう。そういうふうになってくるというのが結構出ております。どうしても競
争が激しくなれば当然のことなんですけれども、そういう問題で徹退せざるを得ないとい
う、そこはわかるんですけれども、空洞化してしまってから撤退されると、住民は非常に
不便を強いられる。そういうことになりますので、撤退についてもルールを考える必要が
あるのではないかと思います。
　その他ですけれど、従業員の働く環境にも配慮が必要と書きまして、私どもが、これは
店舗対策にとったアンケートなんですけれども、私どもの機関紙に載せたものを部分的に
切り抜きましてコピーいたしましたので、働く人といってもパートや何かで主婦が多いわ
けですけれど、そういうところにも時間が延びるというようなことでしわ寄せがきている。
従業員にしわ寄せをしてまで営業した効果が本当にあるのかなというようにも思いまして、
つけ加えておきました。これは後でお時間があったらお読みください。
　以上です。
○議長　どうもありがとうございました。
　お二方ともかなり豊富な情報を御提供いただきましたので、質問の時間がどのくらいと
れるかわかりませんけれど、まず私からずばり質問したいと思いますが、消費者側から見
まして、現在大店立地法で少なくともこういう項目は入れたいというのがごみ、交通、そ
れから騒音なんですね。そのほかにどういう項目を入れてほしいか、入れるべきか、ここ
についてずばりおっしゃっていただきたいと思うんですが、
○吉岡氏　ごみと騒音と交通……。
○議長　はい。余り無理して考えられても困るんですが。
○吉岡氏　交通の中にも入ると思いますけれど、今ちょっと申し上げました大気汚染。そ
れで配送の時間が夜になるとか、そういうことになると騒音問題もありますので、搬入の
ための時間規制。これは必要だと思います。それから、営業時間も無制限に延びるという、
そういうこと、これも規制は難しいのかもしれませんけれども、無制限に延びるというこ
とはやはり周辺住民にとっては騒音、あるいは子供の教育、そういうような面から好まし
くないということがあります。
○議長　三村さん、いかがでしょうか。
○三村氏　無理に考えるなという話なので、余り考えたくないけれど、私は先ほど申し上
げた大気汚染、今おっしゃられましたけれど、その問題は、例えば意見聴取会議なんかで
ごみは絶対内部で処理するなとか、もう一つ、ダイオキシンを出すようなものは売るなと
か、そういうことを意見聴取会議で消費者が言う時代になってきているんですよね。だか
ら、そのその辺のところからいくと、やはり一番気にしているのはそこではないかという
気がしますので、大気汚染というのを入れていただきたいですね。
　それから、無理して言えば先ほどの省エネ問題もあると思います。
○Ｂ委員　１点だけ、吉岡さんのお話の中で、大型店出店を街づくりで対処してはとおっ
しゃったと思うんですけれど、何か具体的なイメージはどういう感じでしょうか。
○吉岡氏　これも住民がどう考えるかというのが基本にあると思うんですけれども、やは
りゾーニングなどを考えていく必要があるのではないかなと思っています。
○議長　ほかの先生方、ないでしょうか。
　いろいろあるんですけれども、時間も迫っていますので、消費者関係者からのヒアリン
グはこれで終わりたいと思います。
　どうもありがとうございました。


　　　　　　　　　　　　　　労働組合からのヒアリング

○議長　続きまして、労働組合からのヒアリングを始めたいと思います。
　本日は、２団体の代表の方々が御出席しております。
　日本商業労働組合の南雲会長でいらっしゃいます。
　それから、ゼンセン同盟の網代副会長でいらっしゃいます。
　お二方、お忙しいところを当ヒアリングに参加していただきましてありがとうございま
す。改めてお礼申し上げます。
　今回は、大店立地法の指針作成に当たり、大店立地法でどういう項目を扱えばいいか
「幅」の問題、おのおのの項目の中でどれだけ深く規制をしていったらいいのか、の「深
さ」の問題、この二つに分かれますが、この二つについて労働組合のお立場から御意見、
あるいは事実をもってこうした方がいいんじゃないかということがありましたらお願いし
たいと思います。
　それでは、始めたいと思いますが、まず商業労連の南雲さんよりお話しいただきたいと
思います。
　それから、委員の先生方にちょっとお願いですが、南雲さんが少しお早目に帰られます
ので、質問するときには最初に南雲さんの方から質問していただきたいと思いますので、
よろしくお願いします。
　では、よろしくお願いします。
○南雲氏　おはようございます。きょうはこのような大変重要な会議に労働組合の立場で
発言する機会をつくっていただきまして心から感謝申し上げたいと思います。
　既にこの立地法、あるいは他の３法と言われるものについても審議会の中で十分発言さ
せていただきましたので、改めて言うこともないかと思いますけれども、指針づくりとい
うことでございますので、その後、労働組合で検討した内容について、皆さん方の指針の
策定に当たって御参考にしていただければということでポイントだけ申し上げたいと思い
ます。
　大きなポイントは三つございまして、一つは、指針で取り上げるべき具体的な事項、こ
れを明確にしていただきたい。二つ目は、指針の中で配慮を求めるべき事項。そして、い
つも行政の中で問題になりますのは、運用ですね。運用に関して検討すべき事項。この３
点に絞って発言をさせていただきます。
　冒頭申し上げましたように、何といっても今回の大店立地法は従来の大規模小売店舗法
とは全く違うということであります。何をもってするかというのは審議会でも議論されま
したが、やはり住民の声を十分聞いて、環境であるとか、あるいは住民の利便性であると
か、あるいは街づくりであるとか、そういうものを配慮した形で指針を策定すべきだとい
うことについては既に法律で定められているわけでありまして、それを原点にいたしまし
て、まず指針で取り上げるべき事項でございますが、お手元に配付しましたように、私は
二つ申し上げたいと思います。
　一つは、住民という表現ですが、法律、あるいは国会の審議の中でも、例えば商工会議
所であるとか、いろんな意見を求めると、具体的な団体名も挙げているわけですが、やは
りそこに働く立場の人の発言を求めるべきだと思っています。とりわけ働く立場でいきま
すと、今の労使関係、労働基準法の改正でも労使の合意に基づいて深夜勤務であるとかそ
ういうのを定めるとなっているわけですから、そういう意味でそこの出店すべき事業に働
く者の立場をぜひ尊重するように指針の中で明確にしていただきたいと思います。
　それから、二つ目は、指針で取り上げるべき事項の中で環境、騒音、駐車場といった代
