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掲載誌 ネットワークビジネス
2006年10月号
掲載欄 40〜43ページ/Scoop - スクープ!
見出し 経済産業省の
平成17年度 連鎖販売取引実態調査報告書」を入手。
詳細とともに、請求した前田雄吉議員に聞く
表紙写真
見出し
  本誌は、経済産業省が2月にネットワークビジネスの実態調査に乗り出し、委託先である帝国データバンクが3月に調査してまとめた「平成17年度連鎖販売取引実態調査報告書」を入手した。
この詳細を解読してみたい。報告書は、流通ビジネス推進政治連盟の議連事務局長を務める前田雄吉衆議院議員が請求したもの。後半で前田議員へのインタビューも掲載する。

図1/連鎖販売業界の年商合計
企業概要のある288社の
年商合計値を算出

年商合計値
1兆1,209億1,800万円

従業員数
1万5,325人

会員数
2,190万3,579人
(会員数項目を回答した90社の会員数合計)
 まず、調査対象の抽出方法は、帝国データバンクが、経産省指定の企業リストから同社の企業コードを検索した482社のうち、企業概要ファイルを抽出した結果、企業概要データのある288社を選択した。また、482社のうち、経産省指定の売上高の多い会社99社を抽出し、これに、同社の指定事項調査を実施して、抽出した51社を加えた計150社の調査をデータとしている。企業名は一切記載されていない。

ネットワークビジネス業界の
売上高の総計は1兆1200億円超
会員規模の総数は2190万人にも


 報告書によると、「連鎖販売業界」=ネットワークビジネス主宰会社288社の年商合計値(図1)は、1兆1209億1800万円と算出している。参考に、企業概要データのない企業を加え、ネットワークビジネス主宰会社の想定社数を500社、600社、700社の3種類で計算した合計値は、1兆1231億円〜1兆1619億円とその範囲は約388億円の差しかないため、想定年商合計値は、おおまかにはこの数値に近いものと考えられる。
 また、従業員数は288社の従業員数合計値は、1万5325人。会員数は、指定事項調査で回答した90社を合計しており、その会員数値2190万3579人だった。ネットワークビジネスの会員規模を知る上で、この2190万人から推察すれば、日本人の6人に1人がネットワークビジネスの従事者と言える。
 一方、指定事項調査による集計をみると、各社の保有会員数は、「1000人超5000人以下」が17.4%と最も多く、次いで「10万人超」が16.1%、「1万人超5万人以下」13.4%、「1人超1000人以下」10.7%という順位になった。

会員属性は
女性会員8割以上が
企業全体の4割を超える


 会員の属性では、男女比率は、「女性81〜100%、男性0〜20%」が41.6%と最も多く、次いで「女性61〜80%、男性21〜40%」が23.5%と女性を占める割合が過半数を超えている。さらに、「女性41〜60%、男性41〜60%」の8.1%を合わせると7割を超えている。全体の男女会員の比率でも「女性89%、男性11%」と、ネットワークビジネスは、女性の携わる比率が非常に高いビジネスだと言える。

年齢別では40歳代・50歳代が
大きな割合を占める


 また、年齢別構成比でみると、50歳代が構成比の「21〜50%」を占める企業は85社中51社で、次に40歳代が「21〜50%」を占める企業は85社中46社と、ネットワークビジネスの会員構成は、40歳代・50歳代が大きな割合を占めている。付け加えると、60歳代以上が「0〜20%」61社、「21〜50%」20社で合わせると85社中81社となって、全体に占める割合からみても多くの企業で60歳代が活躍している。全体平均では、40歳代(31%)、50歳代が(21%)、30歳代(21%)、60歳代以上(13%)、20歳代(11%)、10歳代(3%)と40歳代が3割を占め1位で、40歳代以上が全体構成比の65%と大きい。これから言えることは、ネットワークビジネスは、40歳代・50歳代の女性が非常に多いビジネスであることが浮き彫りになった。

会員1人当たりの平均年収は
「100万円未満」が最多


 次に、会員1人当たりの年間報酬額別(いわゆる年収)の会員構成比によると、「100万円未満」の構成比率がフラット(0〜100%)に分布しており、最も多い。また、「100万〜300万円未満」は、50社中13社の会員構成比「21〜50%」が比較的多い。報酬額の両極では、「赤字」が「0〜20%」は同45社、「500万円以上」が「0〜20%」は同46社、「300万〜500万円未満」は「0〜20%」が、同41社となっており、会員全体に占める割合は小さい。ビジネスの仕組み上、高いボーナスを得られる人の割合は少ないのと同時に、「赤字」という割合も分布としては小さいという構造となっている。
 3つ目に、収益構造のビジネスモデルは「順次取引型」が42.3%、次いで「取引集中型」が34.9%となっている。このほか、「その他」「不明」を合わせると22.8%となっている。ここでいう「順次取引型」とは、本部が最上位のクラスの加盟者との間でのみ連鎖販売取引を行い、以下のランクの加盟者は自己の直近上位ランクの加盟者との間で連鎖販売取引を行うもの。一方の「取引集中型」とは組織本部が個々の加盟者との連鎖販売取引をすべて集中して行うこと。
 4番目に売上高の内訳の比較について、これは「ネットワークビジネスによる売り上げ」と「ネットワークビジネス以外の売り上げ」の比率を算出している。
 回答企業による売上高比率は、「ネットワークビジネスによる売り上げ」が83.1%、「ネットワークビジネス以外の売り上げ」が16.9%となっている。
 また、ネットワークビジネスによる売り上げの販売手法の内訳は、回答企業全体の算出によると、「組織内販売による売り上げ」が96.4%、「インターネット販売による売り上げ」が3.6%となった。

