柱治あまりに残酷な“引退試合”
男子100キロ級敗者復活1回戦、ドイツの選手に敗れ、うずくまる鈴木
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【北京五輪 柔道】日本選手団主将が無残に散った。男子100キロ級に出場したアテネ五輪100キロ超級金メダリストの鈴木桂治(28=平成管財)は1回戦、敗者復活戦ともに一本負け。日本男子としては初の2階級制覇を狙ったが未勝利のまま敗退し、あらためて現役引退を示唆した。また、女子78キロ級の中沢さえ(25=綜合警備保障)も初戦で完敗し、敗者復活戦にも回れなかった。
敗戦の意味が痛いほど分かっていたからこそ、心の整理に時間がかかった。前回の金メダリスト、日本の主将、そして華麗な柔道人生の最後の試合。2度目の一本負けから1時間20分。赤く染まった鈴木の目から、また涙がこぼれた。
「オレ、何をやってきたのかなあ、と。何やってんだろう。それしか言いようがないです」
初戦。完ぺきに研究したはずのツブシンバヤルに、得意技のもろ手刈りを食らい、背中から落ちた。「銅メダルは獲りたい」。切り替えた敗者復活戦。今年の欧州遠征で一本負けしたベールラに、その時と同じ技を食らった。左脚をつかまれての横落とし。鈴木は畳に額を押しつけ、うずくまったまましばらく動けなかった。試合時間はわずか2分。「きょうという日の僕は最高(の状態)だった」はずのエースは、最後まで敗因を説明できず「自分が弱い、バカとしか言いようがない」とうなだれた。
「自信を持ってやってきたことが間違っていたと思うと、情けない」。アテネの優勝後、05年世界選手権100キロ級を制覇。全日本選手権を合わせた日本柔道3冠を達成し、情熱を失いかけた。加えて激闘を繰り返した体は、傷だらけ。肩やひじ、股関節は歩いただけでも痛みが走った。それでも「アテネは(代表選考で)負けて選ばれたし、自分の階級ではなかった」との思いが、鈴木を北京に向かわせた。
それだけに、ショックは大きい。「自分の柔道を出し切ってないけど、もう空っぽです。何も残ってない」。引退の場と決めていた舞台の無念と無残。「メダルで応援できれば良かったけど…。最後まで(主将として)日本選手は応援していきます」。そう気丈に答えた28歳は「後悔はないけど、自分を応援してくれた人と話す権利は、僕にはない」と話すと自分の両足に視線を落とし、再び涙をあふれさせた。
【選手名鑑
競技日程】
[ 2008年08月15日 ]
- メダル届かず 男子二百背の入江は5位 [ 08月15日 11:26 ]
- 女子二百平 金藤は7位、種田8位 [ 08月15日 11:25 ]
- 陸上が始まる 朝原は1次予選4着 [ 08月15日 11:24 ]
- 野村忠宏、北島に「格好良くてムカついた」 [ 08月15日 10:24 ]
- 女子ダブルスの杉山、森田組は持ち越し [ 08月15日 10:06 ]
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