表的な例があると思いますけれども、ただ、この場合に「幅」の論議なのか、あるいは
「深さ」の問題かということになりますと、私はどちらかというと、「深さ」の問題を重
視すべきであって、「幅」はある意味では他の関係法令がございますから、その中で定め
られているわけですから、それとのバッティングが必ず出てきますので、他の定められる
法令との関係がございますから、「幅」はその範囲にして、むしろ大規模な小売店に対し
てどうするのかという「深さ」の問題を指針の中で明らかにすべきだと思っております。
　それから、その中にあっても、やはり一つの商業ということを考えますと、立地である
とか、業種、業態、規模の大中小によってさまざま違うわけですから、業を営む立場のこ
とを考えますと、それぞれの業や立地や規模に応じて指針の中で明確にしておく。それを
一塊にして一つの指針をつくりますと、労働運動と同じで、平均賃上げというと該当する
ものはどこにもいないということですから、やはり最低はこれだというふうに定めて、そ
してそれぞれ最終的には市町村、県レベルでそれに基づいて判断をしていくというのがい
いのではないかと思います。
　それから、大きな二つ目ですが、指針の中で配慮を求める事項でございます。この中で
も二つ申し上げたいと思います。
　一つは、なかなか指針に書くことは難しいと思いますが、最近元日営業、あるいは労働
法の改正に伴って女性の深夜勤務、もちろん幾つか保護規定はありますが、やはり日本の
将来、2020年以降のことを考えますと、やがて撤退の問題が大きな社会問題になってい
くだろうと思っています。右肩上がりの場合には出店がある程度中小小売商に与える影響
が大きいということで調整法として機能しましたけれども、やがて時代の流れは人口が減っ
ていくということを考えますと、撤退というものを一つの視野に入れますと、やはり秩序
ある街の発展、あるいは産業の発展、あるいは国際基準に照らしてどうかということを考
えますと、元日や深夜営業については一定の住民の声を聞きながら歯どめをかけていくと
いうことが重要ではないか。
　なぜそんなことを強調するかと申しますと、多くの国民は、土日、祝日、あるいは年末
年始にかけて休んでいるわけですね。そういう意味で考えますと、祝日はふえる。土日に
は休めないという産業の特性がございますから、せめて元日や深夜勤務については一定の
歯どめをかけてもそんなに消費者の利便を害するということにはなりませんし、長い目で
見れば省エネの問題にもつながるでしょうし、あるいは日本の文化を守るということにも
つながっていく。そして町の人々がともに楽しみ、ともに喜び合い、ともに生きるという
新しい街が形成されていく。そして、街の中には子供たちもお年寄りも同時に道を行き交
う姿が見えてくるのが少子高齢社会の街づくりの視点で重要だと思っています。
　二つ目は、駐車場の場合について、やや既存店との問題が出てくると思います。既存店
が増床するときに、余り事業主に過度な負担を要求しますと、土地の買収その他にコスト
がかかりますので、むしろ既存店については商店街全体の発展のために少し離れたところ
に設けることも可能な形にしませんと、その店だけの駐車場を拡大するということは困難
でございます。商業全体、街全体のことを考えて、少し離れたところでもそれは所有した
ことにしてほしいという点であります。
　それから、最後の３番目の運用に関して検討すべき事項でありますが、従来の大店法と
違いまして、休業日数、開店時間、閉店時刻は、調査といいますか、どういう形で営業す
るのかということを見届けるという意味で届け出項目として指針に明らかにすべきだと思っ
ています。従来の大店法はそれによって調整しますが、新法ではこれに調整機能がありま
せんけれども、そうしておきますと、そのことによって今度労使がいつ、店をあけるのか、
何時までにするかという労使協議が入ってきます。ですから、何日に休むということはオー
プンのときは決められませんので、少なくとも日数や閉店時刻、開店時刻について届け出
をさせるということであります。これはまさに労働組合の働く立場の視点からは極めて重
要だと思っています。シフト勤務もあるでしょう。交代休日もあるでしょう。まさに現実
も今は１日はどこかで休む。１日は交代でお互いに休み合う。こういう週休２日制になっ
ていますので、ぜひそれらの社会的なルールである労働時間に配慮した届け出を強調した
いと思います。
　二つ目は、都道府県や現在の市町村にいろんな意味の条例や要綱がございます。これは
今回の指針ができ上がりましたら、それに基づいて１回調査をして、それを超えるような
ものについてはすべて廃案にする。他人のことですから、余り言えないんですが、それぐ
らいの強力な行政指導をしていかなければ、それは残していく、指針はこうだというふう
になりますと、既存店と新店との競争の不公平感が出ますので、ぜひそういうことを努力
していただきたいと思います。
　それから、三つ目は、街づくりの視点が今回の大店舗立地法、あるいは市街地再活性化、
さらには都市計画の中で強調されておりますので、ぜひ連檐性、回遊性等の視点からこの
諸計画を阻害しないように、例えば都市計画、あるいは商業発展計画、街の発展計画、そ
ういうものとの整合性をぜひ注意させて、総合的な街の開発を行っていく。そういうふう
にしていただきたいと思います。私が言っていますのは、中心市街地と郊外、これも大き
な意味の全体の都市計画という意味ですから、中心市街地がだめになるので、郊外に出店
は許さないという意味ではありません。郊外も含めた全体の中で、おらが住んでいる街を
どうするかということの計画に基づいて指針の中身を明らかにするということです。
　最後であります。４番目としまして、今回の新しい法に移っていくときに、旧法との関
係の中で移行に少し問題が出る可能性がございます。そういう意味ではできるだけ出店不
可能期間を最小限にとどめるようにしていただきたいと思います。と申しますのは、今回
の出店に当たっても各省庁にまたがっていますね。貴省庁であります通産省、そして自治
省、それから国土庁とありますけれども、私どもも審議会の過程の中で自治省や国土庁や
建設省を訪問しましたけれども、これを縦割りですべて判断するのではなくて、総合的に
主体的な判断をどこが持つのか。私はどこというと、通産省に来たから通産省と言ったよ
うに聞こえてもまずいんですけれど、例えば通産省なら通産省が各省庁にまたがっている
この法律に基づくものはそこでコントロールをするということをぜひしていただきたいと
思います。
　なお細かくはそれぞれ事例を入れて書いてございますので、御参照いただければと思い
ます。
　以上であります。
