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掲載誌 ネットワークビジネス
2006年5月号
掲載欄 34〜35ページ
見出し 流通ビジネス推進政治連盟 前田雄吉議員
「3年連続、国会でネットワークビジネスを質問」
表紙写真
見出し
  流通ビジネス推進政治連盟 Yukichi Maeda
3年連続して前田雄吉議員が
国会でネットワークビジネスについて質問に立つ

ネットワークビジネスの社会的認知向上のための活動を行う流通ビジネス推進政治連盟(NPU、事務局東京、形山淳一郎理事長)の議連で、事務局長を務める前田雄吉議員(民主党)は3月1日、衆議院予算委員会の第七分科会で、ネットワークビジネスの実態把握などについて質問を行った。 前田議員が、ネットワークビジネスについて、予算委員会で質問を行うのは、04年、05年に続いて3年連続。
前田議員は、ネットワークビジネスの従事者数と売り上げ規模の把握を再度要請するとともに、連鎖販売取引の定義の見直しを主張し、健全なビジネスと悪質なビジネスとの区別を明確にして健全なビジネスを保護育成する基本法の必要性を訴えた。
さらに、国民生活センターに寄せられる苦情件数のカウントのあり方の改正を求めたところ、内閣府の田口国民生活局長は、「PIO-NETでは、苦情件数を集計対象としており、05年4月から、一般的な問い合わせが入ってくることがないように、全国の消費生活センターに対し通知し、趣旨の徹底を図っている」と答弁した。
そして、前田議員が、金融庁に対し、「ネットワークビジネス業界への融資はするな」と口頭での指導があるという事実を確認したところ、金融庁は「各金融機関に対して、そういう指導はしていない」と回答している。

写真 前田議員
ネットワークビジネスの
従事者と売り上げ規模を再度質問し、実態把握を求める


 前田議員は、衆院予算委員会の質問のなかで、まず、「米国においては、フランチャイズと並んで、ネットワークビジネスは二大ビジネスの一つで、全米の商工会議所の会頭がアムウェイの会長であることからもわかるように、しっかりと社会的にも認知されているわけです」と米国の現状を説明。そして、日本について、「日本では、誤解偏見が続いており、これを払拭しなければならない。違法なものは、厳格に取り締まり、育成すべきものはきちんと育成していくというのが、我が国の産業政策で大事ではないか」と前置きした上で、経済産業省に対し、ネットワークビジネスの従事者数と売り上げ規模はどのくらいかを質問した。
 経済産業省の迎商務流通審議官は、「連鎖販売取引のみのデータは保有していない」とし、訪問販売協会世界連盟のダイレクトセリングの数値から、「日本は約3兆円、販売員数は200万人と発表している」と答弁。これに加え、「現状把握のための調査を今実施している」とした。
 これを受けて、前田議員は、05年と同様の数字を出したことに苦言を呈し、「私が質問するから慌てて調査するのではなく、きちんと答えてください。現状把握なしには、何の政策立案もできない」と実態の調査と調査結果の開示を強く求めた。

連鎖販売取引の定義の見直しを主張

 次に、警察庁には、05年の取り締まり状況を尋ねた。警察庁の巽長官官房審議官は、マルチ商法事件の検挙状況は、特定商取引法違反1事件5人検挙で、約6000人の会員に対し、総額3億6000万円分の商品を販売していたことを報告。
 前田議員は、「取り締まりにくい業態であるのは、定義に問題がある」とし、特定商取引法の改正の歴史に触れ、「特定負担の撤廃が、規制すべきビジネス形態と育成すべきビジネス形態の峻別をあいまいにした」と指摘した。
 これに対し、経産省の迎審議官は「販売組織や個人販売員の活動が、法律に従って適正に行われていれば、必ずしも問題が生ずるわけではなく、法に違反する悪質事業者を排除することで、連鎖販売取引の公正確保を図っていくことが重要である」と述べた。
 しかし再度、前田議員は「定義のいかんによって、悪質事業者の業態も大きく変わるため、問題のある悪質なマルチ商法も健全なネットワークビジネスも同じように規制され、逆に育成されるという自己矛盾がある」と定義の見直しを主張した。

国セン
苦情件数に問い合わせを含めないことを徹底


写真  続いて、国民生活センターの苦情件数のカウントの仕方の改正について回答を求めた。これは、クーリングオフのやり方の問い合わせまで、苦情件数としてカウントされるという、05年に行った質問に対しての答弁で、内閣府の田口国民生活局長は、「PIO-NETシステムに、一般的な問い合わせのようなものが入ってくることのないように、05年4月、国民生活センターから全国の消費生活センターに対して、通知し、趣旨の徹底を図っている」と集計方法を改正したことを回答した。
 そして、前田議員は、「ネットワークビジネスを健全に育成発展させるためということが、特商法の制度の中に欠落している」として、「ネットワークビジネスには、保護・育成すべき基本法が必ず必要である」と訴えた。

金融庁
ネットワークビジネス企業に融資するなと指導していない


 最後に、金融庁に対して、ネットワークビジネスの会社は、社会的な差別や偏見にさいなまれ、公的施設やセミナールームが借りられないとか、噂によると、ネットワークビジネス業界への融資はするなと口頭で指導があるという事実の確認を行った。
 金融庁の山崎総務企画局参事官は、「適法に行われる特定のビジネスに関し、各金融機関に融資をしてはいけないという指導は行っていない」と答弁した。
 今回の質問の中で、前田議員は、ネットワークビジネスの実態調査と把握を再度求め、議論していきたい考えを示した。また、健全なネットワークビジネスと悪質なマルチ商法を定義の上で区別し、さらに健全なネットワークビジネスの保護育成のための基本法の制定の必要性を訴えた。そして、国民生活センターの苦情件数のカウントには、問い合わせが入らないように通知・徹底されたことが、05年度の質問から改善された点だといえる。
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