August 23, 2008

Jo Jo Lee

Jo Jo Leeとは小島聡の欧州遠征時代のリングネーム。

新日本から武者修行に出た小島聡の最初のテリトリーは
イギリスのオールスター・プロだった。
小島選手、新日本プロレスの大剛鉄之介北米支部長、
そして取材で訪れた私の3人がそれぞれどういった経路で
英国入りしたかは記憶にないが、3人ともマンチェスターに
別々の便で入った。
当時のパターンからすると、私が最初に現地入りして、
2人を待つといったかんじだったと思う。

マンチェスター空港にオールスター・プロの代表である
ブライアン・ディクソン氏が、迎えにきた。

余談ではあるがディクソン氏の愛車は白いシトロエン。
フランス車であるシトロエンはアメリカに輸入されていないので、
私にとっては写真でしか見たことのない存在だった。
イギリスでもシトロエンは珍しい車だと思う。
走っているのを見たためしがない。
ブライアンはシトロエンが好きで、その時のシトロエンが
3台目だといっていた。

「腹が減ったゾ、なんか食わせろや」
ブライアンとはすっかりボン仲だった大剛さんのリクエストで
取りあえず食事に行くことになった。
「ジョー(大剛氏)、何が食べたい?」
「イギリスは何を食っても不味いからな…とりあえず
フィッシュ&チップスとかは勘弁だな。それよりか
テッチーは来ないのか?」と大剛氏。
「じゃ呼ぶことにするよ」
テッチーとはディクソン夫人のミッチーさんが
グラマーなので大剛さんは勝手にそう呼んでいた。
(英語でオッパイのことをテッツと言うのです)

ブライアンのシトロエンに乗って、行ったのは
イタリアン・レストラン。
ここで大剛さんのブライアンと組んでのイタズラが始まった。

「ところでコジマ君。君のギミックだが、
メークアップをしてオカマのキャラクターでやってもらおうと思っている」
とブライアン。

その時点で英語のまったくわからない小島選手はただキョトンとしているが、
大剛さんが日本語で伝えると、下を向いて固まってしまった。

ブライアンはすぐさま
「オイオイ、そんなに落ち込まんでくれよ。大丈夫、心配しなくてもいい。
化粧品のほうは我が社で全額負担するから、君は一切経済的な負担を負わないでいい。
君のニューキャラクターは我が社が全面的にバックアップするよ」
絶妙のタイミングだ。

今度は私が訳して伝えるともう小島選手は泣き出さんがばかり。
「いや、僕はお金のことが心配というわけじゃ…」
そんなことは分かりきっている。
これ以上は言えず口もぐもぐの小島選手。
武者修行の初日。ここでブチ切れるわけにもいかないし、
本来ならすべての要求に絶対服従しなければならない。
私と大剛さんは笑いを堪えるのに必死だ。

「ということで明日から、頑張ってくれ」とブライアン。
小島選手は下を向いたっきり顔をあげない。(続く)




jimmysuzukiusa at 14:20 │この記事をクリップ!