○議長　どうもありがとうございました。
　続きまして、ゼンセン同盟の網代副会長、よろしくお願いします。
○網代氏　おはようございます。お渡しいたしましたメモに沿ってお話をさせていただき
たいと思います。
　まず、審査項目につきましては、法の８条及び４条に明記された範囲内で立地や規模等
による基準を定量化、数値化すべきであるということで、まず一つは、項目については騒
音、環境、交通渋滞、利便性、その範囲内で、それ以上のものは入れないということで、
そしてまた騒音、環境、交通渋滞という問題は既に守るべき最低基準のようなものがそれ
ぞれの管轄省庁から出されているというか、現在の出店のときでもありますから、その守
るべき最低基準から１割なのか、２割なのか、どこまで最低基準をクリアして、そこが目
標数値になるのかということを物理的と言ったらおかしいですが、今ある最低基準がどう
いう計算方法によって今根拠づけされているのか。その根拠づけを見れば、あとどれぐら
いを目標数値にするべきなのかというようなことが、私は素人ながらそれぐらいを調べれ
ばわかるのではないかなという気がしまして、今ある最低基準を基準にして、どれだけ上
積みするのかとようなことで数値化されるべきだ。そして、それも全国一律じゃなくて、
それぞれの場所とか環境、周辺の状況によって、これはまた等級をつけるといいますか、
分けて、それぞれある程度のグルーピングをして決めるべきだろうと思っております。
　利便性というのは今のところほかのあれにはないのではないかなと思いますが、利便性
はまさにさっき言いました立地だとか何だとかいうよりも、連檐性、回遊性というか、だ
れが見てもここにさくをつくっちゃいけないなとか、入り口をつくるべきだなというよう
な、その辺の程度で、これは数値化できるかどうかわかりませんから、これは文字で書く
しかないわけですから、ともかく限定すべきで、やってはいけないことは――そこまで書
けるかどうかわかりませんが、やるべきことだけに集中させるべきだと思っています。
　それから、地元住民の意見聴取。これは十分やられると思うんですけれども、この辺に
ついてもできるだけ各市町村で、あるいは地方自治体で工夫を凝らしていただきたいとい
う希望があります。
　続きまして、街づくりがこの法の附帯決議でついているわけですが、もともと第１条、
あるいは法の名前で言う立地法という立地というのが随分拡大解釈されているのではない
か。むしろ立地というよりも、設置というか、出店というか、その辺に限定されるわけで
あって、立地というと何かしら他の商業集積との関係でそこはだめと、何かゾーニング規
制のようにとられてしまうのではないか。そう書いてあるのかどうかよくわりませんが、
私はゾーニング規制はこの法律ではしないと思っておりますから、立地という言葉がどう
も拡大解釈されているので、その辺も少し限定をして、説明をつけるべきではないかなと
いう気がします。
　それから、街づくりそのものについては他の２法にのっとってやるべきであって、この
商業立地法の中で入れるべきではないのではないか。外に放り出してしまうというんです
か、そういう概念でいった方がいいのではないかと思います。
　ですから、これから先はあんまり関係ないかもわかりませんが、しかし、３番にも書い
てありますように、これから御承知のように中央集権から地方分権、地方分権から民間分
権というふうに進んでいかなければ、山積されている問題が解決できないと私たちは思っ
ておりますから、地域で恒常的に自分たちの地域の産業はどうするんだというか、地域産
業政策というか、あるいは地域で我々のいき方をどうするんだというか、生活ビジョンと
いうんですか、そういうものを各地方自治体で策定するプロセスの中でこういった問題も
本当の住民参加でやっていけるような仕組みをこれからつくっていかなければならないの
ではないか。これは大変な実験ではあると思いますけれども、何も通産管轄だけではなく
て、すべて、街づくりといいますか、国づくりという観点からそういうことを考えていか
なければらないと思います。したがって、街づくりというか、ゾーニング規制というよう
な感じのものは本当は外に出した方がいいんですが、しかし、附帯決議にありますので、
多少は工夫しなければならないでしょうけれども、この審査項目の中に入れるべきではな
いというふうに思います。
　３番はそういった受け皿づくり。その中でさっき南雲さんから言われましたような営業
時間だとか元亘営業だとか、あるいはどういうようなイベントをするんだとかいろんな問
題についてここでじっくりと話し合ってもらって、自分たちの商業集積の応援団みたいな
形でその機関が動いていくようなことがいいのではないかと思っております。
　それから、４番目は、さっき南雲さんも申されましたけれども、とにかくいろいろと出
店に関しましてはあります。これを一々別々に審査を受け、手続をするということであれ
ば大変なむだになりますから、ぜひこれは一本化してもらって、重複のないように、そし
てまたそれぞれの結論が異なって、一体どっちをとっていいんだ、どっちをどうして調整
してくれるんだというようなことになれば、これはまたややこしい話になりますから、そ
こでできる限り調整をしてもらって、重複、あるいは食い違いといいますか、結果の違い
というものが出ないようにひとつこれは地方自治体の長に徹底的に御指導いただきたいと
いうか、そういうような仕組みで全体が進んでいくべきだろうと思います。
　あと、５番はそこに記載されたとおりであります。
　６番につきましては、いろいろな改善指導に対してすごいコストがかかりますので、こ
れも何でもかんでも大型店設置者ということではなくて、常識の範囲内というか、これは
地方自治体が負担するべきだとか、あるいは半々にするべきだというようなことを明確に
して、余り過度にならないように配慮されるべきではないか。
　それから、駐車・駐輪場ということですが、これは営業時間との関係にありますけれど
も、公共の交通機関がなくなっている時間に営業しますと、どうしても従業員も自分の車
で通わなければならない。そこで、そういう専用場所がないと、地域の住民の方々に騒音
だとか、交通渋滞とまでいくかどうかわかりませが、深夜の騒音問題等々御迷惑をおかけ
しますので、その辺も設置台数の中に配慮されるべきであろうと思います。
　以上であります。
○議長　どうもありがとうございました。
　先生方の方から御質問等ございませんでしょうか。

　時間も迫っておりますので、お二方の御意見はよくわかりましたので、これからの審議
の過程に生かしていきたいと思います。
　どうもきょうはありがとうございました。


