【北京=奥寺淳、峯村健司】国際オリンピック委員会(IOC)のデービス広報部長は9日の記者会見で、北京五輪開会式の8日にグルジアとロシアの軍事衝突が起きたことについて「各国代表が行進している時に戦い合うのは悲しいことだ。『五輪休戦』が実現できるよう国連が役割を果たすことを期待する」と述べ、各国に協力を求める意向を明らかにした。
五輪期間中の休戦は、これまでに国連総会でたびたび決議され、IOCが00年に設置した国際オリンピック休戦センターを通じて呼びかけている。古代ギリシャ五輪の時代に「聖なる休戦」が実施されていたことが背景にある。
中国外務省の秦剛副報道局長も9日、「事態をきわめて注視しており、関係当事者は自制を保ち、直ちに停戦するように呼びかける」との談話を出した。
中国政府は「内政不干渉」を理由に、第三国の紛争などについてコメントを避けることが多かったが、「平和の祭典」である五輪が始まると同時に起きた衝突という点を重視し、開催国として態度を明確にしたものとみられる。