売上高規模は「1億円超〜10億円以下」が半数
資本金は5000万円以下、20年以上の業歴、
従業員は50人以下がキーワード


 最後に、最新の売上高における、資本金や業歴、従業員数のそれぞれ規模別の分類を調査している。売上高規模で最も多かった層は、「1億円超〜10億円以下」で145社(50.3%)と半数を占めた。次いで、「10億円超〜100億円」の83社(28.8%)、そして「0〜1億円以下」が35社、「100億円超」が25社となった。
 資本金規模別は、「5000万円以下」が最も多く227社(78.8%)、次に「1億円超」34社(11.8%)、「5000万円超〜1億円」が27社(9.4%)だった。
 売上高と資本金規模のクロス集計では、売上高「1億円超〜10億円以下」で資本規模が「5000万円以下」が126社(43.8%)と最も多いボリュームとなっている。
 業歴別では、「20年以上」が最も多く99社(34.4%)、次いで「10年〜20年未満」が98社(34.0%)、「5〜10年未満」が61社(21.2%)、「3〜5年未満」が23社、「3年未満」が7社の順位となり、「10年以上」の業歴の企業が7割近くを占めた。
 売上高と業歴のクロス集計では、売上高「1億円超〜10億円以下」で業歴「10年〜20年未満」が51社、「20年以上」が42社という順位となり、売り上げ規模が小さくても比較的業歴が長く継続できるビジネスであることがみてとれる。
 そして、従業員規模別では、「0〜50人以下」が244社(84.7%)で最も多く、次いで「100人超〜500人以下」が21社、「50人超〜100人以下」が19社、「500人超」が4社の順位となった。
 売上高と従業員数規模のクロス集計では、「売上高1億円超〜10億円」の「0〜50人以下」が144社と最も多く、半数を占めている。


前田雄吉 議員に聞く
ネットワークビジネスは
明らかに社会的に認知された産業で、
すでに日本で定着している



ネットワークビジネスの基本的なデータが必要

──まず、入手した経緯をうかがいたい。

前田 ここ3年連続して、予算委員会の分科会で経済産業省に必ず同じ質問をしました。それは、「ネットワークビジネスは、何万人が従事して、何兆円の産業であるか基本的なデータが欲しい」ということです。毎回、WFDSA(訪問販売協会世界連盟)のホームページの数字の回答だった。05年には、「来年も同じ質問をします」と念を押して言いました。そこで、今年2月経済産業省が、「連鎖販売取引実態調査」の委託先を募集し、帝国データバンクが受注した。そして、3月の予算委員会の分科会で、実態調査の結果の開示を強く求めました。担当官は「開示する」と直接回答したので、私は報告書を請求しました。

売上高や会員数には経済産業省も驚いていると思う

──報告書によると、ネットワークビジネス業界の288社の売上高の総合計は、1兆1209億円超となっている。

前田 恐らく、経済産業省は驚いていると思う。ネットワークビジネスの主宰会社はこんなに少なくはないはず。

──会員数を回答した90社の会員数の合計は2190万人。

前田 これを6倍したら日本の人口になります。実際の従事者はこれよりも少ないと思います。今回の数字で、ネットワークビジネスは、明らかに社会的に認知された産業だということが立証されたと考えます。ライフスタイルとして、老若男女が取り組んでいる。きちっと定着しています。

女性の社会進出を裏付けている

──会員の属性について、女性の占める割合が多い。また年齢的にも40歳代・50歳代が多い。人生経験を積んだ女性のビジネスであることが浮き彫りになった。

前田 政府は、男女共同参画型社会をめざした政策を打ち出してきました。一方、家族を助ける、あるいは自立心を持った女性が、ビジネスに取り組む姿はたくましいです。ネットワークビジネスは、女性の社会進出を裏付けている。私も驚きをもって見ています。

──会員1人あたりの年収だが、一番多いのは「100万円以下」だった。

前田 女性の自立という面では、これも裏打ちされたデータです。主婦への調査で、夫の収入に月々あといくら欲しいといった銀行のアンケートでは、「月2万円」という回答が多かった。また、「もう少し仕事として欲しい」という女性が自立する過程がよく記されている。

ようやく日本経済の中で定着してきた

──業歴では20年以上という企業が多かった。また、売上高が10億円以下でも長く継続できる企業が多かった。

前田 ネットワークビジネスの企業形態として、流通コストがかからず、広告宣伝費もかけなくてすみます。ある程度の会員を確保さえすれば、そんなに大きな規模でなくても、会社として継続できます。また、従業員数も少なくてできる。ということは、多くの皆さんが起業できる機会があります。ネットワークビジネスは、まだまだ発展する可能性を秘めた産業だと思います。これまで、ネットワークビジネス主宰会社や会員の皆さんは長い間、誤解や偏見に耐えながら努力してきました。その成果がやっと現れてきた。だから日本経済の中で定着してきました。だからこそ、ネットワークビジネスを保護育成すべき、基本法を作りたい。経済産業省も前向きに検討する時期に来ています。

──実態調査について。

前田 今回は、あくまで予備的調査だと思う。経済産業省に本格的な調査を要望します。例えば、全国の地域の属性についても調査してもらいたい。ネットワークビジネスは、そこまで大きな産業になっています。
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