　　　　　　　　　　　　　 地方自治体からのヒアリング

○議長　続きまして、地方自治体からのヒアリングを始めたいと思います。これは前回の
続きでございまして、きょうは全国町村会から御出席いただいております。それでは御紹
介させていただきす。
　全国町村会を代表しまして、神奈川県愛甲郡愛川町の相馬町長でございます。よろしく
お願いします。
　本日は、お忙しいところどうもありがとうございます。
　御承知のとおり大店立地法の指針を作成しておりますので、その作成に当たり、町村会
を代表して御意見等をいただきたいと思っております。論点は二つあると思います。一つ
は大店立地法の中で扱う事項をどの範囲にしたらいいか。一つの事項内にどれほど深く規
制していったらいいか。大体この２点につきまして御見解をお願いしたいと思います。よ
ろしくお願いします。
○相馬氏　神奈川県の中ほどで厚木という市、戦後マッカーサーがおりました飛行場の近
所でありますけれども、中ほどやや北になりますけれども、愛川町という町であります。
町長の相馬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
　私の町は今人口4万3,400余でありまして、面積は34.29平方キロで、比較的面積は小
さい方でありまして、神奈川県央にあります関連で、隣が相模原市、また別の南の方は厚
木市に接しておりまして、昨今都市化の状況が進捗しております。そうした関連で、一時
は毎年人口1,000人ぐらいずつ増加をした例もあるんでありますが、最近５カ年ぐらいは
こうした景気の中で若干人口の方も鈍化をしております。
　商業の状況でありますが、昭和41年に神奈川県の内陸工業団地ができまして、230平
方キロということで、相当大きな県央の内陸工業団地ができました。立地しましたのは中
小企業でありますが、約100社。昭和40年にこの工業団地ができまして、そんな関連で
周辺の都市化が急激に進んだわけであります。かつては第１次産業の町であったのであり
ますが、今は第２次産業の町としまして、２次、３次の占める割合が98％ぐらいになっ
ております。
　小売業におきましても302の事業所、従業者数も1,695人、売り場面積が3万7,239平
米となっております。
　大型店の売り場面積につきましては、本町に立地をしておりますのが６店あります。大
体2,000平米ぐらいの店舗でありますが、昨年、大きなコピオ愛川という店舗であります
けれども、これが立地をしまして、工業専用地域であったのでありますが、この景気の動
向の中である会社が撤退をしまして、その後に立地をしたわけであります。店舗面積が約
１万平米という、相当大きな店舗がくることになったわけであります。
　したがいまして、小売店等の問題もありますが、一番町としまして課題としましたのは、
周辺道路の渋滞問題であります。都市計画法上の道路はそこに完成するという見込みもあ
りましたので、それと競合しないような、大型店に入る新しい道路を設置をするように要
望したわけでありますが、出店の時期もありましたので、なかなか完璧な新しい道路をつ
くるということまでとうとう間に合いませんで、既存の道路を拡幅をした程度でありまし
たので、大変その辺も心配をしたわけでありますが、最終的には３本ぐらいのそこへ入る
道路をうまく誘導することによって、お客さんが入る道路、出ていく道路というのを分け
まして、そんなことでどうやら最終的には混雑の緩和については解決をしたというわけで
あります。
　地方団体としますと、都市計画法上の交通問題、特に道路ですね。それから、この施設、
皆さんの命にかかわることでありますから、これを一番重視しまして協議を進めるわけで
あります。最終的には大体こちらの意見を聞きまして、新設道路まではいかなかったんで
ありますが、拡幅程度の措置、それから歩道をつけるとか、そこに緑化をするとか、植樹
ですね、街路樹を植えるとか、そういったことを含めて最終的には道路問題はどうやら解
決をしたということでありますが、第１番の問題はやはり交通問題であります。
　２番目は、やはり騒音の問題でありますが、これについても周辺に相当住宅がありまし
たので、近隣の方が心配をされまして、一時は反対という意向もあったんでありますが、
別途商店がくるということで利便も図られますので、そういうことになりまして、最終的
にはこの騒音問題も近隣の方との話し合いがついたわけであります。
　ごみの処理の問題も課題にのりましたが、これについてはこん包資材ですとか、残滓と
いいますか、野菜の残ったものですが、そういうものについても企業の方で責任を持つと
いうことになりました。現在においてはこれもトラブルは解消いたしました。
　近隣には住宅もあります関連で、私どもに立地される企業の場合にはテレビ障害なども
近隣の方が心配されるわけでありまして、こうしたことも条件をつけまして、これについ
ても立地前と立地後の影像等の検査をしてもらいまして、これについても２階づくりでし
たから障害ないということで、これは解決をしたわけであります。しかし、これも立地す
るときの条件にはいたしたわけであります。
　それから、店舗の環境問題ですね。店舗の看板ですとか、あるいは案内板などが周辺の
建物に余りマッチしないものであると問題がありますので、色彩、景観などについても周
囲にそぐわないような、特別なものでないような、余り高いものでなく、ひとつお願いを
したわけでありますが、これについても承諾をいただきまして、極端なものではないとい
うことで配慮していただきました。
　問題は、深夜営業ですとか、早朝営業、こうしたことにつきましても大型店の集客力か
ら考えますと、来客される車、あるいは商品等の搬入、そうしたことの騒音など、近隣の
住宅への影響等も考えまして、そうしたことについても配慮するようにという条件をつけ
たわけであります。これについても立地後にはそう大きな近隣からの苦情も町の方には今
入っておりません。
　アミューズメント併設店ですね。これについては青少年への影響などもあるわけであり
まして、こうしたことについても十分配慮するように。こうしたことも条件をつけたわけ
であります。極端な問題もなく、これも一応解決をしたわけであります。
　一般的にも夜間照明なども夜遅くまで余り明るい照明が近隣の住宅へということもあっ
たわけでありますが、これについても一応の規制をしていただきまして、今は周辺からそ
う苦情もなしにまいっております。
　最終的にはどうしても交通問題、これが一番皆さんが懸念されることでありますが、開
店当時は一部トラブルも見受けられましたが、今は土曜、日曜がお客さんが多いのと、そ
の日には一般の方々が休みにもなりますので、地域と交通問題の苦情は現時点では解決さ
