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NHK、政府主催のシンポ放送 子会社受注表示せず(2/2ページ)

2008年8月22日3時1分

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 米国では、政府がカネを出していることを視聴者に知らせず、政策宣伝することは「非公然プロパガンダ」として原則禁じられている。05年、米政府の教育政策をほめる放送番組の裏で、教育省が出演者に金銭を渡していたことが発覚。議会の会計検査院は同省に是正を要求した。

 英国の公共放送BBCはガイドラインで「イベントの主催者から放送費用に充てられるカネを受け取ってはならない」と定めている。BBC元幹部はNHKの放送について「驚いた。BBCでは許されないことのように見える。編集の独立、政府との関係、透明性、不公正な競争など多くの論点がある」と語った。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員の服部孝章・立教大学教授も「こうした放送は『広報』。直接NHK本体に契約金が入っていないとしても、子会社を隠れみのにしているだけだ」と批判。オックスフォード大学などでBBCとNHKを比較研究してきたヘンリー・ローレンス博士は「事実だとすれば、政府とNHKの関係があまりに近い。公共放送は政府の影響から自由でなければならないが、政府機関から個々の番組に支払いがあるのならば、それが不可能になる」と論評した。(奥山俊宏、蛭牟田繁)

■「公共性が高く広報ではない」

 NHK広報局の話 番組化されたシンポはいずれも公共性の高いもので、官公庁などの広報番組とはまったく異なる。関連団体によるシンポの企画運営は株式会社として正当な事業で、放送を前提にした営業を行っている事実はない。シンポの主催者を毎回明示する必要や、企画・運営をどこがいくらで受注しているかを放送の中で伝える必要はないと考える。それぞれのテーマについてシンポの出席者の発言を紹介し、視聴者に考えていただく材料を提供することが番組の狙いだからだ。

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