大飯3号機原子炉圧力容器ノズルと一次冷却系配管溶接部付近の内面に深さ1.5cmの応力腐食割れ
テーマ:ブログ桜井淳所長に拠れば、定期点検中の関西電力大飯3号機(電気出力118万kW, PWR,, 1991年12月18日営業運転開始)において、10年に1回の割合で検査している原子炉圧力容器ノズルと外径88cm肉厚8cm弱のステンレススチール製一次冷却系配管の溶接部付近の内面に、2008年4月17日、深さ3mmの応力腐食割れ(stress corrosion cracking ; SCC)が発見され、その後、深さが1.5cmにも達していることが分かり、亀裂を削り取り、その後で肉盛溶接による修理を行うことになっていますが、材料の常識からすれば、SUS304であろうが、SUS316Lであろうが、特に、驚くようなことではなく(石油プラントでも火力発電所でも原子炉でも、しょせん、エンジニアリングの世界で、想定範囲内の出来事であって、米国のエンジニアなら話題にもしない)、溶接時の入熱量によっては、たとえ、一次冷却材中の溶存酸素量が5ppb以下でも、運転20年弱でも、SCCが起こりえるし、今後、他の原子炉でも同部の検査を強化しなければならず、原因究明には、溶接記録を調査し、溶接時間と入熱量を評価しなければなりません。