れたのかなと今は思っております。
　何にしても一番私どもとしては小売店への影響ということですかね。これが一番大きな
政治問題といいますか、大分そういう問題、今まで何店も出店があったんですけれども、
そのたびに小売店との協議といいますか、そういうものはありましたが、今回の大きな店
の出店については、町が直接関与しまして、いろんな問題、交通環境、そうした問題に、
風俗関係ですかね、取り組みをいたしましたんで、どうやら最近落ちついて営業がなされ
ているというような現況であります。
　以上、雑駁でありますけれども、私の町を含めまして状況等をお話しさせていただきま
した。
○議長　どうもありがとうございました。
　それでは、委員の方々から御質問等ありましたらお願いしたいんですが、ないでしょう
か。
○Ｄ委員　今いろいろ店についての事例をお聞きしたんですけれども、基本的には出店者
がこれらの対応については全額費用負担をしておられると、こういうことでございましょ
うか。
○相馬氏　そうです。全部負担をしていただきました。
○Ｄ委員　町ではその額がどのぐらいになっているかというようなことを押さえておられ
ますか。つまり道路の拡幅をして、歩道をつけて、植樹をして、緑地もとってと、こうい
うことにどのぐらいという……。
○相馬氏　金額を細かく押さえていないんですけれども、概算でそのためには１億ぐらい
の投資をしたのではないかと思います。環境対策としましてね。道路方面を中心としまし
てね。
○Ｄ委員　わかりました。どうもありがとうございました。
○厚生省環境整備課　ごみ問題について１点ばかり質問させていただきたいんですが、ご
み処理の部分で企業の方できちんとしていただくということで解決を図られたとあるんで
すけれども、ごみ処理の負担の部分についても全額……。
○相馬氏　全額企業負担ということです。
○厚生省環境整備課　日常的に出る一般廃棄物についても全部企業が負担するという形…
…。
○相馬氏　そうですね。企業から出るのはね。
○厚生省環境整備課　わかりました。
○議長　ちょっとお聞きしたんですけれども、騒音とかごみとか交通問題に対して、大型
店が立地してきてから例えばこのぐらいの基準にしてくれということを決めたのか、以前
から町村レベルで大体この地域ではこういう基準だということを想定なされていたのか、
その辺はどうでしたか。
○相馬氏　田舎のことですからね。余り交通なんかも周囲に阻害を及ぼすほどの状態もな
かったので、町自体では以前からそういう基準をつくっておるということはなかったです
ね。
○議長　その交渉の過程は比較的簡単でしたか。
○相馬氏　そうですね。比較的簡単でした。
○議長　ついでに関連して、そういうことを大型店側に要求したときに、これは経済規制
ではないかという、そういうような反論はなかったかどうか。
○相馬氏　反論はなかったですね。経済規制というふうには考えなかったようですね。
○議長　そういうことをやってきたら落ちついたと。小売業からの問題もなかったと言い
ますけれども、実質的にはそれが規制となったのではないかという懸念はするんですけれ
ど、その点、どうなんでしょう。つまりそういう環境規制をやることによって、出店規制
にもなっているのではないかというふうには……。
○相馬氏　そういう感じではなく、大きな目で見ますと、大型店もくる。若干でも税金も
入るでありましょうし、町民の中には消費者もいらっしゃるわけですから、そういう方の
御期待もあるでしょうし、また、店舗には雇用対策の面で近隣の奥さん方もパートで使っ
ていただける可能性もあるわけですから、全く反対ということでもなく、大きな面ではお
店を歓迎する向きも一部には――一部といいますか、全体的にはムードとしてはその町の
活力といいますか、イメージアップにもなるというような面もありますので、一概に行政
としては反対ではなく、問題は小売店の問題、環境問題と交通問題ですか、そういうふう
な支障さえなければ、それについては拒否的な立場ではなかったということですね。
○議長　先生方、ほかにないでしょうか。
　いろいろお聞きしたいことがあるんですが、時間も迫っておりますので。きょうは御出
席いただきましてありがとうございました。


　　　　　　　　　　　　　 生協・農協からのヒアリング

○議長　それでは、生協及び農協からのヒアリングに入りたいと思います。
　まず御紹介させていただきますが、委員側から見て左から御紹介させていただきます。
　日本生活協同組合連合会の藤岡常務理事でいらっしゃいます。
　それから、全国農業協同組合中央会の福間常務理事でいらっしゃいます。
　同中央会、櫻井地域振興部長でいらっしゃいます。
　委員及び事務局側につきましてはそこにお渡ししてある座席表の配付をもって省略させ
ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
　きょうはお忙しいところ出席いただきましてありがとうございます。
　本ヒアリングの趣旨を申し上げておきたいと思いますが、大店立地法につきましては、
我々二つの審議しなければならないことがあります。一つは、どの事項を扱うかという事
項の問題、つまり「広さ・幅」の問題。それから、おのおのの事項においてどれほど「深
み」のある規制をするかという問題。この２点につきまして皆様方から実情を踏まえたお
考えをお聞きしたい。以上が本日のヒアリングの趣旨でございます。
　それでは、質疑応答は、生協代表と農協代表のお二方の御発言が終わった後に委員の方
から質問させていただきたいと思います。
　それでは、まず日本生活協同組合連合会の藤岡常務理事、よろしくお願いしたいと思い
ます。
○藤岡氏　今回このような機会を与えていただきましてどうもありがとうございます。
　ペーパーを用意しておりますので、短いですので、読ませていただきます。
　大規模店舗立地法の施行にあたって。
　名前を省略させていただきます。
　生活協同組合は、国民の自発的な生活協同組織の発達を図り、もって国民生活の安定と
生活文化の向上を期することを目的として設立された消費者・国民の自主的・自発的な組
織です。
　生協は、この間、一貫して安全・安心な商品の開発と公正な価格の実現のために、消費
者・組合員の協同のもとに取り組んできました。そして、現在では日本生協連加盟の670
余の生協を合わせると、全国の組合員数は2,000万人を超え、我が国の全世帯数の３割を
組織するまでになっています。
　しかし、生協の活動区域は消費生活協同組合法によって都道府県の県域に限られ、個々
の生協の組織と事業は限定されたものとなっています。
　生協は、消費者の暮らしの守り手としての役割を果たすべく、店舗の開設・運営に当たっ
