映画「闇の子供たち」(クリックで拡大) |
タイを舞台に、子供の人身売買と幼児性愛という社会の暗部に切り込んだ映画「闇の子供たち」。7館で始まった上映が、単館系作品としては驚異的な興行成績を続け、30日からは全国60館での拡大公開が決まった。阪本順治監督(49)は「ここまで急に結果が出るとは想像を超えていた」と驚いている。
江口洋介(40)演じる新聞記者・南部と、宮崎あおい(22)演じるタイのNGOボランティア・恵子が、時に対立しながら大人たちにもてあそばれる子供を救おうと奔走する骨太のストーリー。
今月2日の公開後、上映館は満員が続き、通常20−30%は下がる公開2週目の成績も、1週目と比べ133%とアップする異例の動員に。公開後16日間の成績は4万5282人、興行収入6317万円と好調だ。
このため、16日から大阪・梅田ブルク7で緊急上映が始まり、30日からは有楽町スバル座など首都圏での拡大公開が決まった。配給会社では「劇場から上映申し込みが殺到しており、現時点で60館が決まっている」と話し、最終的には100館以上になる見込み。
梁石日氏の原作「闇の子供たち」(幻冬舎文庫)も、公開直前の先月末まで14刷・12万1000部が、19刷・32万1000部と大幅に部数を増やしている。
阪本監督は「ほっとしている。撮影中から責任を感じていたが、若い世代から年配の方に見ていただいていることに感謝したい」と話している。
ZAKZAK 2008/08/22