ては、環境に配慮した設備の充実、高齢者や実障者にやさしいお店づくりなどを積極的に
取り組んできています。
　このたびの大規模店舗立地法は、この間、私たち生協が取り組んできた活動にも合致し
たものであり、その適切な運営が確保されるならば、よりよい暮らしと地域社会づくりに
役割を発揮するものと考えます。
　また、今回の大規模小売店舗立地法の運用に当たっては、地域住民の基本的な構成員で
ある消費者の意見が十分に反映される必要があります。そこで、消費者の立場から大規模
店立地法の指針作成に当たっては、以下の諸点に配慮されるよう希望いたします。
　なお、指針の内容が具体化した段階で改めて意見を述べさせていただきますことを申し
添えます。
　１、国の指針を検討するに当たっての客観性の確保について
　　①大規模店舗立地法の指針は、業界利益を排除し、公正・透明を確保するため、消費
　　者代表の意見を十分に酌み取って、検討していただくことを希望します。
　　②指針は、客観性・明朗性が確保されることが必要であり、自治体によって異なった
　　解釈が生じないようにすることが必要です。そのため、出店に当たって配慮すべき事
　　項の基準については、数値等を伴った可能な限り具体的なものとにすべきだと考えま
　　す。
　　③また、自治体において、法の趣旨に反し、また消費者利益に反する需給調整的な施
　　策が行われないように、特段の配慮が必要です。
　２、都道府県の審査のあり方について
　　①大規模店舗出店の審査に当たって都道府県に設置することが想定される審議会等に
　　は、消費者代表も参加し、特定の業者・団体等の利害を排除した公正な第三者による
　　構成とし、法の精神に基づく公正・透明な運営が確保できるよに措置すべきです。
　　②また、審議内容の公開等、情報の開示を徹底することが必要です。
　３、改正都市計画法の運用について
　　①自治体の特別用途地域の指定に当たっては、消費者の意見や合意形成を重視し、特
　　定の業者・団体等の利害による恣意的な指定を排除することが必要です。
　　②このため、特別用途地域の指定に当たっては、公正な第三者機関を設置し、審議内
　　容の公開等を含む透明性の確保が図られるようにすべきです。
　４、その他、個別の要望事項
　　①都道府県における出店の届け出及び調整のための窓口を一本化するなど、縦割りを
　　排し、頻雑さを避けるための特段の措置が必要です。
　　②届け出に際して要する資料等については、あらかじめその範囲を明確にし、必要以
　　上に膨大な資料の提出を義務づけられることがないようにすべきです。
　　③店舗においては、立地特性や業態特性によって、来店手段別の客数等が違ってきま
　　す。こうした特性の違いに配慮した指針が検討されるべきです。
　　④既開設店舗の営業時間等の変更による新たな届け出・審査の手続等は、可能な限り
　　簡便な方法で手続が進められるように措置されるべきです。
　　⑤出店に当たり、住民との協議を進めることは大事なことですが、その際に問題とな
　　るのは、特定の一個人が恣意的なクレーム・苦情を出してくるケースがあります。住
　　民との協議を行うに当たり、どのレベルで合意形成していくか、何らかの基準を示す
　　ことが必要です。
　　⑥なお、従来から、生協の出店及び店舗運営に関して、消費生活協同組合法の拡大解
　　釈による不当な制限が設けられるケースがありました。今後、こうした事態が起きな
　　いよう、客観的な審査が確保されるように、必要な措置をとられるように希望いたし
　　ます。
　以上でございます。
　なお、１、２つけ加えさせていただきますと、具体的な事例として、先ほど座長の言わ
れました指針の事項の広さということについて、例示として出されおります交通及び騒音、
廃棄物という以外に、私どもの会員の生協、個別の生協における住民との話し合いの中で
出てきたという事例を申し上げます。
　重なりますが、交通渋滞、騒音、臭気、これは出ております。それから、施設内から近
隣住居へののぞき防止、治安環境維持、夜間照明減灯、保安灯の設置、窓ガラスなどの日
光反射防止、不特定多数が地域に出入りすることへの環境変化防止というようなことが出
されております。これらについての考え方でございますが、全国的な統一基準、指針をつ
くるについては、あらゆる可能性を全部網羅するというのではなくて、全国どこでもこれ
だけは守るべきだという範囲に限定すべきだと考えます。そういう意味では交通と廃棄物
と騒音という現在出されております程度の範囲にとどめて、あとはそれぞれの各企業の姿
勢を問うという、この大規模店舗立地法とはまた別の自主的な地域における統制といった
もの、つまり法律によらない調整にゆだねるべきと考えますので、そのことを申し上げた
いと思います。
　以上でございます。
○議長　それでは、続きまして、全国農業協同組合中央会の福間常務理事、よろしくお願
いします。
○福間氏　本日は大変ありがとうございます。意見を述べさせていただきたいと思います。
　お手元にお配りしておりますが、内容的には基本的な考え方と具体的な意見ということ
でまとめさせていただきました。
　この基本的な考え方につきましては、特に市街化調整区域、それから都市計画区域外の
農地の開発対象ということでございます。こういう傾向が大変強まっているということで
ございまして、無秩序な転用ということになりますと、農業生産の悪化、それから先ほど
出ております交通渋滞、それから田園景観の喪失、農産物への影響も懸念されるというよ
うな状況でございます。
　さらには、短期間で店舗を撤退されますと、残された店舗の敷地の活用が大変難しいと
いうこともありますので、その辺が大変心配されるということでございます。
　したがいまして、農村部におきましては、優良農地の確保と地域の農村景観の保全を基
本に、農村計画の手法を取り入れられて調和を図っていく必要があるのではないかという
ようなことでございます。
　指針の策定に当たりましては、これらのことを考えた上での要件設定が必要ではないか
というようなことでございます。
　具体的な意見としましては、（１）でございますが、市街化調整区域や都市計画区域以
外の大型店の立地について、優良農地の保全、営農環境の確保、田園景観の維持を基本に、
最低限遵守すべき基準を国で定めること。
　（２）としまして、立地法第４条の指針については、都道府県の運用ガイドラインであ
り、また第５条の通産省令に基づく届け事項の店舗設置・運営方法等において、都道府県
の調整事項と関連することから、極力明確で具体的な表現とすべきではないかということ
でございまして、２ページのところに補足的に第４条２項の二の対象で想定される事項を
アといたしまして、地域住民の利便及び商業その他の業務の利便の確保のために配慮すべ
き事項として（ア）から（エ）、それから、イといたしまして、周辺地域の生活環境の悪
化の防止のために配慮すべき事項として（ア）から（エ）まで例示的に出させていただい
ております。
　以上で終わります。よろしくお願いします。
○議長　どうもありがとうございました。
　それでは、委員の方々から御質問等ありましたらお願いしたいと思いますが、いかがしょ
うか。
　議長からばかり質問するという批判があるかもしれませんが、私の方からまず質問した
いと思います。
　まず、藤岡さんに御質問したいと思うんですが、先ほど大店立地法は騒音、交通、ごみ
に絞りまして、そのほかの問題についてはしかるべき別なところでやった方がいいとおっ
しゃいました。そこは具体的に言うと市町村の条例を想定して考えていらっしゃるんです
か。その辺についてもしイメージがありましたらお願いしたいと思います。
○藤岡氏　要望という項目の中で、各自治体における恣意的な適用が起きないように、ま
た、法そのものにもこの法の精神を超えないようにという法文が入っておりますね。そう
いう点から考えると、いわゆる上乗せだとか横出しだとかと言われる種類の、先ほどの事
項の「広さ」や「深さ」について自治体がさらにこれにつけ加えていくということは、こ
の大規模店舗立地法の施行に当たっては望ましくないと考えます。ですから、条例等で出
される場合にも全く別の法律なり条例があり得るとすれば、それは例えば歴史的景観を守
るためにという、一例で言いますと、そういう条例があったとして、それが適用される場
合には、それはその趣旨に基づいて行われるべきだと思います。私が申し上げましたのは、
それよりもむしろ自主的な調整にゆだねるべしというふうに申し上げましたのは、どんな
場合でも近隣住民との話し合いは法に基づかないで行われるわけですね。そういうところ
にゆだねたらいかがかということで申し上げました。
○議長　はい、わかりました。
　委員の方々から何か……。
○Ｂ委員　簡単なことですが、農協中央会さんの資料に参考資料がついていまして、これ
の意図を簡単に御説明いただきたいと思います。
○櫻井氏　それでは、委員限りということで参考資料をお出しさせていただきましたが、
そちらの方の御説明を申し上げたいと思います。
　先ほど私どもの福間常務から申し上げましたように、都市計画区域外、調整区域への大
型店の出店が相次いでいるわけでございまして、そのことが優良農地の確保という点で問
題が起きている事例としてお出ししているものでございます。
　現行、農水省の施策の中では農村活性化土地利用構想というのがございまして、市町村
長が一方的に、住民が知らないところで、将来的にここは農地転用かけるんだという構想
を決めまして、この中身につきまして知事等とも相談して、物によっては大臣との相談、
農水省との相談で決めたものにつきまして農転ができるという仕組みでございます。
　お手元の資料の２ページ目の方に現状どうなっているかということで、場所は後ほど申
し上げますが、○○県の△△の周辺の××村でございまして、上の１の方でございますが、
大型店舗としましては、百貨店が、これは来年の11月に出店する予定でございます。約
14町歩の農地転用を行っている。
　その下でございます。店舗でございます。これは既に昨年９月にオープンしているわけ
でございますが、大型スーパーが5.5ヘクタールの規模で既に開業しているということで
ございます。
　次の３ページ目の方には施設の具体的内容ということで出ているところでございます。
現状２の方の、これは棒線で消してございますが、これは大手スーパーが出てきていると
いう状況です。
　次の４ページ目をごらんいただきますと具体の位置関係でございます。場所を全部消し
てございますが、固有名詞が出るとちょっとぐあいが悪いということもございますので、
真ん中に上から下に向かいまして線が入っています。これは右側の方が△△市でございま
す。この真ん中の下の方のところにこういう形になっている部分がございますが、この下
の部分が既に5.5ヘクタール出店してございまして、大型のスーパーでございまして、上
の方が百貨店が進出を予定している地域でございまして、ここは　　　　　　の優良農地
でございまして、△△市の方は線引きが終わってございますので、調整区域に隣接してい
る。こちらの××村は都市計画区域の設定がされておりませんので、そこに進出してきて
いるというケースでございます。
　５ページ目の方が××村の土地利用計画区域図でございまして、上のＡが来年の11月
にＡ百貨店が進出予定をしているところでございます。下のＤの方が現状既に開業してお
ります大型ショッピングセンターでございまして、Ｃのところは行政が将来的に直売所を
持ちたいということで、現状、これはまだ事業は実施されておりません。
　次の６ページ目はショッピングセンターの既に開業している部分でございまして、上の
主要県道線をまたぎまして、上は直売所を行政が予定しているものでございまして、下の
別図と書いておりますところは既に開業している部分でございます。
　次の７ページ目が既に展開しているものでございまして、かなり大規模な駐車場をとり
ながらということでございます。基本的には土日、△△の駅から大体車で40分ぐらいで
ございますので、かなり外れたエリアでございますけれど、こういう形で優良農地がぼん
ぼん農地転用されていくという状況でございまして、ゾーニング的手法の活用ということ
で、大規模小売店舗の立地法との関係では整理されているわけでございますが、ここの中
で県なり市の自治体はこういうような観点から条例等で地元の考え方を反映して規制を行
うことが可能であるとされておりますが、××村自体は過疎に入りつつございますので、
首長さんの立場でいけば、商業施設を持ってきて、少しでも活性化させたいという、こう
いう条件がございまして、この辺で優良農地の確保という問題との調整という問題を検討
いただかないと、どんどん自由に立地されるということになりますと、種々の問題が出て
くるのではないか。そういった点では住民、行政も含めてどういう村づくりなりをやって
いくのかという視点で、こういうものは一方的に企業が出てくるから立地をするというこ
とだけではなくて、街づくりなり地域づくりの観点から検討されるということが必要では
ないだろうかと、こういう趣旨でございます。
○Ｅ委員　１点だけ今の農協さんにお伺いしたいんですけれども、農業用排水への影響み
たいな話はないんでしょうか、今のに絡みまして。御要望のところにはそういう問題はな
かったんですか。
○櫻井氏　現状、ここは周辺が畑でございまして、排水関係はしっかりやっていただいて
いと聞いています。ただ、全国的にはいろんなケースがあろうかと思います。御指摘のよ
うなことも出てくるのではないかと思います。それから、現場で聞いてみますと、今のと
ころは大丈夫だと聞いているんですが、集中豪雨が起きたときに、水の問題が出てこない
かということは若干心配されていますが、今までのところはそういう問題は出ていないと
いうことでございます。
○福間氏　生活中心に書いてございますので、農業面の先生の御指摘の点はもうちょっと
補足して整理させていただきたいと思っております。
○議長　ほかにはないでしょうか。
○Ｆ委員　藤岡さんに伺いたいんですが、４の５のところですね。２ページにありますが、
住民との協議の進め方のところで、最後に、何らかの基準を示すべきとお書きになってい
ますが、少しここを詳しく御説明いただけないでしょうか。
○藤岡氏　これは交通であれ、騒音であれ、一定の数値的な基準がないと、非常に恣意的
になるのではないかという、被害者なんだからうるさいんだというたぐいの意見というの
は必ず私ども出店の交渉をする場合には出てくるわけですね。そういう意味では客観性を
持った基準が必要ではないかと、そういうことでございます。
○Ｆ委員　わかりました。どうもありがとうございました。
○議長　ほかの先生方はないでしょうか。
　もう１回だけ確認しておきたいんですけれど、先ほど農地転用の問題が出ていましたけ
れど、大店立地法の基本姿勢としまして、立地してからの問題を扱うべくつくられたわけ
なんです。お聞きしたいことは、そういうことをきちっと街づくりのために市町村で全く
できないのかどうか、やろうと思えばできる……、しなかったんじゃないか。そういうよ
うな意見がもしあったとしたら、それに対してどういう見解を持っているかということを
ちょっと最後に聞いておきたいと思います。
○櫻井氏　しなかったというのは市町村の側でという……。
○議長　そうです。
○櫻井氏　それは先ほどちょっと申し上げましたが、過疎地域でございますので、活性化
させたいという市町村長さんの御希望が片一方ではある。ですから、その場合にゾーニン
グ的手法ということが言われていますので、先ほど申し上げましたように、10数ヘクター
ルの百貨店が出てくる。離れたところにまた出てくる。であれば、ある程度ゾーニングを
かけて、こういうエリアはこういう形でやるというふうな、そういうものが必要になるの
ではないか。そこを今みたいに個別ケースでやっているという形ですと、将来的にいろん
な意味で問題が出てくるということになる。したがって、農村計画の手法ということも言っ
ておりますけれども、その地域をどうするかということでの、そういうプランニングを市
町村自体が持っていただく必要があるのではないかということなんです。
○議長　先生方、ほかにないでしょうか。
　それでは、時間も迫っておりますので、これでヒアリングを終わりたいと思います。本
当にどうもありがございました。

　　　　　　　　　　　　　　　今後のスケジュール等

○議長　委員の皆様、本当に長い時間御苦労さんでした。お疲れのことと存じますけれど、
もうちょっとお待ちいただきたいと思います。
　前回の合同会議の議事録につきましては、委員の先生方に御確認していただいたものを
本日配付しておりますから、これを公表用として通産省のホームページに載せたいという
ことをお伝えしておきます。
　続きまして、今後の日程及び意見公募の状況につきまして事務局からの御説明をお願い
したいと思います。よろしくお願いします。
○事務局　今１枚の紙を配らせていただきました。今後のスケジュールでございますが、
12月はこれでおしまいでございます。年が明けまして、明年の１月29日に次回の会合を
開かせていただきたいと思っております。
　その紙に、下の方に２月、３月の日程案が書いてございますが、とりあえず１月29日
だけは確定をさせていただきまして、２月と３月の予定日につきましては、とりあえず先
生方、この日程をイアマークをしておいていただいて、このうちから適宜状況を踏まえな
がら選ばせていただきたいと思います。具体的な決定はもう少し後にさせていただきたい
と思います。
　以上が日程の関係でございます。
　それから、かねて御承認をいただきましてやっておりましたアイデア募集でございます
が、11月の中ごろから12月までの約１カ月間開いておきましたところ、今、お手元に委
員限りと書いた分厚目の資料と概要がお配りしてあると思います。この分厚い方のものは、
手紙またはインターネットを通じて直接送付されたものでございまして、大変中身が多岐
にわたっておりますものですから、これ自体は先生方限りということでごらんいただきた
いと思います。
　それから、全部で20件のアイデアが応募されました。その20件のものを簡単に事項別
にまとめたものが概要というものでございます。応募数そのものは20件でございますけ
れども、内容が多岐にわたっておりまして、総項目数は88件でございます。これを適宜
整理をさせていただきました。中身につきましては、全体にかかわるところと各論にかか
わるところ、それぞれ大ぐくりにしてまとめさせていただいております。表現とか語り口
はさまざまでございますので、とりあえずこういうくくり方にさせていただきましたけれ
ども、基本的には中身を余り予見を交えないで淡々とまとめたものでございます。
　２ページのところに「法の運用」とか、「その他」というところがございます。ここに
ついては指針の中身に必ずしもならないところ、そもそも指針でアイデアを募集した趣旨
に根っこから適っていないところがございます。この辺もせっかくいただいたものでござ
いますので、あえて割愛せずに、「その他」ということで述べさせていただいております。
特に大店法をやめるのはやめるべきだとかいうような話もございましたが、こういう話も
含めて応募がなされました。
　対外的にはこの概要の方だけお出しをしていきたいと思いますので、その点だけ御承認
いただきたいと思います。
○議長　今の事務局の案はこれでよろしいかと思います。よろしいですね。
　ほかに何か委員の方からないでしょうか。

　　　　　　　　　　　　　　閉　　　　　　　　　　会

○議長　ないようでしたら、これで本日の審議会は終わりにしたいと思います。どうもあ
りがとうございました。
第28回 産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会 合同会議速記録

第28回　産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会　合同会議速記録
　
